ひかりの輪外部監査員として真実を見極める
「オウム真理教の後継団体のひとつ、ひかりの輪の外部監査員に就任したのは、2017年10月のことです」先にも話た通り、西さんは退職後、“ひかりの輪”の外部監査員とジャーナリストの二足の草鞋を履く。ひかりの輪とは、オウム真理教で広報責任者を務めていた上祐史浩氏を代表とする団体で、公安庁の調査対象にもなっている。
「オウム真理教の後継団体に何の危険もないなどとは思ってはいません。しかし、少なくともひかりの輪には、テロを起こす意思も実力もないでしょう。ひかりの輪は、既にオウムとは教義を別にしている。にも関わらず公安庁は、ひかりの輪がオウム真理教と共通の目的を持っていると主張し観察処分を継続しているのです。
私からすると、公安庁は危険な思想団体を調査することよりも自分たちの組織を延命する為に活動しているとしか思えません。ですから、本当にひかりの輪にそういった思想がないか、自分自身で見極める為、外部監査員を引き受けました」3年間外部監査員を務め、ひかりの輪に危険思想がないと自身で判断した西さんは昨年9月に辞任した。
雑誌やWEBに記事を寄稿するほか、様々な媒体のインタビューにも応じる。タブーなきラディカルスキャンダルマガジン「紙の爆弾」では、歯に衣着せぬ切り口の連載が好評だ
公安庁の真実を知る者として使命を全う
公安庁では、イスラム教は危険な宗教と考え監視対象に置いている。ムスリムに改宗した西さんが、激しいパワハラに遭ったのもそのためだ。西さんは今、公安庁にどういった思いを抱いているのか。
「決して嫌なことばかりではありませんでした。公安庁に入庁しなければ接点を持つこともなかったような方々の話を聞いて、色々な世界を垣間見ることができました。そんな中で巡り合った人達から人脈も広がりました。それこそ、公安庁にいなければ出来ない体験もさせてもらいました。私は元々クリスチャンだったのですが、ムスリムに改宗したのも調査の為に勉強するうちに惹かれたからです。特にイスラム法学者の田中考先生の知見に触れたのが大きかったですね
けれど、公安庁は変わらなければならない、変わらないのであれば、その歴史に幕を閉じるべきである。私はそれが国民の為であり日本の為だと考えています。今後も公安庁の実態を知る者として、それを伝え広めていく。それが私の使命です」
公安庁の真実を知る語り部として声を上げる西さん。あなたと大切な人の未来の為にも、この声に耳を傾けてみてほしい。