私が同人誌の存在を知った80年代では、キャプテン翼などの「BL=ボーイズラブ」で二次創作の作品が流行っていた。
BL作品はいつからあるのか?
謎に思っていたら、先輩同人作家が
「ガッチャマンが放送されていた70年代から、ガッチャマンのBLがあったのよ!」
と教えてくれた。
私も10代のときは、ほのかにBLの香りがする、吉田秋生先生の「BANANA FISH」や山岸涼子先生の「日出処の天子」などを読んでいた。90年代になると、BL漫画だけを掲載する専門雑誌が創刊された。
現在は、漫画だけに留まらず、アプリゲームやアニメ・舞台・ドラマと、BLブームは人気を加速させている。
BLに惹かれる魅力とはどこなのだろうか?BL作家さんが描く、繊細な線や耽美な絵面が人気だったり、流行りの絵面で人気があるのだろうと思い込んでいたが、それだけではなかったのです。
BL系乙女ゲームに惹かれる理由について、20代と40代の女性に聞いてみた。それには自分が持つ性の曖昧さが関係しているという。
「少女マンガは主人公が苦手」という平川さん(仮名 24歳・女性・会社員)はアスペルガー症候群がある。趣味でイラストを書き、マンガを読むことも好きだ。主にBL(ボーイズラブ)ものである。
少女マンガはあまり読んでこなかった、少女まんがの主人公と自分を重ねることができないことや、どこか別の国の物語のようでリアルに感じないことから感情移入ができなかった。
恋愛の相手が男性に限定される、少女マンガのストーリーにも、自分を重ねられないのも理由だった。10代後半からはBLの二次創作や、BLの乙女ゲームを好むようになったという。
「男の人を恋愛対象として意識ができない、だからといって、女性が好きというわけではない。リアルに恋愛がしたいとは思えないのだけれど、男性×男性の物語を楽しむことはできます。BLの主人公のほうが自分を重ねやすいんです」
それはトランスジェンダーかというと、そういうくくりにして欲しくないという。