レビュー「子供を殺してください」という親たち ~精神障害者か犯罪者か?家に立てこもって医療や福祉につながらない精神疾患の人々~ 

コラムそのほか

今回は

「子供を殺してください」という親たち 1巻: バンチコミックス Kindle版

押川剛(著), 鈴木マサカズ(著)をご紹介する。

 

 

現在、2巻まではKindle Unlimited 会員は、追加料金なし(¥0)で読み放題になっているので是非、会員の方は読んでみて欲しい。この漫画は同名の書籍が原作となっているが、テーマとして重い内容なので、漫画の方が入りやすい方も多いだろう。

 

実在する精神障害者移送サービス会社「トキワ精神保健事務所」の押川剛氏が親や家族からの依頼を受けて、医療や福祉につながらず、自宅にひきこもり問題行動を起こす人々を、家族に代わり説得し医療や福祉につなげていく話が、実際のケースとともに紹介されている。

 

重度の統合失調症やうつ病、脅迫症やパニック症といった精神疾患や不登校・ひきこもり、薬物やアルコールなどの物質使用障害から、精神医療とのつながりを理解しながらもさせられない家族たち。

 

読み進めていくと本人の疾患や障害だけが問題ではないと感じる。家に立てこもって親に命令し暴力をふるう、飼い猫をバッドで撲殺してしまう。そこまでの症状に急にいたるわけではないし、精神的に追い詰められるような環境が背景にある。ひきこもり・立てこもりの初期の頃に、親や家族が世間体などから子の病気を認めない。

 

厚生労働省によると精神疾患患者数はおよそ400万人(平成26年)にのぼり

日本の総人口から計算すると約30人に1人が精神疾患で通院や入院をしている計算になる

だけど、世間の精神疾患に対する偏見は強く、親もなるべくなら認めたくない。その結果、自室にこもった子の精神疾患はどんどん進行し、移送会社に依頼しないと病院にも連れて行けないという状態となる。押川氏のあくまでも子ども側に立って、説得により医療・福祉につなげていく姿勢が印象的だ。

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