「警察官だって3日食べてないって言えば500円くらいくれるよ」と語る、多摩川の河川敷で生活するホームレス。餓死、病死、飛び降り自殺……死はいつも近くにある。

そのほか

多摩川河川敷を歩いていると、橋の下に大きな小屋を見つけた。大きさもさることながら、小屋の周りには電化製品や廃材が置かれていてアート作品のような雰囲気になっている。思わず足を止めて眺めていると、

「ようあんた、その家に用があんのかい?」

とちょっとつっけんどんに声をかけられた。見ると、自転車に乗った70歳前後のおじさんだった。ちょっと訝しんだ目でこちらを見ている。

多摩川河川敷の小屋

多摩川河川敷に建てられた小屋

「俺は、そこに引っ越してきた人にお世話になってるからよう。いたずらとかされたら、困るんだよ」

と言われた。素直に

「すいません、ちょっと見てただけです」

と謝る。
ただ「引っ越してきた」というのが気になったので、事情を聞いてみる。

多摩川のホームレス

多摩川で生活する男性

「そこ住んでた人いなくなって空き家になってたんだよ。で、知り合いが引っ越してきたの。
小屋はよく人がいなくなるよ。ただどっかにいなくなる場合もあるし、死んじゃうこともあるよ。そこに住んでた人はたしか死んだよ」

とこともなげに言った。
ただ住んでいた人が亡くなったという話を聞いて、僕の顔色が変わったのをおじさんは察したようだった。

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