前回は、マルチビジネスや悪質な新興宗教団体の勧誘を断るすべを書いた。
中には、異性をターゲットにして勧誘をかける団体もある。いわゆる“デート商法”と呼ばれるものだ。
筆者は昔、絵画販売のショップへ潜入で入ったことがあった。
イルカが泳いでいるキラキラした絵の版画などを高額で売りつけるショップだ。
映画『エイリアン』と「絵を売る」をかけて、エウリアンと揶揄されることもある悪質な商売だ。現在でも町中で堂々と営業している店もある。
筆者は自宅電話にかかってきたデート商法っぽい電話に、あえて引っかかる形で東京都内の繁華街にあるショップへ行った。
薄暗い店内にはたくさんテーブルが並んでいて、ほとんどの席には客が座っていた。高額な絵を買うタイプの人ではなく、いわゆるオタク的なファッションの30代程度の男性が多かった。それぞれの前には、スーツ姿の綺麗な女性が座り語りかけている。
電話では
「女性と絵画について話せる」
というようなことを言っていたのに、実際には、絵画の押し売りだ。
そして僕の前にも、女性が座って絵の説明をはじめた。販売されている原画、版画はファイルにされていて、一枚一枚説明していく。
ひどいショップだと、作品自体がカラーコピーだったりするが、そのショップはそこまでひどいことはしてないようだった。
ただ本物だろうがニセモノだろうが、いらない物はいらない。
ファイルの絵は、一点50万円くらいは当たり前で、100万円を超えてくる作品もたくさんあった。
普通、若者が
「この100万円の絵、気に入ったから買おうかな」
と思うことはまずない。