読者の皆さんの多くは、ツイッターやフェイスブックなどのSNSのアカウントを持っていたり、ホームページやブログを運営しているだろう。人は誰でも亡くなる。亡くなった後にも、故人のアカウントは残る。
その後、そのアカウントはどうなるのか?
皆さんは考えたことがあるだろうか?
そのような故人のサイトを10年以上に渡り追い『故人サイト』(社会評論社)の著書もある、古田雄介さんにお話を伺いつつ、考えていきたい。
ツイッター社は2019年の11月末に
『半年以上ログインしていないアカウントは削除する』
と警告をした。だが世界中から
「亡くなった人はもうツイートはできない。しかし故人を追悼する墓標として大事だ」
と猛反発を食らった。
ツイッター社はただちに
「亡くなった人のアカウントを保護できるようになるまでは、計画は凍結する」
と発表した。
「ツイッター社が警戒したのは、休眠アカウントを悪用する人たちですね。アカウントを放置して、そのアカウントが犯罪に使われてしまった場合、運営側にバッシングが行くというのが最近の流れでした」
運営側ももちろん“亡くなった人のアカウント問題”は考えていた。
ちなみにフェイスブックには、亡くなった場合申請すると、運営側が判断してそのページを保護する「追悼アカウント」という機能がある。
その後は誰もログインできなくなり、ダイレクトメッセージも見られなくなる。その代わり、亡くなった時点のデーターは公開したままになる。
「『追悼アカウント』は2009年から11年やっているサービスですが国によって利用率が全然違うんですね」
死後のプライバシーを研究してらっしゃる折田明子さんの2019年初めの調査によると、日本は追悼13.3%、67.7%が削除、アメリカでは追悼36.8%、削除が40.6%だった。
「日本はアカウントを追悼のために使おうとする人はまだ少ないですね。
また、実は追悼も削除もせずそのまま放置している人もいます。パスワードが分かればログインできますから、故人に代わってメッセージを書くこともできますし、本来は本人以外は禁止されているダイレクトメッセージを確認することができます。
またツイッターは、チームでアカウントを管理することが認められているため、もちろんメインのユーザーが亡くなった後もアカウントが継続する場合もあります」