あいである広場では
今後、触法少年・触法障害者も扱っていく予定でいます。
ひきこもりが危険!
発達障害者が危険!
精神障害者が危険!
ではありません。
親が子の障害を受容できず、適切な支援や
養育が受けられないことが触法につながってしまうだけなのです。
センシティブな問題ですが
10年以上に渡り、相談支援専門員として障害福祉に向き合ってきた
NPO法人代表のNさんの現場からの声です。
■障害の受容の難しさ
田口 発達障害に関して、診断を受けることも含め、そもそも受容できない・認められないという問題が起きるのはなぜでしょう?
N 大人と子供の社会が全く変わってきているので、今、発達障害という名前は法律の中にも入るようになったので認知され、理解もされてきています。それなので、今の子供たちは救われているように思います。ただ、20代以降の方にとって、発達障害という言葉は馴染みもなくそれが家族間・夫婦間であっても理解されないという苦しさはあると思います。
■受診・支援に結び付かない発達障害者
N 私が目黒区で仕事をしていてすごく感じるのは、自閉症スペクトラム障害のお子さんをお持ちの親御さんは、発達障害は遺伝すると言われているので、親御さんも発達障害を持っている方がとても多いです。そういう方たちを見ていて感じるのは、「発達障害」と診断されている人は、本当に氷山の一角です。地域にはもっと発達障害の方はいるんですよ。きちんと生活して社会に出ていらっしゃる方もいれば、そういうじゃない人も多くいます。
■支援に結び付かないが故の触法問題
N この間、事件があった飲食店のケースなどが、まさにそうなんですよ。
田口 あの事件にはそんな背景があったのですね。
N あの事件は10年以上、ひきこもっていた孫がお祖父ちゃん、お祖母ちゃんに包丁を振りかざしてしまったという事件です。近隣の住民から、色々な情報が入ってきますが、10年以上、お孫さんがひきこもっていたそうです。私が地域の人から聞き取った限りで判断すると、このケースは恐らくお孫さんは発達障害なんですよ。警察沙汰にはなったけれど、身内間の事件なので、被害届を取り下げているんですよ。そして、元の家(事件が起こった場所)に戻ってきているんですよ。
田口 そうなのですね。
N ただ、あの場所に住むことは、ご両親も気にされたので、今は違うアパート等を借りて、現在は祖父母と住んでいません。でも、依然として、地域にはいます。