発達障害グレーゾーンの進路|就学相談でまだモヤモヤしてる!私たちの子どもはまだ長い人生を歩み始めたばかり

コラム

淡々と「前例がないので」「明確な規約はないけど、都がそういっているので」「専門医に相談してください(診断書を出した。もちろん相談してきている)」と言う教育委員会。

「2年前に支援学級をゴリ押ししたのは教育委員会ですよね」と力なく言うしかなかった。

 

強く説得しようと思わなかったのは、発達障害診断が下ってから「制度」「規約」「前例がない」という言葉に振り回され続けてきたからだ。日本の教育制度の限界なのだろうと思った。

 

息子は、知能検査の結果では、言語理解は小学校6年生程度と突出している。なので、おしゃべりはものすごく達者だ。

 

小学校で友達ができたか聞くと、息子は「孤独は寂しい。だけど、僕は寂しさより静けさを取りたい」と答えた。

小学校2年生の頃に、私はこんな哲学者か詩人みたいなことは思った記憶がない。

そこを見て「どこが発達障害?天才じゃない?」という人がいるけど、まさにこういうところがASDだと思う。

そういうことをスラスラ話すのに、書き取りは興味がないので、全くしない。書き取りはしないけど、タブレットのローマ字変換はできる。分からないことは自分でGoogle検索するので、知識は大人顔負け。ローマ字変換はするけど、足し算の繰り上げでつまずく。だけど、九九は暗記している。なのに、何かでつまずくとこだわり、一歩も前に進まなくなる。

 

こういった子どもを受け入れる環境は、今の日本の学校教育の中にはない。彼の個性をつぶさず、良さを伸ばしていくには、学校以外の場所が必要だと感じた。独自の学習方法を息子とともに模索していくしかない。

 

本人に、教育委員会からされた話をしてみた。息子はいたってのんきに「やってみないとできるかできないか分からない。普通学級を見学するところから、やってみようか」と言った。

 

「障害者の権利に関する条約」が決められた際に、合い言葉となった「Nothing About us without us(私たちのことを私たち抜きで決めないで)」という言葉を思い出した。教育を受けるのも、勉強するのも息子自身。7歳でも自分の意志がある。どの選択が正解なのかなんて、結果論だ。本人が納得できる進路選びの手助けをするしか、親にできることはないと思った。

 

就学判定の結果にまだ納得できず悩んでいる親御さんも多い時期だと思う。だけど、どんなに悩んで決めた進路でも、合わないこともある。そして、そのときに、教育委員会をはじめ、誰かが責任を取ってくれるわけではない。軌道修正はいつでもできる。だから、支援学級・支援学校・普通学級のどの選択をしても、それで人生が決まってしまうと思い悩まないでほしい。私たちの子どもはまだ長い人生を歩み始めたばかりなのだから。

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