老人介護の統計を見ると、虐待をするのは4割が息子・夫が2割と圧倒的に男性が多いhttps://www.minnanokaigo.com/news/kaigogaku/no263/
男性は配偶者や母が認知症になると虐待しがちだ。男性は仕事の世界と同じく論理的・合理的な解決法を考えようとするが、介護には正しい答えはなく、理不尽だ。それなので、虐待に走るのではないかと、多くの介護関係者は語る。
今回、ご紹介する康子さんは、虐待をされながらも、夫と離れたがらない。夫もまた、葛藤の中、妻と最後まで一緒に暮らすことを願っている。
康子さん(女性 81歳)は認知症の症状が出る前から、口が達者で何かと一言多い女性だ。
認知症の症状が出たのは、5年ほど前だ。
健康な時は、得意だった料理ができなくなったことでうつになる。味噌汁を作るなどの複雑な作業ができなくなった。落ち込み、寝込むようになったのを心配した夫が、病院に受診させ、認知症が発覚した。
自宅にいると夫に嫌味を言うなど、攻撃的になり、小言を言う。夫が苦手な家事をするようになると、いちいち、一言多く、夫はイライラを募らせていった。
そのうちに、夫も肺がんを発症し、要支援1となる。2年目から幻覚と作話の症状が出てきて、夫が肺がんで長期入院後はホームヘルパーを入れていた。
夫婦ともに「2人でいたい」との意向が強く、2人でリハビリ特化型のデイサービスに半日通っている。
夫は退院後、体力が落ちたこともあり、介護に耐えられなくなっていく。康子さんへの暴言・暴力が出てきた。
デイサービスの職員が送迎に行くと、あざができており、虐待の形跡があった。夫が康子さんの腰を叩いているのを見たケアマネージャーの判断で、康子さんは役所の施設に緊急で入所することになる。
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