戦時中に兵器として使われた動物たち ~人間を守るために軍用化された 駆け回る「イヌ地雷」CIAのスパイとして利用された「アコースティックキティ」~

コラムそのほか

終戦記念日の今日は「戦場で兵器として使われた動物たち」に着目したい。

 

古代から、動物は戦場で“道具”として使用されてきた。最も利用された動物は馬だろう。多くの国で移動手段として利用された。インドや東南アジアでは、象も兵器として使われた。移動と破壊を兼ね備えた、まさに現代における戦車のような役割だった。産業革命以降、あらゆることに機械化が進み、動物が戦場で活躍する機会は減っていった。現在では動物愛護の観点からも、ますます動物が使用される頻度は減っている。

 

しかし、それでも第二次世界大戦中には、かなり多くの動物が戦場へ駆り出されていた。

第二次世界大戦は、全世界で5000〜8000万人が死んだ、まさに総力戦だ。どの国も使えるものは、動物だろうがなんだろうが使おうという、死にものぐるいな気持ちはあっただろう。

 

それでは第二次世界大戦以降の、動物を使った兵器『アニマル・ウエポン』を具体的に紹介する。中には本気で役に立つと思って開発したのか疑問に感じる兵器もあるが、しかしその理不尽さ、滑稽さもまた戦争の恐ろしさだろう。

 

■ソ連軍により戦車爆破のために兵器となったイヌ

画:村田らむ

 

1941年6月に始まった独ソ戦(ナチス・ドイツを中心とする枢軸国とソビエト連邦との間で戦われた戦争)では、ナチス・ドイツが投入した機甲師団はソ連軍を圧倒していった。

 

キエフが陥没し、首都モスクワが危機に迫ったソ連軍は、戦況を打開する案を必要としていた。

 

敵戦車を破壊し動けなくされるために使われたのが「地雷犬」である。戦車の弱点は、装甲が薄い車体下部。動き回る戦車の車体下部を爆破するために、進路に全て地雷を予測して設置するには、ロシアの大地は広すぎた。そこでソ連軍は、犬のお腹を空かせ、エンジンがかかった戦車の車体下に餌を置いた。そして、稼働中の戦車の下に、餌があることを学習させた。爆弾を背負った犬を、ドイツ戦車が押し寄せる戦地へと放った。

 

この作戦は、独ソ戦の開戦直後は、一定の戦果を挙げていたという。しかし、近寄ってくる犬は危険だと気付いたドイツ軍は、犬を射殺するようになる。また、訓練したのがソ連軍の戦車だったため、両軍の戦車があった際、放たれた犬はより馴染みのある、自軍の戦車へと走っていくようになった。そういった理由から、イヌ地雷はそのうち使用されなくなっていった。

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