歌詞に手話を乗せて。目で観て・目で聴いて・心で感じる音の世界を届ける| サインパフォーマー“なみし”

障害者ルポインタビュー

手話、なみしなみしさんは、関東を中心に全国各地で活動しているサインパフォーマーだ。サインパフォーマーとは、手話を用いて音を奏でるアーティストのこと。「身体全体で奏でるサイン」をテーマに音楽の歌詞に手話をつけて、目で観て、目で聴いて心で感じる音の世界を届ける。

 

手話歌を披露するなみしさんと、手話芸人ちからいっぱい牛込さん。なみしさんは、手話歌が学べる手話パフォーマンスの個別レッスンも行っている。

 

なみしさんには、以前「APD(聴覚情報処理障害)」の当事者としてもお話を伺っている。APDについては、下記の記事をご参照いただきたい。

 

『聞こえているのに聞き取れない?APD(聴覚情報処理障害)とは?|APDの情報を発信するYouTuber笑歩さんに聞いてみた』

 

APDは発達障害との併存率が53%と高く、なみしさんは、ADHDの当事者でもある。今回は、サインパフォーマーとしての活動やお仕事のこと、ADHDについてなど様々なお話を伺った。

なみし,サインパフォーマー

 

障害がある人としゃべりたい。独学で手話を覚える

なみしさんが、サインパフォーマーとして初めて舞台に立ったのは今から6年前。2015年3月のこと。最初に手話を覚えたきっかけを伺ってみる。

 

「小学校低学年の時、障害がある人の存在を知りました。小学校には支援学級ってありますよね。そこには当然ですが、自分と同じ年頃の子どもたちが通っています。それで、どうしてこの子たちは、自分たちとは違う学級なのか興味を持って、支援学級に通う子たちには障害があるのだということを知りました」

 

なみしさんは、障害のある人の存在を知り、障害とは何なのか、どんなものなのかという疑問を膨らませていく。そして、自分の出来うる限りの範囲で、障害について調べるようになった。

 

「障害について調べてみようと思ったのは、クラスの子だけでなく、支援学級の子たちとも仲良くなりたかったからです。友達になりたかったんです。

色々調べていくうちに、耳が聞こえないという障害があることを知りました。耳が聞こえない人たちは、言葉ではなく、手話を使っておしゃべりをするのだということも知って。学校の手話クラブに入部しました」

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