「警察官だって3日食べてないって言えば500円くらいくれるよ」と語る、多摩川の河川敷で生活するホームレス。餓死、病死、飛び降り自殺……死はいつも近くにある。

そのほか

「まあこんな生活やってたら死ぬ奴は死ぬからよ。こないだも俺の小屋の近所に住んでいるヤツが死んだよ。なんかで足を怪我して、そこが化膿したらしいよ。腫れちゃって。ボランティアの人から病院に行けって言われてたんだけど、本人が嫌だって言って、そのまま死んじゃった」

とサラリと言った。

 

人がいなくなった後の小屋には、違う人が住む。昨今人が亡くなった物件は事故物件と言われて忌み嫌われているが、多摩川の河川敷ではそうでもないようだった。
上野公園などでは、人がいなくなった小屋はすぐに公園管理事務所に撤去されていた。
現に小屋には、国土交通省から占用の許可をえている東日本高速道路(株)と京阪管理事務所からの警告の張り紙が貼られている。


『告 この土地は東日本高速道路(株)が国土交通省より占用を受けている河川敷です。面積の大小にかかわらず使用されることは明らかに違法行為です、速やかに撤去されるようお願いします。』
と丁寧な言葉でおどしている。
強制撤去されないのか気になった。

「バカ、撤去するったって金がかかるだろうよ。2トン車呼んだら7~8万はかかるよ。人も2~3人はいるだろ? 業者に頼んだら、それこそ何十万もかかっちゃう。役人だって、そんな大事にしたくないだろ。
ちなみにその小屋の周りにあるゴミの半分は、一般の人が持ってきた物だぜ。近所の連中や、花火に来た連中が置いていくんだ」

まあ、たしかに河川敷の橋の下に小屋がひとつあったからって、誰も困らない。
わざわざ撤去するために大変な思いをしても、結果的に得るものもさしてない。

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