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  • 奥平綾子(㈱おめめどう 代表)①~今、発達障害の分野や支援が大混乱な理由~

    奥平綾子(㈱おめめどう 代表)①~今、発達障害の分野や支援が大混乱な理由~

    重度から軽度まで、子供から大人まで対応する

    自閉症・発達障害支援グッズ販売

    ㈱おめめどう

    奥平綾子代表取締役(通称 ハルヤンネ)

     

     

    田口 私は奥平さんというと、変なことを言ったら、怒られちゃうんじゃないか。自分の育児をばっさり否定されちゃうんじゃないかとずっと怖くて近寄れませんでした(笑)取材前日の昨日も、頭の中が「ハルさん、ハルさん、ハルさん」となってしまって、緊張してよく眠れなかったほどです。周りのお母さんでも「怒られそうで怖い」と言っている人がいるので、そんなイメージが払しょくできるといいなと思っています。

     

    奥平 あらま。これでも、昔よりは優しくなったと言われるんですよ〜。

    「テキスト(文章)」は表情が見えないから、怖そうに感じますからね。それから、親支援(ピアカン)はしないと決めています。「本人支援」をしたいのです。でも本人支援をするには、親や支援者の気持ちはどうであれ、動いてもらわなければいけないでしょ。だから、厳しくとられる。きっと「聞きたくない(本当の)ことを聞かされる」「避けているものを見せられる」みたいな感じなんだと思います。「身に覚えのあることは耳が痛い」んですよ。でも、そうして、自分もお師匠さん(大西俊介@syunさん)に鍛えてもらってきました(笑)。

     

    田口 それはありますね(笑)

    私は1年半くらい前だったか、樋端先生と知り合いになった際、とにかく「おめめどうはすごい!」「ハルさんはすごい!」「視覚的支援は大切!」って言われ続けて「じゃあ買ってみるね」となって、「まずは巻カレがおススメ!」と言われたので「巻カレ」を購入しました。その時、息子は4歳くらいでした。その時に、私の父が自分の予定を書き込んだんですね。息子が「これは僕のカレンダーだ!じいじのじゃない!」と猛烈に怒ってそれで「子供でも、自分のスケジュール帳を誰かと共有するなんて嫌だよな」と当たり前のことに気づきました。

     

    奥平 巻カレ」が自閉症や知的障害の人に分かりやすい(七曜日式は分かりにくい)と発見したことが、「おめめどう」のきっかけでもあります。最初の商品であり、一番の売れ筋商品です(横長カレンダーのシェア100%・笑)。本人に分かる道具を使えばいいんだと分かりました。そうなんだ、手段を変えれば、目的にたどり着ける(手段と目的を履き違えないと考えます)。それから、知的障害があっても、個人個人にカレンダーや手帳をと言い出したのは、「おめめどう」です。「巻カレ」が出てからの話ですね。それまでの研修会では聞いたことがなかったですね。

     

    田口 なぜ七曜日式は分かりにくいんでしょう?

     

    奥平 まず、7から、8に降りるというのが分からない。日にちが連続しているように感じない。それから、二軸で読まないといけないから。第二水曜とか第四土曜とか。これが難しいんです。日が途切れてしまうので、週またぎ、月またぎが把握できなくて段取りや心構えができない。そのために、予定の前日になって、できてないことでパニックになったり、こなすために目一杯エネルギーを出すので、あとで疲弊することも起こります。

     

    田口 だから、一般のカレンダーはすっと入ってこないんですね。息子が必死に「あのカレンダー!!」といったので、びっくりしたんです。

     

    奥平 知的障害がない場合は、学齢期だと「巻カレ」を見ると、カレンダーの意味はすぐに分かるようになります。すると、「段取り」をするようになるんですね。旅行は二日後だから、今のうちに準備しておこう。今週は歯医者があるからと「心構え」をしよう…そんな感じです。人って、明日が分かって、今日を生きるようになるんです。それが、来週が分かって、今週を生きる。来月が分かって、今月を生きる。そんな風に伸びていきます。成人なら、2ヶ月提示はいると思います。スケジュールも同じです。幼稚園の後半、小学校低学年あたりから、夕方にしたらいいから、朝はこれくらいでゲームをやめようとなっていきます。

    先が見えて、今することを考える。だから、スケジュールのない子どもさんは、いつまで経っても、この段取りが身につかないことになります。

     

    田口 小学校に上がるまでは息子の予定というと、保育園だけだったのであまり使っておらず、しまい込んでいました。でも、小学校に上がると、学校・学童・放デイと行く場所が増えたので本人が「あのカレンダー使いたい」と言い出し、また使いだしたところです。

     

    奥平 よかったよかった。よく療育に連れ回しているのに、カレンダーもしてない親御さんがいて、本人辛いだろうなあと思って見ているのです。まだ、幼児期には、親の方の障害受容が難しいでしょうから療育でなんとか良くしたいと思うかもしれませんが、それならそれで「いつ何がある」を知らせることがいりますよ。暮らしの中で、「巻物カレンダー」や「スケジュール」も始めて欲しいですね。

     

    田口 大人だって予定も分からず連れまわされたらつらいですもんね。

     

    奥平 そうして、知らされず連れ回されたり、急に変更したりすること、関係性ができないから(むしろ壊れていく)から、後々大変です。口頭だけで幼児期育てられると、分からない状態にも限界がきて学童期には挑戦的で反抗的な状態になったり(それで、また障害名がつく)大人が言わないと動けないし(指示待ちになる)本人が段取りしようにも表出できないため尊重されずむしろ壊されちゃうし、ろくなことになりません。これは、理屈として分かっているので、誰にでも最初に話しています。「巻カレ」や「コミュメモ」を始められて、もう何千人も楽になられているので。そういう方法?は、日本では「おめめどう」しかないと思っています。同一アイテムで、何千規模の結果があるものです。

     

    田口 はい。私は東京都在住ですが、「おめめどう」の話をしてもほとんどの支援者が知らないんですよ。必要なのに。支援者側が知らない。

     

    奥平 支援機器は西高東低なのです。なので、関東は遅れている(特に東京は、療育中心なので。迷惑をかけてはいけないという考えがやはりあるため)と感じます。関西はグッズを使う習慣とか、それを受け入れる土壌があります。東海(愛知)は、子供にお金をかける地域性と、多様性を認める文化があります。といっても、どちらも「他よりマシ程度」ですけどね。それから、どの都道府県、どの行政区でも療育というか「派閥」「専門家」の強いところほど、アイテムは普及しません。それが、「利権」と言われるものだと思っています。

     

    田口 取材を通じて、福祉の上では東京は別の国だし、ものすごく遅れているという話が何度も出ますが、奥平さんから見てもそうですか?

     

    奥平 「マジカルトイボックス」さんという、肢体不自由系の団体が「おめめどう」を東京に呼んでくださいました。支援機器・支援グッズ関連のイベントで。でも、知的障害、自閉症等では、まず、呼ばれないですね。先日も情報福祉機器展で展示販売してきたのですが聴覚・視覚障害のためのアイテムって年々進歩しているんですよね。そういうアイテムがないと生活ができない。障害者自体も(もちろん周囲も)、暮らしにくさの改善を求めていくんです。でも知的障害・発達障害ではどちらかというと「こちらに適応しなさい」的な療育や「自閉症を知ってください」という啓発がメインとなり、本人の暮らしにくさの改善という点での支援機器利用はあまりされません。そうして、自分たちが作ってきたもの(療育や啓発)に、よそ者は困るみたいなところがあるんじゃないかなと思います。

     

    田口 くだらない理由なんですね。

     

    奥平 と、思うけどなあ。でも、私が、もし古くから団体をしてきて主の立場になっても同じようにするかもです。長く活動していき認められると、それなりのお金が降りてくるでしょうし。でも、「自分たちは従来通りでいいから」と考えていると、これからの人に、新しい考えやグッズが届きませんよね。自分らは損する(間違いを認めることも必要だし)かもしれないけど、次の世代を支えるようにしないといけないと思っています。私は、最近の社会の動向から「これからの若い人が楽になる」ようにしていかないとと思っています。将来的に、このままいけば、どんどん使える予算・人出・資源が減っていくので。

     

    田口 ですよね。利用者側からしたら、派閥・利権とかどうでもいいですもん。いいものがあったら、利用したい。使いたいですよ。頭では視覚的支援の重要性はみな分かってるんですよね。たぶん。うちの場合は、息子から「僕は聞いてもよく分からないけど、書いてある方がよく分かる」と言われてじゃあ、今度は「コミュメモ」や「おはなしメモ」も一緒に購入しようと思いました。うちの場合は本人が視覚優位宣言をしたので、分かりやすかったです。やはりお子さんがより重度だったり知的障害を持っている親御さんからすると、必要性が分かりにくいのかなと思ったりしました。いかがでしょう?

     

    奥平 視覚的支援といっても文字や紙が分からなくても、実物や写真、パッケージ、ジェスチャーなどいろんなものがあります。そこから始めていくと、少しずつ紙に描いてあるものでも、理解はしていくのですがその「本人に分かる情報を集める(探す、作る)作業」が、一等最初にくるんです。一等最初に「最大の難関」がやってくるので、それを越えられる人が少ないんですよ。本人に反応があるまで時間がかかるから続かない。人間は平等ではないなあ。神様はそう作っている。そこを超えることができる人が、次のステップにいけます。それが、分かっているから、その最初の部分を支えたいんですね。

    本人に分かる情報さえ集めたら、フォーマット(「巻カレ」、「コミュメモ」)はもう、「おめめどう」にはあります。それに情報を乗せて繰り返す(継続する)だけで伝わっていくんです。

     

    田口 確かに昔はうちの息子も絵の方が理解しやすかったと思います。そこを過ぎてから、僕は文字の方が分かりやすいと言い出しましたね。

     

    奥平 絵や写真に文字を載せていきます。すると、文字だけでも、分かっていくものが増えていきます。もちろん、分からないものは略絵をつけたらいい。

    私は「まず、文字に書いてみて、それで分かりそうにないなら、略絵をつけたら?」と話しています。これまでの逆ですよね。文字が先、絵があと(今は絵に文字をつけるという具合でされていると思います)。すると、写真が絵になり、シンボルになり、略絵になっても、文字は抜けません。多くの人が、絵や写真カードを見せて、分かりかけたら「もう、分かるみたい」と一足飛びに音声言語(おしゃべり)にしてしまうために視覚的な情報がなくなってしまいあとあとコミュニケーションが取れなくなり、失敗します。これを「いきなり音声言語」と話しています。

     

    田口 ということは視覚的支援の重要性自体がまだ広まっていないんでしょうか?

     

    奥平 それほどいるとは思っていないんでしょう。いつも、講演会のあと「こんなに書かなきゃ(見せなきゃ)いけないの?」とびっくりされます。でも、おしゃべりだけでは、ずれているから今、発達障害の分野や支援がうまくいってなくて、大混乱なのでしょ。じゃあ、分かるように、こちらが「書く」や「見せる」をしなきゃ。今の状況でうまくいってたら、アタシたち、こんな仕事してませんって(笑)

     

    田口 それはそうですね(笑)私は4歳の頃にこういったものがあると「巻カレ」を見せておいてすごく良かったと思っています。必要になった時に、息子自身が思い出して、あれが欲しいと言ってくれたので。

     

    奥平綾子(㈱おめめどう 代表)② ~ユーザーさんの暮らしは楽になっています~
    に続く

  • IQ150超M社長④ ~人と違うから、自分を肯定できないのは当たり前~

    IQ150超M社長④ ~人と違うから、自分を肯定できないのは当たり前~

    ③女の子に振られないためにコミュニケーションを訓練

    はこちら

    田口 今、障害を持っている当事者の方って

    就労するとしても、Mさんや藤田さんみたいに

    社長になれるというタイプであれば

    自分のペースでやっていけるので才能が有ればやれる方もいると思うんです。

     

    だけど、結局、会社にも所属できない、自営業をやろうとしても

    自己肯定感がすごく低いわけです。

    なので、そこから一歩出られないという状態ですよね。

     

    そういう当事者の方に、どうやって自分の「障害」を「個性」として受け入れられるか

    アドバイスがあれば頂きたいのですが。

     

    M 自己肯定感は恐らく私も相当低いです。

    たぶん、先だって話に出ている藤田さんもきっと低いです。

    マジョリティと自分は違うと認識しているから

    自己肯定感が低いのは当たり前なんですよ。

    人と違うから、自分を肯定できないんですから。

    肯定できないことに加え、次に何のアクションをするかということを親が教えられていないと

     

    その方が「障害という言葉」に負けてしまうと思っています。

    「あなたは人と違うから

    人よりも一歩先に行くために、こういう努力をしてみましょう」といった風に

    寄り添えない親御さんも少なくないんじゃないかなと思っています。

     

    子供もそれに甘んじちゃって

    「お母さんが頑張んなくていいって言うからそれでいいよね」

    というような子供も少なくない。

     

    本当にその人を独り立ちさせて、自分が亡くなった後も健常者と呼ばれる人以上に

    強く生きていって欲しいという気持ちがないように見える時があります。

    「私がこういう状態にこの子を産んじゃったから言いにくい」みたいな感じですかね。

    それが、あくまで全ての人にでは無いですが

    障害者の親御さんに私が思っている率直な感想です。

    そうやって「個性」として与えられて産まれてきている子を

    どうやったら他の子より、優れた子に育てられるかという戦略を持って欲しいと思っています。

    これって言い過ぎでしょうか?

     

    田口 facebookからアカウント停止処分を受けそうですが、配信します(笑)

     

     (笑)

     

    田口 何度もアカウント停止になっているんですよ(笑)

    障害について語るって、タブーなので、みんな臆病になっているんですよ。

    皆、腰が引けてしまっている。

    だけど、それだと何も伝わらないですよね。

  • IQ150超M社長③ ~女の子に振られないためにコミュニケーションを訓練~

    IQ150超M社長③ ~女の子に振られないためにコミュニケーションを訓練~

    ②3歳の時に新聞1ページを3分で暗記し読んだ

    はこちら

     

    M 私は戦略を練って、ここにどういうお金を配置してという

    統計や相関、リソースの配置が好きですし

    ビジネスモデルの構築そのものが好きでして。

     

    これは私の想像ですが、

    ㈱アニスピホールディングスの藤田さんは

    どちらかというと、ド派手な花火を上げ

    旗印のもとに人を進ませて

    必要なインフラを作っていくっていうのが多分好き?得意?なんだと思うけど

    私たちは一切広報をしないで

    自分たちのビジネスがインフラに静かになっていくのが好きなんですよ。

    だからメディアも一切禁止なんですよ!当社は。

    取材はすべて断れと幹部や本部の職員には指示が出ています。

    お互い目指すところは一緒だけど

    手法が違うから藤田さんとは気が合うのではないかと思っています。

     

    田口 藤田さんは割と取材を受けるのが好きですよね。

    私も藤田さんと知り合ったのは取材でなんですよ。

     

     逆に言うとMっていう人間まで辿り着ける人の方が少ない会社なんですよ。

    私が社交的じゃ無いので。

    機嫌が悪くなるのであまり電話も私に取り次がないようですし。

     

    田口 孤独という部分にフォーカスすると

    奥様がいらっしゃるから孤独は感じないですか?

     

    M いや、妻も話が合わないときは合わないですよ。

    しかし、合わないのを楽しんでくれるから助かっています。

    そのほかの部分でいうと、自分の孤独の部分は自分の周りにいる人たちが

    地場の企業で、誰もが知っているような企業の役員や経営者だったりなので

    経営者という要素についての孤独感は濃くないのかもしれません。

    でも、完全に理解をしてもらうのは難しいようです。

    男女関係でいうとそれなりにモテるんだけど

    付き合った女性にはすぐ振られるタイプ(笑)

    みたいな感じが私かなあと思います

     

    田口 何で振られちゃうんですか?

    割と発達障害系女子はモテるけど、発達障害系男子はモテないっていう話が

    山瀬健治さんの取材の中でも出るんですけれども。

     

    M 今はちょっと太っちゃったんですけど

    痩せてるとそれなりにイケメンなので(笑)

    (筆者注 本当に痩せていたらイケメンだろうという容姿です)

    ほぼ100%女性の方から告白して来ていただけるのですが

    いざ交際すると、すぐに

    「ついていけない」って言われちゃうんですよね。

    うちのカミさんはついていけないっていうより

    それを若干楽しむ傾向にある女の人で。

    「あ、ウンコ漏らしちゃったの?」みたいな(笑)

     

    田口 (笑)

  • IQ150超M社長② ~3歳の時に新聞1ページを3分で暗記し読んだ~

    IQ150超M社長② ~3歳の時に新聞1ページを3分で暗記し読んだ~

     

    ①過集中すると39歳の今でもウンコを漏らしますはこちら

    田口 私は自分の過集中に対する対策は

    カウンセリングを受けて、キッチンタイマーをかけてみるなど

    一応していたんです。

    だけど、過集中しないと逆にストレスになるし

    仕事のパフォーマンスが落ちるので

    今は寝食を忘れるならば、プロテインで栄養補給するとか

    そういった方向に行きました。

     

    M うちは婆ちゃんが、女性なのに結構大きな会社を

    一人で興したという人だったので

    たぶん自分のマイノリティな特徴や個性を理解し愛してくれていました。

    婆ちゃんに私の精神面は育てられたんですよ。

     

    だから、婆ちゃんといるときは、ウンコを漏らそうが何しようが

    「あんたもやりたいようにやりなさい」という感じだったんですよ。

    むしろ婆ちゃん自身が私の目の前で新聞紙をひいて床にウンコして

    私もしちゃったみたいなエピソードもあるくらい豪快な人でした(笑)

     

    田口 お婆様も豪快な方ですね(笑)

     

    M だけど、母のところに帰ると

    母が精神的にもたなくなってしまうという繰り返しだったんです。

    父親も、面倒くさいのは嫌じゃないですか。

    男だし。

    私が婆ちゃんに預けられていた方が楽だったと思うんですよ。

     

    だから、ネグレクトではないと思うんですけど

    今考えると、父は仕事が忙しいし

    よくわかんない存在に真っ向からぶつかるのが面倒くさかったんだろうなと思います。

    カミさんが子供のことで家帰って来たらキャンキャン言うし。

    かといって離婚できるわけでもないし。

     

    子供は遊んでいたら楽しいけど、可愛いけど、育児までやる時間はないし…

    だったんだなーと今は思えるようになってきました。

     

    母は単純に精神が強くなかったと思うんですよ。

    誰かにあたるしかない。

    自己否定もできない。

     

    だから個性を受け入れるより

    「普通はこう」「私はこう望む」を押し付ける教育になっていきました。

     

    田口 なるほど。

     

    M 認識できない行為っていうのは

    自分の想像の範疇を超えるわけじゃないですか。

    たぶん人間ってそれでうつになったりとか

    イライラから暴力性が高まったりとかすると思うんです。

    そういうことって、自分の経験してきたことによる

    思考の範疇を大きく超えてしまうことで起こる現象だと私は思っています。

     

    うちの母親は働いた経験もないから

    子供がそういう訳分からんことばかりやるってなると

    「何で私ばっかり!キーッ」となって

    どんどん精神が病んでいったのではないかと今考えると思いますね。

  • IQ150超M社長① ~過集中すると39歳の今でもウンコを漏らします~

    IQ150超M社長① ~過集中すると39歳の今でもウンコを漏らします~

    田口 なぜこの取材を受けてくださろうと思ったのですか?

     

     最近、子供が産まれまして

    これを機に自分を見つめなおそうかなと思ったときに

    (田口が)記事を書いてらっしゃったじゃないですか。

    それでメッセージをしてみたというのがきっかけですね。

    それで取材依頼がくるとは思ってなかったので(笑)

    田口 お子さんのことがあって

    自分の幼少期とかを振り返ったという感じですかね?

     

    M うーん…というより、自分は子供に対して

    特等席を用意してあげたいと思っているんですよね。

    子供が小さく産まれてきてしまったので

    未だに保育器の中なんですよ。

    障害もなく元気なのですが。

     

    私自身が親に特等席を用意されなかったことを憎むとか

    そういうことではなくて

    自分が子供に良い環境を用意してあげたいなと真剣に思った時

    その時の親の気持ちってどうだったのかなと思ったんです。

    おそらく私の両親は自分の理解できる範疇を超えすぎていて

    諦めることに繋がったのかなと思いだしたんですよ。

    なので、そういう子供を一人でも減らすいいきっかけになればと思って

    話しちゃおうと思いました。

     

    田口 ありがとうございます。

    「発達障害の家族性」というのはよく言われることなのですが

    お父様やお母様にも(発達障害の)傾向があったりすると

    育児の仕方が分からなくて悩んでしまうということはよく聞く話です。

    ほとんど遺伝だと言われているので

    恐らくお父様かお母様が同じような傾向を持っていたと思うのですが。

  • 臨床心理士 上間春江⑤ ~自分でも気づいていないようなすごい力を誰もが持っています~

    臨床心理士 上間春江⑤ ~自分でも気づいていないようなすごい力を誰もが持っています~

    臨床心理士 上間春江(うえま はるえ)さん

    田口 上間さんがご自身の経験から

    悩める親御さんや子供たちに伝えたいことはありますか?

     

    上間 そうですね。

    まず、お母さんに伝えたいことは3つです。

    まず1つ目は、“子育てにこうしなければいけない!”と

    他人が決めた正解はないということ。

     

    2つ目は、自分がムリなくできる方法で、子どもの特性にあっていれば

    どんなかかわり方でも大丈夫ということ。

     

    そして、3つ目は、子どもが問題を起こした際に

    どんな風にしたらいいかということについて。

    子どもは、成長途上ですから、時に、色々な困難にぶつかることもありますよね。

    でもそれは、お母さんがいけないとか

    何かを間違えたから起こるのではなく

    問題が起きる時は起こるべくして起こるもんなんです。

     

    「そういうもの」ということ。

     

    先ほども言いましたが、どんな経験も

    そこから糧や学びを得られれば

    全部、自分たちの財産になります。

     

    ですから、必要以上に自分の子育てを責めずに。

    でも、何かこれがいけなかったかなと思ったら

    そこから軌道修正して

    “どうするうまくいくかな?” “どうすると解決するかな?” “どうなるといいかな?” 

    そんな発想で、未来をここから新しく作っていって欲しいということ。

     

    そして、悩める子ども達に伝えたいこと

    今言ったことに加え、今、何かにつまづいて立ち止まっていたとしても

    必ず「これを乗り越える力は、あなたの中に備わっている」ということですね。

     

    本当に、人ってすごくって。

    自分でも気づいていないようなすごい力を、誰もが持っています。

     

    私は、普段、色んなしんどい経験をしてきた子ども達に関わっていますが

    「過去や今に関係なく、人ってどんな瞬間からでも変わっていける!」

    そんな大きな成長を見せてくれる子ども達にたくさん出会ってきました。

     

    もし、今、これを読んでいるあなたが

    “自分にはそんな力全然ない!” と心から信じているようだったら

    それはすごいチャンスです!!

    だって、これから、そのすごい力が出てくるということですから。

     

    その自分のすごい力を引き出すには

    まず、今の自分の全てに〇をつけること。

    自分のできる、できない、好き、嫌い

    そのすべてに OK を出していくことですね。

     

    そうやって、自分のありのままに許可を出して

    何がどうなるなんて損得抜きに

    自分のやってみたいこと、好きなこと

    何でもいいのでやってみるといいと思います。

     

    そんな気力さえ沸いてこなければ、ただ生きているだけでも OK。

    いつか流れが変わる時がきますから。

     

    あなたなら、大丈夫。

    応援しています。

    田口 上間さんの言葉は前向きで力強くて
    とても素敵ですね。
    私も子や自分の可能性を信じよう
    そんな気持ちになりました。
    ありがとうございました。
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    ※ダメ出しばかりの自信のない毎日から
    自分らしく幸せな毎日を手に入れるまでに
    実際に取り組んだことをつづっています

    ※内容は取材当時(2019年8月)

     

     

  • 臨床心理士 上間春江④ ~「好き×得意」のフィールドで生き生きした息子達~

    臨床心理士 上間春江④ ~「好き×得意」のフィールドで生き生きした息子達~

    臨床心理士 上間春江(うえま はるえ)さん

     

     

    田口 上間さんは2016年に「子どものミカタプロジェクト

    を立ち上げていらっしゃいますが

    そのきっかけはどういったものですか?

     

    上間 今言ったような、悲しいボタンの掛け違い事例を

    あまりに多く見てきたからです。

     

    私は、カウンセラーとしてのキャリアのスタートを都内で積んだのですが

    都内は、専門家の数が多かったり、支援の場がたくさんあったりしたことから

    発達特性のあるお子さんって、割と早いうちから

    発見されていることが多かった印象があります。

     

    でも、長野に来たら、不登校とか二次障害のこじれとか

    複雑化・困難化したケースに多々出会いました。

    それらの多くに「発達障害の傾向に気づかれていない」

    というものがありました。

     

    また、そうした問題が親子両方に出た時に

    早期に適切な支援が受けられないケースも多々あり

    どうしてこんな風になるまでになったのか

    と思うようなケースをたくさん見たからです。

     

    知っていれば防げたことがあるのなら

    自分にできることで何かできれば…。

    そんな想いで「できることをやってみよう!」と思い立っていたところに

    私と同じ思いでいた臨床心理士に出会えて

    子どものミカタプロジェクト」が生まれました。

     

    田口 この連載の取材の中で、東京の福祉を褒めているのは

    上間さんだけです(笑)

    東京は福祉の面で遅れている(㈱アニスピホールディングス 藤田社長)

    東京は福祉の上では別の国(相談支援員さん)など

    取材の中では東京はぼろくそに言われていますが

    いいところもあるんですね。

    良かった(笑)

     

    上間 あ、そうなんですか。

    それは、それは…。

    まぁ、教育相談という領域で関わっていた現場の一職員としての実感なので。

    全体をきちんと把握はできていないかもですが(苦笑)

     

    田口 現在、上間さんの2人のお子さんが

    子どものミカタプロジェクト」でプログラミングを教えていらっしゃいますが

    その活動を通じて、お子さんに変化はありましたか?

     

    上間 あれは、ミカプロの事業というより、息子の事業で

    息子が自分たちのクラブのコンセプトを考えるときに

    「お母さんのミカプロのコンセプトいいね!」と気に入ってくれて

    「みんなとかなえるプログラミングクラブ」略して

    ミカプログラミングクラブ」と、私たちの活動に寄せて名前を付けたので

    私がサポートということで、人集めをお手伝いしている

    という感じなのですが(笑)

     

    で、前置きが長くなりましたが、子どもへの変化ですよね。

    直接の因果関係については、何とも言えませんが

    このプログラミングクラブの立ち上げは

    普通ではできないたくさんの経験を積む機会になったと思っています。

    取材を受けることが度々あり、名刺を作って渡し方を教えてあげたり

    大人とやりとりすることもそうですよね。

     

    田口 名刺の受け渡しもですか!

    それは貴重な経験ですね。

     

    上間 そうなんですよ。

    名刺を作りたいっていうので、一緒に作り、渡し方教えてあげましたところ

    取材や講師依頼の機会が複数回あり、名刺交換を結構やることになりました。

     

    他にも、人前で教える経験、教室を準備する経験なんかも

    息子には、とても貴重な経験になっていると思います。

     

    何しろ、社会性には難ありの子ども達ですが

    自分の「好き×得意」なフィールドで

    来てくれた人に楽しんでもらうという場のしつらえは

    息子たちの社会性を伸ばす上で、とてもいい経験になっていると感じます。

     

    また、好きで得意なことにとことんハマれる時間は

    単純に、子どもを元気にしますよね。

     

    一時は、気の合うお友達もいないし、「学校いやだ~」としょんぼりしていた次男でしたが

    (ちなみに、学校の名誉のために言っておくと

    学校がダメとか先生がダメということではなく

    次男の特性として

    集団教育の場は不適応起こしやすいということの表れです)

    最近は、学校で友達と遊んだ話などもしてくれるようになり

    嫌がらずにご機嫌で登校しています。

     

    プログラミングというより、好きで夢中になれる活動にハマれるという時間が

    息子達にとってよかったのではないかなと思っています。

     

    田口 樋端先生も取材の中で

    「趣味の世界などで、存分にこだわれる部分をもっていれ

    世間で多少の理不尽さはスルーできるかもしれない」

    と答えていらっしゃいますが

    次男君にとっては、こだわりを存分に発揮でき

    ハマれることが見つかったことの方が大きいことなのかもしれませんね。

     

    上間 そうですね。

    本当に、そうだと思います!

     

    ※内容は取材当時(2019年8月)

     

     

  • 臨床心理士 上間春江③ ~学校が「是」とする文化そのものに馴染めない子供たち~

    臨床心理士 上間春江③ ~学校が「是」とする文化そのものに馴染めない子供たち~

    臨床心理士 上間春江(うえま はるえ)さん

     

     

    田口 上間さんご自身も子供の頃には

    いじめや自尊心の傷つく経験をなさっていますが

    それはどうやって乗り越えられたのですか?

     

    上間 そうですねー。

    その経験さえも、私自身の人生の宝になっていると

    確信をもって、自覚できたからです。

    私は今、カウンセラーとして、悩み傷ついた人の支援のお仕事をしていますが

    私にとっての人生の挫折と、そこから立ち直った経験は

    今の仕事にものすごく役に立っています。

    また、そこで得た気づきや学びがあるからこそ

    いい支援ができるようになったという自負もあります。

    この気づきや学びのために、経験させてもらったと思えたら

    過去の全てが自分の中で消化でき

    今は、あれがあってよかったなぁと心底思えるようになりました。

     

    田口 スクールカウンセラーとして活動していらっしゃって

    学校の教育現場にどういったことを感じていらっしゃいますか?

     

    上間 私は、学校はいい「場」だと思っていますし

    先生たちもとてもいい方が多いと思っています。

    色んな子ども達に関わっていると

    様々な理由で学校に行けなくなる子もいる一方で

    そこから立ち直ったり、成長したりするきっかけとして

    先生や友達が関わっていることも多くあるからです。

     

    心を砕いて、親子のためにと熱心に関わってくださる先生はたくさんいる

    というのが、私自身の実感です。

    実際、うちの息子達は、学校に適応しにくい特性を持ちながらも

    いい先生に恵まれており、学校のおかげで

    成長したなぁと思えることが多々あるので

    学校や先生には感謝しかないです。

     

    ただし、そういう場に、どうしたって合わないという子がたくさんいるのも

    これまた事実です。

    みんなと同じことを同じペースで学ばされる

    あるいは、頑張ることがいいことだとか、みんなと仲良くとか…。

     

    学校が「是」とする文化そのものが

    デフォルトで馴染めないなど、色々な子がいます。

    そういう子がいることも見極めた上で

    様々な「場」を選択できる環境が

    もっと増えるといいなとも思います。

     

    田口 なぜ発達障害の支援において

    母子ともに支援が必要となるのですか?

     

    上間 私が子育てしていて思ったのは

    子どもに特性がある場合

    やはり親にも何らかの傾向があることが多くあるのですよね。

     

    例えばうちだと、親子揃って気が散りやすくて活動が進まない。

    ご飯を食べる時にテレビを観ていると、テレビに気が逸れて

    食事をすること、片付けることが進まない

    お風呂に入るのが遅くなる。

    生活リズムがうまく作れない、などなど。

    苦手さが相まって、どうにもならないとか、収拾つかないとか…。

    そういうことが多分にあるんです。

     

    また、親に傾向がなかったとしても

    特性のあるお子さんの子育ては、本当に大変です。

    樋端先生が、「創意工夫で生活を乗り切ろう」とおっしゃっていたかと思いますが

    一筋縄ではいかないし、その創意工夫も

    なかなか親だけでは思い付かないと思うんです。

    障害特性への理解、特性にあった対応の仕方を考える力など

    親にそうした理解や力がないと

    子どもをひたすら叱りつけたり

    苦手さをどうにかしようと特訓しようとしたりなど

    すれ違いが起こります。

    親子のそうした悲しいボタンの掛け違いを直すためにも

    親への支援は不可欠だと思います。

    そして、親御さんがお子さんに合った子育てをできることで

    子どもも力がついてきたり、子育てがしやすくなるという効果もありますので

    これが、お母さんを楽にするといった面もありますね。

     

    ※内容は取材当時(2019年9月)

     

     

  • 臨床心理士 上間春江② ~成功者の特徴を観察した結果~

    臨床心理士 上間春江② ~成功者の特徴を観察した結果~

    臨床心理士 上間春江(うえま はるえ)さん

     

     

    上間 私は、好奇心旺盛で、いろんなものへのアンテナが高い。

    ですが、気が散りやすく、家事や片付けが苦手。

    短期記憶が弱いので、何でも書かないとすぐに忘れる。

    一つのことをやっていると

    「あ、これも!」と、色々と広がり、仕事量が増え

    ずいぶん仕事をした気になって

    「さて、今日は何をどれくらいやったっけ?」 と振り返ると

    やるべき仕事が、さほど進んでいないという事態も多々(涙)

    管理系の仕事ができない、事務仕事はミスだらけ…などです(笑)

     

    子どもについても、長男、次男ともにかなりとんがっていて、育てにくかったので

    「あぁ…子ども達もそうかー」と、長男については2歳過ぎた頃

    次男についても4歳頃には、これは特性ありの子だろうなと思いました。

    例えば、長男も次男も、見通しと違って思い通りにならないと大激怒(パニック)

    こだわりが強い、かんしゃくが激しい、気持ちの切り替えが苦手。

    視覚情報に反応しやすく気が散りやすい。

    ハマったものはとことん学び、組み立て系の玩具

    (レゴ、トランスフォーマー、ルービックキューブ)

    などが好きでずっとやっている。

    初めての人や場所に慣れるのに時間がかかり

    自己表現がうまくできない。言葉での理解や表現は苦手…など。

     

    ただし、長男は、事前に予告して見通しを立てておき

    納得すれば、すんなりできることが多いです。

    また、自分の習慣になってしまえば、やってくれることが多かったです。

    一方、次男は、事前予告が通用せず、事前に予告して

    「うん、分かった~」と言っても

    その時「やりたくない」と思えば、一切やらない頑固さがあり

    日常のお世話がとにかく大変でした。

     

    次男の場合は、衝動性のコントロールがとにかく難しい様子で

    「やりたくない!」となったら、頑としてやらないので

    ほんとに、大変でしたねぇ(最近、ずいぶん落ち着いてきましたので

    だいぶ楽になりましたけどね)

     

    田口 私は「発達障害あるあるラボ2019トークライブ」で

    上間さんと出会ったことで、子の障害を受容できた部分があります。

    上間さんとは全く初対面の気がしなくて

    会っていきなり意気投合してしまいましたよね(笑)

    上間さんが明るく発達障害について語っている姿を見て

    ものすごく衝撃でした。

     

    樋端医師の話の中で「先にリカバリーした人が道を示す

    楽しそうに生きている姿を見せることにより当事者は救われる

    という話が出てきますが

    上間さん自身にもそういった存在がいらっしゃったのですか?

     

    上間 次男は、3.11(東日本大震災)が起きた2011年に産まれたこともあり

    これから先、親がいついなくなるか分からないような

    激動の時代になることを予感し、この変化の多い激動の時代に

    幸せに生き抜いていくには、どんな力をつけてあげればいいんだろうと

    ある時期関心を持ちました。

    それで、世に出ている成功者や、幸せに生きている人を

    観察しまくっていた時期がありました

    (興味にツボってしまうとトコトンです(笑))。

     

    その結果、世に出てうまくいっている人って

    何でもできるすごい人とかじゃないんですよ

    苦手さや弱さも持ち合わせながら、それをちゃんと肯定しているので

    苦手さや弱さを助けてもらえる

    「愛されキャラ」の人が多いことに気付いたんです。

     

    彼らは、できないことで自分の価値を貶めていないし

    「できないままで愛される」という、セルフイメージが高いのです。

    とても朗らかな、いいオーラを出していて

    結果として、助けてくれる周りの人に恵まれているんです。

    その代わり、得意な力でとことん突き抜け、それで他の人が真似できないような

    すごい成果を出している一面があったりして。

    その突き抜けたでっぱりがあるから

    苦手さを要求されないという面もあるんだなと気づきました。

     

    そういう人を見ていると、ご本人が「障害」と公言されていなくても

    たぶんにそういう(障害)特性ありありだなぁと見受けられることも多くって。

    特性があろうがなかろうが

    「これが幸せに生きる秘訣だな」と思ったら、

    その子の個性のまんまを大切に育むことだったり

    自分自身が自分のままで幸せに生きることが大事なんだと思い

    そこを子育てでも支援においても、徹底して貫いております。

    結果、その子のその子らしさを大切にはぐくむと

    障害があるとかないとかにかかわらず、本当にいいご縁に結ばれ

    自立できる事例もたくさん見てきました

     

    田口 私は大学を卒業して

    いわゆるベンチャー企業を転々としていたのですが

    ベンチャー企業の社長は本当にそういう人が多かった。

    一代で事業を急成長させている人だから、突出した部分がある。

    だけど、割と抜けている部分があって、愛されキャラでしたね。

    周りで見ていて、社員の方が「大丈夫?」と心配してしまうような

    かわいいキャラクターの社長さんが多かったです。

     

    私はイベントの宣伝を兼ねてこの記事を書いていますが

    イベントの主催企業である

    ㈱アニスピホールディングスの藤田社長もそうだと思います(笑)

    打ち合わせで会社を訪ねたら、約束を忘れて、千葉にいた(笑)

    そこで出てきてくれた本部長の方が

    「飯野様だけではなく、誰の約束でも忘れます」と必死にかばっていらっしゃって

    周りにいい社員さんがいるんだなと思いました。

    すっぽかされたこと自体には、腹が立ちましたが、何か憎めない(笑)

     

    上間 そうだと思います。

    これって、その方の自己肯定というか

    自分の苦手さを自分で責めたり否定したりしていないことが

    大きいんだと捉えています。

    自分を責めたり否定していると、どうしても、周りからも責められたり否定されたりが

    あると思うのですけどね。

    自分自身がそこを認めていると、周りからも認められるという

    自分が発しているものに引き合うご縁に恵まれる

    というのがあるんだと思います。

     

    ※内容は取材当時(2019年9月)

     

     

  • 臨床心理士 上間春江① ~自分のADHDの特性に気づいた学部時代~

    臨床心理士 上間春江① ~自分のADHDの特性に気づいた学部時代~

    臨床心理士 上間春江(うえま はるえ)さん

     

    田口 なぜ、上間さんは臨床心理士を目指したのですか?

     

    上間 大学の学部選択をいろいろ検討している時

    どれもこれもピンとこない中

    「心理学」というタームに惹かれたことがきっかけです。

     

    いわゆる、世にある深層心理を探る、といった心理テストに興味を持っていて

    そのたぐいの本をよく読んでいた高校時代から興味があって

    心理学系の学部を選択。

     

    ただし、当時、臨床心理系の学部は人気が高く

    私には難しかったので、教育系の教育心理学コースを選択。

    そこでは、教育系と心理系の2つを学びました。

     

    学生時代も、塾講師(大人数~少人数)、家庭教師、教育実習

    自閉症児へのボランティア、相談員ボランティアなど

    「教育×心理」のカテゴリーでたくさん活動する中で

    私は、大人数を相手にするより

    個に深くかかわる方が得意だと分かり

    臨床心理士を目指すことにしました。

     

    田口 それは、ご自身の特性と関係がありますか?

     

    上間 臨床心理士になったのは、自分の特性というよりは・・・

    次の3つの理由が大きいですかね。

    一つは、心についての興味、二つ目は、個に深くかかわることが得意という自覚

    三つ目は、専門的に深く知りたい

    みたいな感じですかね。

     

    田口 ご自身の特性やお子さんの障害の受容はすぐにできましたか?

     

    上間 一応、うちの家族で、診断がついている人はいません。

    なぜなら、病院を受診していないので^^;

    ただ、家族全員、特性ありありなんだろうなという自覚はあります。

    なので、診断を受容というより

    「私たちって、こういう個性だね」っていう理解を

    家族全員で明るく話し合っている、という感じですかね。

     

    受診したら、診断つくかもしれませんが

    今のところ、夫婦ともに仕事をしていて、経済的に自立しており

    子どもも、特段、大きな不適応で困る状態ではない、という意味で

    現実適応できていると考えられるので

    「特性あり」だけど「障害状態ではない」という

    判断になるのではないかなと思っています。

     

    ここを前提においた上で、自分や子どもの特性理解についてですが…

    まず、自分の特性についての自覚は、大学4年生のころでした。

    その頃、ちょうど、MBD(微細脳機能障害症候群)とか

    ADHDとか、アスペルガー障害などの障害名がちょこちょこ授業で出てきて

    特別支援教育もこれから本格的に導入されるという頃で。

     

    授業で、ADHDと呼ばれる子どもたちの教室での一コマを見る機会がありました

    私はそれを見て

    「びっくり!!!! あれれれー?

    ここに写ってる子、まんま、私じゃん!!」と驚いたんです。

     

    今まで、散々、ダメ出しばっかりされてすっごい怒られてきたけど

    「私って、もしかして、ADHDだったんじゃないの!?

    だとしたら、私って、叱られる子じゃなくて

    支援されないといけない子だったんじゃないのー?」

    という衝撃的な授業がありました。

     

    そこから、学部卒業後、中学校で相談員を2年勤めた後

    大学院に進学し、さらに専門的な学びを深め

    都内の教育相談室などで臨床実践を積む中で

    発達障害について学ぶことになりました。

     

    そして、間違いなく、自分には特性があるなと自覚しました。

     

    ※内容は取材当時(2019年9月)

     

     

  • 精神科医 樋端佑樹⑥ ~発達障害は生き方次第で「強み」にもなれば「障害」にもなる~

    精神科医 樋端佑樹⑥ ~発達障害は生き方次第で「強み」にもなれば「障害」にもなる~

    精神科医 樋端 祐樹(といばな ゆうき)先生

    ロングインタビュー

    田口 先生は発達障害の親御さんにも

    「あなたもそうだよ」と告げると言ってましたけ

    怖くないんですか?

    そこ、支援者たちが一番悩んでるところですが。

    発達障害の家族性については、みんな思ってても言えない。

    けど、傾向は持ってるし、親は聞く耳を持たないし

    子供は追い込まれちゃってるし、どうしようとなってますよね。

     

    樋端 怖くはないでしょ。

    親もまず余裕があって、自由に生きていて

    自分のことを好きで受け入れられていないと

    自由すぎる子どもを虐待しちゃうかもしれない。

     

    だから、親支援が一番大事な部分

     

    自分が親に特性を説明するのは、親自身や祖父母などの

    子どもと似ている特性や生き方を聞くとことから話すかなあ。

    実子なら設計図は約半分同じなんだから。

    親子の発達障害あるあるラボ」も「親も特性有り」がデフォルトです。

     

    田口 どういう風に親御さんに伝えるのですか?

    取材すると、大学病院のお医者さんでも

    親に告げることを怖がっている人がいるのですが。

     

    樋端 必ず障害の社会モデルから入りますかね。

    障害とは支援の必要性で定義される相対的なもの。

    どこに身を置くかで、どんな生き方をするかで

    強みにもなれば障害にもなりますと。

    だから職業とか自営の家系とか、公務員の家系とか

    サラリーマンの家系みたい話から入る場合もありますね。

     

    田口 難しいのですが、例えば「あなたの家系は自営業者が多いんですね。

    実は自閉症の方って多いんですよね」みたいに話をもっていくってことですか?

     

    樋端 ちょっと違うかな。

    自営の生き方をできるかどうかは、時代や国にもよるしね。

     

    でも、おじいちゃんも、自由人だったとか、好きなことばっかりしていたとか。

    必ずご先祖様に似た人が見つかる。

     

    凸凹で特性があっても、その形のまま社会の中で

    どこかで何かをして楽に楽しく生きていければそれで良し。

    二次障害を予防することが一番大事。

     

    田口 すごくマイルドですね。

    それなら受け入れられるかも。

    「お祖父ちゃんも趣味人だったでしょ?

    あなたもですよね。この子も同じですよ」

    みたいな感じ?

     

    樋端 例えば、私のじいちゃんは眼科医だったけど教授と喧嘩して

    (論文は祖母がとりなして手伝って仕上げたそう)

    結局開業して、友達少なかったけど踊りで友達作って

    繁盛したら怒り散らして患者減らして

    陶芸とか文筆とか趣味に生きてた人だったし。

    祖母も英語出来ないけどコミュニケーションは得意で

    友人と海外旅行とかよく行っていたし

    茶道や書道とか多趣味だったわ。

    父方もそんな感じ。

    「あのご先祖様なら仕方ないね」という感じで。

     

    田口 発達障害の方は余暇に生きた方が幸せ?

     

    樋端 仕事は自分を抑えて

    他人の価値観で動かなきゃいけないことも多いからね。

    趣味なら文句をいわれずに自由にやれる。

    こだわり保存の法則(信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長。博士

    本田秀夫先生)を考えても

    余暇活動ファーストです。

    趣味だったら下手でもいいわけだし

    評価されなくてもいい。

    楽しければ。

    趣味の世界などで、存分にこだわれる部分をもっていれば

    世間で多少の理不尽さはスルーできるかもしれない。

     

    ただ好きなことして生きるために「オープンに自閉」するために

    できれば「働くふり」をすることはお勧めしますね。

    それは絶対に嫌なことじゃなくて、苦にならず出来ることで。

    好きなことを仕事にしなくてもいいけど

    得意なことでね。

    こだわりがないところのほうがいい。

    もちろん好きなこと、こだわりたいこと、得意なこと

    求められていることが重なって仕事にできれば最高だけど

    こだわりが強すぎて仕事にならない場合もあるしねぇ。

     

    田口 いますね!

    ASDが強すぎると協働するのは難しいですよね。

     

    樋端 そそ、物好きなパトロンを見つけて

    「先生の作品をいつまでも待ちます。気の済むまで作ってください。

    生活は保証します」くらいまでなればいいけどね。

    ある程度では妥協できないと、特に組織の中では苦しい。

     

    田口 先生はイタリアのブランドの話とか好きそう。

    イタリア人はなぜブランド開発が上手かというと

    「職人をいつまでも待とう、育てよう」っていう文化があるからなんですって。

     

    樋端 いや、ブランドにはあまり興味がないかなあ。

    イタリアの精神科医のバザーリアとか好きやけど。

    “自由こそ治療だ”と精神科病院無くした人。

    イタリアは自営がめちゃ多いし、ファミリーの結束強そうやね。

     

    田口 イタリア人は何年でも欲しいバッグのために待つんだって。

    だから、職人が育つ。

    いいブランドができる。

     

    樋端 イタリア人にブランディング戦略なんてあるの?

     

    田口 イタリア人のブランド戦略は

    「価値あるものは待ってろよ!」なんですよ。

    日本人はすぐに量産するでしょ。

     

    樋端 確かに、日本にはフェラーリはないなー。

     

    田口 でしょう?

    イタリアブランドは素敵なものが多いでしょ。

    あれは、「価値あるものは待てよ」だからこそ。

     

    樋端 物語もあるよね。

    ただ、発達障害診療はブランドじゃ困るから、待たせずに

    どんどん対話して必要な手立てをいれていく水道哲学(松下幸之助)

    で行きたいけどね。

    だから「おめめどう」推しなんです。

     

    田口 診察はね。

    けど、名人が作った一点物の時計、3年待ち。

    欲しくならないですか?

     

    樋端 そんな貴重なものでも無くすから、欲しくはならない。

     

    田口 無くすんだ(笑)

    フェラーリは大きいから無くさないでしょ。

    いかがですか?

     

    樋端 まだカルテが手書きだった頃、研修医の間で

    万年筆でカルテを書くのが流行って、自分も粋がってモンブランの万年筆とか買ったし

    プレゼントもされたけど、2度無くして懲りた。

    ジェットストリームのボールペンを100本買うかな。

    フェラーリも事故ったら修理費も大変そう。

     

    田口 無くすし、事故るんだ(笑)

    ADHDだから(笑)

     

    樋端 だから物は実用本位です。

    アップルは好きですけどね。

     

    戻るけど、これから貧しくなる日本は

    それぞれが自由に気ままに生きている

    インドやイタリアみたいな文化の国を目指すのがいいかなと思います。

    そしたら発達障害の人も、うんと楽なんじゃないですかね。

     

    田口 目指しましょう!

    インドとかイタリアみたいな空気!(笑)

     

     

     

    ※内容は取材当時(2019年8月)

     

     

  • 精神科医 樋端佑樹⑤ ~必要だからこそ淘汰されなかった発達障害の形質~

    精神科医 樋端佑樹⑤ ~必要だからこそ淘汰されなかった発達障害の形質~

    精神科医 樋端 祐樹(といばな ゆうき)先生の

    ロングインタビュー

     

    田口 ㈱アニスピホールディングスの藤田社長の取材で

    「人とは話せなくても、動物とは話せる人がいる」という話が出たのですが

    それはなぜ?

    そして、犬や猫と暮らすことによるセラピー効果って本当ですか?

     

    樋端 チューニングがその辺に合ってるからでしょうね。

    イルカセラピーやホースセラピーなどもありますよね。

    ASDの人には地球や植物、動物と話せているんじゃないかとういくらいの人もいるし。

    自分も植物や鳥が好きで、ちょっとした森でも植物や昆虫

    鳥などで色んなことを感じられて楽しめます。

     

    でも上には上がいる。

    有名な自閉症当事者のティンプルグランディンさんなんかも

    アニマルマインドを持っていて、それを活かして動物行動学者として大成しているし。

     

    あと、ある有機農法農家の人は畑に行くと野菜たちが

    呼びかけてきて何を求めているかがうるさくて仕方ないと言っていました。

    村田 沙耶香さんの芥川賞を受賞した小説の「コンビニ人間」は

    コンビニ自体が語りかけてくるとかそんな感じですね。

     

     

    あと、エンパシーが強いというか、エスパーなんじゃないかというくらい

    ノンバーバルな情報が入りすぎちゃう人もいる。

    分かり過ぎちゃうのも苦しいよね。

     

    田口 原始時代、人はもっと野菜や動物と会話していたのかもしれませんね。

    だからこそ、自閉スペクトラム症は淘汰されなかったのかも。

    必要なかったら、歴史の中で、淘汰されてしまったはずですよね。

     

    樋端 そうだと思います。

    人類が子孫に累々と伝えていくものに、生物の歴史を伝える遺伝子レベルの流れと

    教育などを通じて人間社会の文化を伝える流れの2つの流れがあります。

    表層の文化レベルの流れよりも、基底の遺伝子に刻まれたものが強く現れて

    今の人間社会で器用に立ち振る舞えないのが発達障害ですから。

     

    田口 ちょっと難しいのですが、生物の歴史ってどういう意味ですか?

     

    樋端 生命の誕生から、生き物としての歴史が続いてきています。

    その中で毒々しい色の生き物を警戒するとか、紐みたいなものを怖がるとかというのは

    本能的に引き継がれてきた形質(特性)です。

    そういった本能が淘汰されずに、ずっと現れ続けるというのは

    人類として必要な形質だったということです。

    が、そういった特性が今、その人が生きている環境に合わずに強く出ると

    病気や障害ということになる。

    進化心理学とかもちょっとしたブームですが

    この辺の話も盛り込んだ「ホモサピエンス全史」とか面白かった。

    学校もああいうのを教科書にして学べばいいのにね。

     

     

     

    田口 私は「第2回発達障害あるあるラボ公開トークライブin しおじり

    に登壇した際に

    「人の気持ちが分からなくて、占っているうちに占い師になってしまった」

    という話をしましたが、本当に人の気持ちは難しい(笑)

    占ってみて、タロットカードを見て「自分に恋してる」とか出ると

    びっくりしてしまう。

    態度からは全然分からないから(笑)

     

    樋端 気持ちにしても人の気持ちどころか

    まず自分の気持ちも気づかなかったりしますよね。

     

    自閉スペクトラム症の人は、見えているものは見えすぎているけど

    見えないものは無いのと同じ。

    外部情報は入りすぎる一方で

    相対的に内部感覚(疲れや身体反応からの感情など)をとらえるのが下手だから

    自分の身体や心のニーズが分かりにくい。

     

    だから、自分の感情を上手く捉えられない

    アレキシサイミア(失感情)みたいになってる人もいる。

    疲れたっていう感覚が分からず、疲れたときには疲れ果ててという人もいる。

    だから、不登校なんかもそうですけど、いったん引きこもって

    価値観のシャワーを浴びせられる場所から自閉して、外部刺激を遮断して

    ゆるめて、身体をやすめ、好きなことをして

    自分の内部感覚を探るところから出発するのが必要な場合もあります。

     

    田口 私は昔は過労で倒れるまで疲れてると分からないし

    何で悲しいかよく分からなかったりしてました。

    「涙が出ないんだけど」と医師に相談したことあります!!

    私、ひきこもっても全くおかしくなかったんですね。

     

    樋端 まあ、今は自分のことをオープンにすることでコミュニカティブだけど

    外部刺激は自分で適切にコントロール出来ていて

    他人やツールに頼るところは堂々と頼って

    明るく自閉できている状態なんじゃない?

     

    田口 私は周りの人から、活発なひきこもりと呼ばれてます(笑)

    そういうことか。

    自閉症、ひきこもりというとマイナスなイメージがあるけど

    自閉は決して悪い面だけじゃないんですね。

     

    樋端 だいたい「autism」に自閉という訳語が、悪いよね。

    本来、自分主義とか、我道を行くとかそういうニュアンス。

    マイペース、マイワールドとか。

    わがままからネガティブなニュアンスを取り去った感じかな。

     

    田口 マイワールド好きで何が悪いんでしょうね。

    「自由に生きたらええやん」と思う。

    自分の選択次第なのにね

    定型発達と言われる人たちは逆に、自閉しなくて疲れないんですかねぇ。

    私、自分の時間がなかったらストレス過多で爆発します

     

    樋端 定型的な発達の人は、多数派向けの環境で

    自分を抑えて周りに合わせるのが苦痛じゃないから、そんなにしんどくないかも。

    それでも、自由に生きていない人は自由に生きている人に対して

    このやろうと思うのでしょう。

    自分が直接の被害を受けている訳でもないのに

    迫害してみたりしてね。

    「ずるいは辛い」ですよ。

     

    ※内容は取材当時(2019年9月)