生活保護を受けながら、ゴミ屋敷で孤独死した漫画家の最後の作品とは? フリーランスのクリエイターの夢と現実を見据えて

コラム

「なかなか見つからなくて、諦めたところで、ふっと大量の原稿が詰め込まれた袋から『生ポのポエムさん』の第一回原稿と新連載のためのネタ帳ノートが見つかりました。運命的なものを感じました。原稿の出来は決して高いものとは言えません。ところどころ大きくデッサンも狂っていました。内容も50代の漫画家が貧困と病気に耐えかねて、練馬区役所の福祉事務所に行き生活保護の手続きをする……それだけの話です。でもなんとも言えぬ鬼気迫る迫力を感じました」

全部で20数ページ、たった1話だけでは、あまりに短い。ただ、なんとか世の中に発信したいと思った。

「とりあえず原稿を出版社の編集者に読んでもらいました。確かに物語のプロローグでしかないし、ページ数もたった20Pしかありません。でも出版社の方もこの原稿を読んで、生きざまを感じ取ったようです。両親の承諾も得て電子書籍として配信されることになりました。」

そうして、吠夢さんの遺作『生ポのポエムさん』は電子書籍で配信された。

 

フリーランスのクリエイターを目指していると、親に
「夢みたいなこと言って!!」
「バカなこと言っていないで地に足をついた将来を考えろ!!」
と言われるかもしれない。吠夢さんは、まさにそんな夢が破れた人に見えるかもしれない。ただ見方を変えれば、一生漫画家であり続けることができた幸せな人だったのかもしれない。

 

フリーランスのクリエイターになりたいと思っている人は、一度読んでみてはいかがだろうか?

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