数年前から、紙の書籍を買う割合よりも、電子書籍を買う割合が上回っていたのだが、ここのところさらに電子書籍の率が上がった。
理由はおおまかに3つある。
1つは、引っ越してきた東村山に本屋がほとんどないからだ。近所にレンタルビデオと本屋と文房具やが入った大きなツタヤがあったのだが、引っ越してきて1~2ヶ月で閉店してしまった。嫌がらせかと思った。今はくら寿司になっていて、それはそれで嬉しかったがやっぱり本屋は近所に欲しかった。
駅前近くのブックオフも潰れていた。本屋に行くのに、電車に乗るというのはなかなか大変だ。
そして2つめの理由がコロナ禍だ。圧倒的に街に出掛ける回数が減ってしまった。
最後に3つめの理由は、電子書籍で扱われている漫画がとても増えたからだ。新しい作品はもちろん、過去作の多くが電子書籍化されている。昔は画質の悪い電子書籍も多かったが、最近では改善されている。
僕は基本的に家で仕事をしている。
仕事の合間に、Amazonでたらたらと漫画を探していいのを見つけたらポチポチと押して、寝る前に読むという漫画ライフを続けている。
気づいたら一ヶ月で10万円くらい本を買っていて(画集など、リアル書籍も含む)、これはちょっと引き締めなければと思った次第だ。
という訳で、今回はKindleで読める漫画を10本紹介したいと思う。
「コロナ禍にぜひ!!」
とか
「読めば勉強になる!!」
とかではなく、ランダムにいろいろな漫画をチョイスしてみた。
「これちょっと読んでみたいかも?」
と思ったら、サクッとポチッと押してみて欲しい。
PANPANYAさんは、現実と妄想と虚構が混じったような、とても幻想的な味わいがある漫画を描く。
筆者が登場する日記コラム漫画のような雰囲気で物語は進んでいくがだんだん世界が変容していく。
表題作の『魚社会』では漁港で足の生えたおかしな魚が獲れるところからはじまる。そしてその魚たちは歩きはじめ、働きはじめ……と展開していくのだが、ズルズルと非現実に引きずり込まれていくのがとても気持ちが良い。
普通の日常コラムも収録されていて、それもとても読んでいて楽しい。
『おむすびの転がる町』『グヤバノ・ホリデー』『枕魚』と一冊一冊タイトルを変えて発売されている。多少、前巻の内容を引き継いでいる作品もあるので、時系列順に読んだほうがよりよい。
『木曜日のフルット』(石黒正数)
働かずギャンブルばかりしている鯨井早菜と、その半飼い猫、半野良猫のフルットが織りなす、日常系のギャグ漫画だ。
「ガッツリ漫画を読むぞ!!」
という時は『ベルセルク』あたりをガシガシ読みたいけれど、
「眠れるまでタラタラと漫画を読んでいたい」
という時には『木曜日のフルット』が最適だと思う。
石黒さんの漫画は、日常的でありながら、ピリッとしたり、ゾクッとしたりする話もちょくちょくあって楽しい。
『それでも町は廻っている』も日常と非日常が優しく重なるとてもおもしろい漫画だった。
現在連載中の『天国大魔境』はほろびかけている日本で、サバイバル生活をしながら“天国”を探す話。日常とはかけ離れているが、これがまた面白いので、読んで欲しい。