ホームレスを連れ去り不要の手術をして稼ぐ『貧困ビジネス病院』の実態

そのほか

数年前に東京都庁ビルの隣にある新宿中央公園でホームレスに話を聞いていた。新宿中央公園はかつては、ズラリとテント村が並んでいる場所だったが、管理が厳しくなって、現在はテントは立っていない。ただ、炊き出しは継続されていたため、ベンチなどにはチラホラとホームレスが座っていた。

60歳前後の男性に話しかけてみる。身なりは比較的キレイだ。憂鬱そうな顔で、

「チンチンに管が刺さってて、四六時中気になってすごくつらいよ」

と言われた。
意味を理解できなくて、思わず

「どういうことですか?」

と聞きかえす。
男性はヤレヤレといった表情で片手に持っているバックを開けて、中からしっかりとしたビニール製の袋を取り出した。
それは、医療用の尿パックだった。

「これの管の先が、尿道に突き刺さってるんだよ」

と言うと、服をめくった。彼のお腹には、かなり大きい手術の跡があった。まだ治りきっていなくて、なまなましい。
どうしてそんな事態になったのかを尋ねる。

「いつも通り公園で寝ていたら、背広を着たヤツラがやってきて
『体調悪くないですか?』
って聞くんだ。
『最近はちょっとオシッコの出が悪いな』
って言ったら、じゃあ病院で診ましょうって、そのままバンに乗せられて、熱海まで連れて行かれたんだよ」

新宿から熱海までは、高速道路で約2時間の距離だ。ホームレスを医者に診せるために移動する距離じゃない。
男性は病院に着くとすぐに身体検査を受けさせられ、前立腺肥大症の診断が出た。

「それでサインしてくださいって書類を渡されたんだ。病院で最初に書くようなやつだよ。それで名前を書いたら、そのまますぐに手術をすることになった」

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