パワハラで鬱病を発症|元公安調査官でフリージャーナリストの西 道弘氏の数奇な半生!

インタビュー

 

西 道弘さんは、公安調査庁、通称公安庁で国際テロ関連の情報収集や宗教団体、市民団体の監視・調査を行うセクションに身を置いていた元調査官だ。イスラム教に改宗したことなどもあって、上司よりパワハラを受け鬱病を発症。2017年に35年間勤めた公安庁を辞職へと追い込まれる。退職後は、フリーのジャーナリストとして活動する傍ら、昨年9月までオウム真理教の後継団体のひとつ“ひかりの輪”の外部監査員も務めていた。公安庁在職中には、なんとCIA研修(スパイ研修)に参加した経験もあるんだとか。なんだか凄い経歴の持ち主である。そんな多彩な経験を持つ西さんにお話を伺った。

西 道弘

公にはできない話も飛び出す可能性を考慮し、インタビューは都内某所の会議室を貸切り、秘密裏に行うこととなった。

会議室

 

 

世界史は偏差値80 数学は赤点 

「おそらく発達障害なのかもしれません」

 

「私は京都府の舞鶴市出身なのですが、高校卒業後は地元の大学に進学するつもりでした。世界史が好きで、将来は考古学者になれればいいなと、ぼんやりとですが考えていました」その為、自宅から通える文系の大学を志望していが、進路指導の教師に法学部を目指すよう勧められる。

 

「小さな頃から勉強は得意でした。でも何故だか教科によって成績の偏りが激しく、理数系は壊滅的に苦手でした。数学は赤点をとったこともあります」英語・国語・社会は全般的に得意で、世界史は偏差値80を超えていたというのだから驚きだ。しかし、国公立大学は理数系も満遍なく熟さなければ、合格するのは難しい。そうしたことから『中大法学部の方がよいのでは』と、勧められるまま法学部を目指す。

 

世界史は模擬テストで、京都府全体の何本かの指に入る程の高成績を残したという。しかし、物理系はとにかく苦手で化学式の記号は見るだけで頭痛がする程。「体育も苦手で、おそらく発達障害なんでしょうね」と自己分析をする西さん。文学部はキッパリ諦め、中央大学法学部法学科を受験し見事合格を勝ち取る。

 

難易度と各式の高さの突出ぶりはトップクラスと謳われる、中央大学法学部に合格する程の学力を持ちながら、理数系は鳥肌が立つ程に苦手というアンバランス。確かに発達障害の特性なのかもしれない。

 

「中央大学に進学したのは流されたというか無計画。就職も同じです。最初は検事を目指していましたが、司法試験に3回落ちたので諦めました。刑法は好きで得意だったのですが、民事系の科目がどういったわけか壊滅的に苦手で。論文まで辿り着けませんでした」司法試験は民事系科目の配点が非常に高い為、ここでも苦手に足をとられる。やはり発達障害の可能性は否めない。

 

大学の教授には大学院に進むよう勧められましたし、司法試験浪人をして検事や弁護士になるという道もあったでしょう。でも私は明確な目標や信念を持って、それに向かって努力するタイプではない。要するにヘタレなんです。検事がダメなら『公安庁もいいな』と深く考えることなく、進路を変更しました。人生のターニングポイントとなる大きな選択でも、こっちがダメならあっち、と安易に決めてしまう。安直でいい加減な奴なんです」安直にいい加減な気持ちで、中央大学法学部法学科に進学とは畏れ入ったものである。

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