かなしろさんは、リュウ太君に何度か障害の告知をしたという。自分の特性を理解し、弱み・強みを理解していたからこそ、リュウ太君は就労できたのだろうと思う。また、かなしろさんはリュウ太君に精神障害者手帳の取得や福祉制度に関しても、説明している。リュウ太くんは、必要と感じず取得はしないが、困った際に制度があることを知っているということは、安心感につながると思う。
本書は福祉制度や職選びのヒント、就労の際のアドバイスが盛りだくさんで、当事者の方にはもちろんお勧めだが、支援者や親御さんにも強くオススメする一冊だ。ハンディがあっても、周囲の理解や親の接し方により、社会は怖いものではなくなる。親ができることは、子が親だけではなく、周囲にサポーターを作れる接し方を教えることであり、環境作りの手助けをしていくことではないかと強く思った。