私は自閉症の子を育てている親として、保護者向けに話をする機会がある。そこで、様々な質問を受ける。その中で「どうしても我が子の障害を受容できない」という人がいる。何故なのか考えてみた。
・知的遅れが軽かったり、なかったりして障害が軽すぎる。だから「うちの子に障害があるはずがない」と思ってしまう。
・親自身の人生の中で障害者と接する機会が全くなかった。我が子が初めての障害者。そのため、親自身が「障害があることは恥ずかしいことだ。不幸なことだ」と思っている。
・自身の親から「人並であること・普通であること」を押し付けられて育ってきた。だから我が子にも「普通であること」を強く望んでしまう。
講演会に足を運んでいる人はまだ救われる。どうしてかというと「今のままではダメだ。何とか解決の糸口を見つけないと」と思っているからだ。反対に「発達障害…」の話に耳をふさぐ人は「聞きたくない」と欠席する。現実に目をそらしていると苦しむのは、まぎれもなく我が子なのに…。