福祉電評「障害気づかず大人に 生きづらさを抱え続け 支援にどうつなぐ」 ~コロナ禍で浮き彫りとなる大人の軽度知的・発達障害者~

そのほか

本日は、2020年11月10日放送 クローズアップ現代+(NHKオンデマンド)エピソード94 「障害気づかず大人に 生きづらさを抱え続け 支援にどうつなぐ」をご紹介する。

昨今のコロナ禍による雇い止めや生活困窮で、支援窓口を訪れたことがきっかけで、自分の障害に気付く人が相次いでいる。

 

番組冒頭で紹介されている及川さん(56歳 女性)は他人からは分かりにくい生きづらさを抱え、10回以上の転職を余儀なくされてきた。特に職場や日常生活の買い物で、素早い計算ができず生きづらかった。及川さんは56歳まで何の違和感も持たなかったわけではない。小学生の頃に、算数ができずに、普通学級から支援学級に行ったものの、その中では「できる子」であり、「努力不足」だと叱責され、普通学級に戻されてしまった。

 

50代になり、自分が仕事を続けられない原因を探った結果、知能検査を受けるとIQ64という結果が出た。IQ70以下の軽度知的障害だと発覚し、自分の苦しさの原因が障害にあったことを知る。

軽度知的障害の及川さんは、周囲と比べて、分かりやすく異なっているわけではない。だが、パン屋に就職した際には、商品名にカタカナが多く、覚えられなかった。商品を並べることができなかった。周囲からの目が痛く、退職を余儀なくされた。

「怠けているだけではないか」とみられ、叱責されてきた原因が分かったのだ。もっと早く分かっていれば及川さんの人生は違うものになっていただろう。

 

このように、コロナ禍において、アルバイトや派遣でギリギリの状態で生活を送れてきた大人が、就労支援窓口などで、軽度の発達障害や知的障害を持っていることが分かるケースが増えている。

 

品川にある就労支援事業所では、コロナ禍を機に、テレワークなどの相談で相談者は3倍に増加した。その支援の中で、障害が発覚するケースが増えているという。

 

なぜ中高年で発覚する人が多いのか。

発達障害に関していえば、2004年に発達障害者支援法が制定され、2007年から特別支援教育が本格的に実施されている。若い世代では、発達障害の早期発見・早期療育がされやすい環境があるが、それ以前に産まれた世代は、障害が見過ごされてきてしまったという現状がある。

 

では、法が整備された若い世代ではどうなのかといえば、やはり見逃されてしまう人が出てくるという。子の発達に不安を抱える親が、教員に相談しても「正常の範囲内」「育て方の問題」と言われてしまうケースも多い。

そこには教員の障害に対する知識や専門性の差もあれば、保護者との信頼関係が崩れてしまうことを危惧するためらいがある。

 

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