精神医療、ここまでぶっちゃけていいの?②~発達障害の若者と性の話~

インタビュー日本語

【2回目 発達障害の若者と性の話】

 

田口 障害者の性ってどこでもタブーにされがちですが、私も思春期に息子にどう対応していいか分からないと思うので、性に関してはぜひ伺いたいですね。

 

樋端 だいぶ前になりますが、「発達障害と性」というテーマで講演したことありますね。これは、本当にそれだけで大きなテーマです。発達障害に関しては、まずもって境界が自然にみえないASD の女性は権利侵害されやすく、男性は権利侵害しやすい。自己肯定感の低さや、ADHDの衝動性が加わるともう・・。世の中でタブーにされているけど、失敗すると自分も相手もおおごとになる。彼らにとって性の問題は鬼門です。

 

田口 そうですよね。友人の保健師が「青少年の性について」のイベントを企画しているのですが、障害者の性となると、やはり違うんですかね?

 

樋端 ASDの人が、日常的なコミュニケーションを通じて複数の友人伝いで入ってくる情報ではなく、ファンタジーの多いネット情報だけから情報を得ていると実に危険ですね。昔は子どもにはやすやすとは手に入らなかったアダルト動画なども気軽にみれちゃいますからね。信頼できる大人がオープンかつフレンドリーに伝えることが必要です。

 

田口 そうですね。オープンかつフレンドリーですね。タブーにしない方がいいですね。

 

樋端 診察室でも思春期以降はもうざっくばらんに聞きます。実際聞いてみるとセクシャリティも色々だし。

 

田口 そうなんですね!そこまでする先生ってなかなかいないですね!

 

樋端 けっこう痛い目にあっているので。

 

田口 副業で占い師(よろず相談)をしていても、相談されてしまうことがあります。もう占いの範疇ではないんですけどね。知的障害の娘さんの性衝動を止められないとか、すぐに妊娠してきてしまうといったことを。それで、福祉関係の人に聞くんですが、対応策が分からないと言われてしまって。

 

樋端 権利擁護が必要ですが…。さらに自己肯定感が低いと、手っ取り早く「愛情のようなもの」を得られるところに飛びつくこともあります。親以外に本人が信頼して相談できる人が必要ですね。

 

田口 そうですね。セックスアディクションにもなりやすいですもんね。

 

樋端 オープンに養護学校で教えたことが大問題となった七生養護学校事件のようなこともありましたが、キチンと教えないのは人権侵害だとおもいます。

 

田口 本当ですね。タブーにしちゃいけないですよね。

 

樋端 女性は特に被害に遭う側なので。

 

田口 発達障害の男性の方に、びっくりしたことがあるんですよね。「いやよ、いやよも好きのうち」って言葉を真に受けて、レイプされそうになって。その方は60代でしたが、素人女性との経験はなく、独身だったんです。それで被害届を出すか迷って、話し合ったのですが、本人は本当に「いやよいやよも好きのうち」という言葉を信じていた。「誰かに受け入れて欲しかった」と言ってました。だから、「『いやよいやよも好きのうち』は合意があり、ステップを踏んだ上でのことだ」って話をしました。けど、いまいち、ピンとこなかったようでした。ステップを踏むということを理解してもらえなかったです
一般の男性は、まず「彼氏いるか」というのを探って、いないと確認したら、手をつないでも嫌がらないか、とかステップを踏みますよね。コミュニケーションに障害があると、そういう経験がないし、AVの世界そのもののイメージで60代まで行ってしまうんだと驚きました。

 

樋端 伝えるために教材はありますが、親密さの12段階とかはよく使って伝えますね。

手つなぎは?キスは?その先は……?12段階で分かる恋愛のススメ方


ステップごとに丁寧に合意をえずに飛び越えちゃうとすぐに犯罪になってしまうこともあるよと。

 

田口 今度、これを使って説明してみよう。ありがとうございます。