「警察官だって3日食べてないって言えば500円くらいくれるよ」と語る、多摩川の河川敷で生活するホームレス。餓死、病死、飛び降り自殺……死はいつも近くにある。

そのほか

河川敷や公園で取材をしていると、
「警察に冷たくされた」
「暴言を吐かれた」
なんて声をよく聞く。でも優しい警察官もいるらしい。
「刑事は俺みたいにバカじゃねえから、話しかけてもベラベラとは喋らねえけどな。
『3日間何も食べてないよ』
とか泣きつくと、500円くらいくれるよ。まあ嘘で言ってたらもらえないかもだけど。なりを見りゃ本当に食ってないかどうかはわかるからな。

 

役所の人だって本気で『もう3日間も食ってないんですよ』って言えば、500円くらいくれるよ。まあ絶対にもらえるわけじゃねえし、名前も書かされるけどな」
とおじさんは少し得意そうな顔で言った。
なかなか生々しいサバイバル術である。

 

でも確かに、餓死するくらいなら、誰かに頼ったほうがずっと良い。
おじさんは片手を上げると、キーキー音のする自転車に乗って行ってしまった。
なんとなくおじさんが言った
「俺は食うために生きてんだよ」
という言葉を反芻しながら駅に向かった。

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