宇宙人を神と信仰する新興宗教団体に潜入取材。永遠に生きられるという“希望”が持つ危うさとは?

そのほか

一般的に『希望』は、良い事とされている場合が多い。
ギリシャ神話のパンドラの箱からは疫病、犯罪、などあらゆる災厄が飛び出したが、最後に希望が残ったので人類は生きていくことができるとされる。(ただし諸説ある)
ただしどうにも、気持ちが悪い希望というのもある。捏造された希望だ。

20年ほど前、筆者はとある新興宗教団体を潜入取材した。その宗教団体は、宇宙人を神として信仰していた。こう書くと、

「そんなデタラメなものを信じているなんて、カルト教団じゃないか!!」

と思うかもしれない。ただ勘違いしてはいけない。「奇抜な信仰」があるからといってカルト教団だというわけではないのだ。日本人の多くが信じている大乗仏教の浄土信仰だって
『釈迦の上位互換である阿弥陀如来を信じ「南無阿弥陀仏」と唱えると阿弥陀様が自動的に極楽浄土に往生させてくれる』
というなんだかよく分からない教義の宗教だ。釈迦が唯一の仏陀とする上座部仏教(小乗仏教)からしてみたらカルトっぽく見えるだろう。
だが現代の日本で
「浄土信仰はカルト宗教だ!!」
と言う人はほとんどいない。
これは無論「浄土信仰が正しいから」というわけではない。浄土信仰を信じている人たちが、基本的に組織的犯罪行為をしないからだ。つまり組織的に「犯罪行為」や「破壊的行為」をする教団がカルト教団なのであって、何を信じていようがそこは問題ではないのだ。だから宇宙人を信じようが、鰯の頭を信じようが、それは「信仰の自由」だ。

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