本日は「統合失調症日記」(ぶんか社コミックス) Kindle版
作者の木村きこりさんは、高校3年生のときに発病した。統合失調症は民族や文化や時代に関係なく、100人に1人弱が発症する精神疾患だが、精神病患者は長く隔離されてきたという歴史もあり、なじみが薄くあまり知られていない。
(c)木村きこり/ぶんか社
統合失調症のメカニズムはまだ解明されていないが、その素因を持った人がストレスをきっかけで発症するのではないかといわれている。きこりさんは受験がプレッシャーとなったのか、症状が出始める。最初は文字がにじみ、視力検査を受けたが異常はない。そのうち、文字が絵に見えるようになった。
頭の中に映像が浮かび神の指令だと信じて踊りだすなど、周りから見ると奇妙な言動が目立つようになる。そんな中で、勉強は手につかず、成績は落ちていった。その結果、浪人生活を余儀なくされる。
絵が好きだったきこりさんは芸大を目指し、予備校生活を送る。だけど、病気の影響でどんどん言動はちぐはぐになっていく。
(c)木村きこり/ぶんか社
自宅に引きこもるようになっていった彼女には、病識(自分を病気だと認めること)がなかった。統合失調症の症状は主に幻覚、幻聴や妄想などだか、病識を持てないというのも一つの特徴だ。なので、幻覚や妄想が、病気による症状であることに自分で気づくことができない。
きこりさんが母親を首を絞めて殺してしまいそうになったことで、母親はやっと精神科への受診を勧める。そこで統合失調症と診断を受ける。