薬物依存症関連団体及び支援者ら、大麻使用罪創設に反対声明| 『ダメ。ゼッタイ。』が支援を遠ざける

インタビューそのほか

「福祉や医療の支援が充実しても恐れや不安がある以上、薬物を使用している本人が、能動的に援助を求めることは難しい。当事者が回復したいと思った時に、回復に専念できる居場所が必要です。けれど、犯罪者というレッテルが邪魔をする。厳罰化は予防として効果的であるとは到底言えません。法による厳しい取り締まりではなく、ソーシャルワークで薬物問題を取り扱っていくべきだと考えます。それが大麻使用罪に反対する理由です」

大麻使用罪創設反対記者会見当事者の立場から声をあげた風間暁さん。

 

彼女の襟についている青いピンバッジに注目してほしい。これは、依存症啓発への支援・賛同を表す「アウェアネスシンボルマーク」だ。

 

今日日、薬物だけでなく、ギャンブルやゲームを始め、様々なアディクションに悩まされている人は少なくない。私自身もアルコール依存、処方薬依存から回復したひとりだ。

 

大麻を厳罰化することで、仮に大麻の使用をやめたとしても依存症自体が回復するわけではない。依存対象が変わるだけだ。アルコール・処方薬依存で命を落とした友人もいる。

 

大麻厳罰化に本当に意味があるのか?厳罰化の前に社会を変えていくべきではないのか?ならば、どのように社会を変えていけばいいのか?自分にできることは何かあるか?

 

今回の会見は、依存症当事者としても今一度、依存症について考える機会となった。

 

大麻使用罪創設、賛成にしろ反対にしろ、みなさんにも考えてみてほしい。

 

風間さんは会見で「薬物に逃げるしか生きる方法がなかった。薬物がなくても生きていける環境にしてほしかった。助けてほしかった」と当時を振り返り、「福祉に繋がり、同じように回復を目指す仲間たちに救われた。20年間ずっとひとりで我慢してきて、はじめて辛かったと感じることができた。

 

もしもあの時、厳しい罰を受けていたら、生きることを諦めていたかもしれない。福祉や医療従事者、仲間たちのおかげで今日も薬物を使わずに生きることができています。捕まるのが嫌でやめているのではなく、自分のことを大切にしてくれるみんなと、これからも健康に生きていきたいから使用しないという選択をしている」と語られていた。

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