子ども用通帳に貯金しても、子どものために使えなくなる?! ~成年後見人制度の盲点~

お役立ちコラム

息子は知的障害を伴う自閉症。親亡き後のことを考えて、成年後見人についての知識を得ようと勉強している。

 

ストレートパーマは贅沢?

こんな話を聞いた。

 

天然のチリチリパーマの障害のある娘がいた。本人のとってはコンプレックスだったので、母親は娘が幼い頃から月一回、美容院に連れて行き、ストレートパーマをかけてやっていた。娘にとってはこれが毎月の楽しみであった。更に母親は娘の名義の通帳を作り、貯金していた。

 

 

月日は流れた。娘は成人したが字を書けず、話す言葉も聞き取りにくい曖昧な言語であった。そこで、母親は自分が死んだ後のことを考え、成年後見人を付けた。

 

 

ところが思わぬ事態に陥った。後見人がついてからは、親でも子どものお金に触れることが出来なくなったのだ。後見人から「ストレートパーマは贅沢だ」と言われ、貯金を下ろすことができなくなった。

 

 

後見人は一度付けると外すことは出来ない。また「この後見人とは価値観が合わないから別の人に変えてほしい」と家庭裁判所に申し立てたとしても、後見人を変えることはできない。

 

 

「何のために本人名義にして、コツコツ溜めていたのか、娘のお金なのに自由に使えないのならば、娘のために使うお金として自分(=母親)の口座に全て入れておいた方がよかった」と悔やんでも後の祭りであった。

 

 

成年後見人制度がよくないということではない。この制度は親であっても、子どものお金を着服できないようにする、あくまでも当事者(=障害のある子)の財産を守るためにある制度である。ただ、あまり早々付けないで親が元気なうちは後見人を付けない方が賢明だと思う。

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