新型コロナウィルスはなかなか収まらず、なかなか街に繰り出したり、旅行に出かけたりしづらい環境になっている。
ゴールデンウィークもどこへも出かけられず、かえってストレスがたまったという人が多いのではないだろうか?
そんな人にオススメしたいのが今回の一冊だ。箱庭系のイラストを描かれているgozzさんの画集である。画集と言っても、きちんとストーリーがある。
不思議な島にたどりついた記憶を失った主人公が、その島から脱出するまでの物語が綴られている。
世界を場面ごとに四角い立方体で切り抜いたような、非常に面白い描かれ方がされている。絵心のある人なら、思わず真似をして描きたくなってしまうかもしれない。
細かいところまでとても丁寧に描かれていて、拡大して眺めたりしているうちに思わず時間が経つのを忘れてしまった。
主人公の様子が俯瞰的にわかるが、同時に地下などに何かが隠れているのかも知ることができる。主人公は気づかないが、この島にはとても大きな秘密があることが徐々に分かってくる。
無人島漂流モノとして外せない「水や食べ物の獲得」「家屋を建てる」「イカダの製作」などの要素はもちろんある。
それと同時に、神秘的な巨大な生物との出会いや、戦いも繰り広げられる。
そしてアナザーストーリーでは、主人公の目線以外でこの島の秘密が語られ、意外な真実が明かされる。非常に深みのある凝った作りの作品だった。
読み終わった時には、本当に冒険し終わった後のような心地よいグッタリした気持ちになった。
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