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  • 「ホームレスに悪い人は1人もいない」と言っては駄目な理由とは?|障害者やマイノリティへのレッテル貼り

    「ホームレスに悪い人は1人もいない」と言っては駄目な理由とは?|障害者やマイノリティへのレッテル貼り

    「ホームレスは全員悪党のクズばかりだ」

    「ホームレスは仕事をしたくないなまけ者ばかりだ」

    などという、ホームレス悪人説が語られることがある。
    多くは根拠のない誹謗中傷であり、そのような発言は慎むべきだ。

    ホームレス

    生活保護受給者にも差別的な中傷はある。

    「生活保護受給者は全員働く気がない人間だ。税金を浪費するだけだ」

    というような言葉を耳にすることがある。
    このような心無い言葉に対しては、つい擁護したくなるのが人情だろう。

     

    僕が取材をしていて、ボランティア活動をしている人や、労働団体の人と話すこともある。そこで耳にするのは、

    「ホームレスは実際悪い人1人もいないからね。こうやって話してても、全員良い人」

    「ホームレスはみんな本当は働きたいんです。働きたいんだけど、働けないの。みんな本当は勤勉なんだよ」

    というような、ホームレスをかばった発言だ。このような発言は、ネガティブな発言とは違い、あまり問題にはならない。

    ホームレス

    「ホームレスを信じて、ホームレスを高く評価しているのだからなんの問題もないじゃないか?」

    と思うかもしれない。

     

    まず、はっきり言えば、ホームレスの中に悪い人はいる。
    これはまあ当たり前のことだ。サラリーマンの中にも、医者の中にも、警察の中にも、悪い人はいる。ホームレスの中にだけ、悪い人がいないわけはない。

  • 戦時中に兵器として使われた動物たち ~人間を守るために軍用化された 駆け回る「イヌ地雷」CIAのスパイとして利用された「アコースティックキティ」~

    戦時中に兵器として使われた動物たち ~人間を守るために軍用化された 駆け回る「イヌ地雷」CIAのスパイとして利用された「アコースティックキティ」~

    終戦記念日の今日は「戦場で兵器として使われた動物たち」に着目したい。

     

    古代から、動物は戦場で“道具”として使用されてきた。最も利用された動物は馬だろう。多くの国で移動手段として利用された。インドや東南アジアでは、象も兵器として使われた。移動と破壊を兼ね備えた、まさに現代における戦車のような役割だった。産業革命以降、あらゆることに機械化が進み、動物が戦場で活躍する機会は減っていった。現在では動物愛護の観点からも、ますます動物が使用される頻度は減っている。

     

    しかし、それでも第二次世界大戦中には、かなり多くの動物が戦場へ駆り出されていた。

    第二次世界大戦は、全世界で5000〜8000万人が死んだ、まさに総力戦だ。どの国も使えるものは、動物だろうがなんだろうが使おうという、死にものぐるいな気持ちはあっただろう。

     

    それでは第二次世界大戦以降の、動物を使った兵器『アニマル・ウエポン』を具体的に紹介する。中には本気で役に立つと思って開発したのか疑問に感じる兵器もあるが、しかしその理不尽さ、滑稽さもまた戦争の恐ろしさだろう。

     

    ■ソ連軍により戦車爆破のために兵器となったイヌ

    画:村田らむ

     

    1941年6月に始まった独ソ戦(ナチス・ドイツを中心とする枢軸国とソビエト連邦との間で戦われた戦争)では、ナチス・ドイツが投入した機甲師団はソ連軍を圧倒していった。

     

    キエフが陥没し、首都モスクワが危機に迫ったソ連軍は、戦況を打開する案を必要としていた。

     

    敵戦車を破壊し動けなくされるために使われたのが「地雷犬」である。戦車の弱点は、装甲が薄い車体下部。動き回る戦車の車体下部を爆破するために、進路に全て地雷を予測して設置するには、ロシアの大地は広すぎた。そこでソ連軍は、犬のお腹を空かせ、エンジンがかかった戦車の車体下に餌を置いた。そして、稼働中の戦車の下に、餌があることを学習させた。爆弾を背負った犬を、ドイツ戦車が押し寄せる戦地へと放った。

     

    この作戦は、独ソ戦の開戦直後は、一定の戦果を挙げていたという。しかし、近寄ってくる犬は危険だと気付いたドイツ軍は、犬を射殺するようになる。また、訓練したのがソ連軍の戦車だったため、両軍の戦車があった際、放たれた犬はより馴染みのある、自軍の戦車へと走っていくようになった。そういった理由から、イヌ地雷はそのうち使用されなくなっていった。

  • 元生保受給者としてメンタリストDaiGo氏のホームレス・生活保護受給者差別発言|人の価値は収入なのか

    元生保受給者としてメンタリストDaiGo氏のホームレス・生活保護受給者差別発言|人の価値は収入なのか

    おはようございます。昨日は、予防接種で発熱中の村田らむさんに急遽、記事を書いてもらいました。

     

    「メンタリストDaiGoのホームレス・生活保護受給者差別問題|ホームレス取材の大御所村田らむが斬る」

    メンタリストDaiGoのホームレス・生活保護受給者差別問題|ホームレス取材の大御所村田らむが斬る

    村田さんあいである広場編集長の私が、元生活保護受給者なのも知っており、その時代の話もよく聞いてくれていた。

     

    メンタリストDaiGo氏の謝罪動画も観たが、正直、私は「実態を知らなかった」という言い分も理解できる。私だって、自分がホームレスや生活保護受給者になる前は、偏見を持っていたからだ。

     

    「悔しくて悲しくて惨めで、だけどとても幸せだった生活保護受給者の話① ~正社員からいきなりホームレスに!!~」

     

    特殊な人がなるもの。自分とは関係ないこととして無関心だった。多くの人がそうなんじゃないだろうか。

     

    だけど、実際に母子自立支援施設に入居し、生活保護を受給してみて初めて、実態を知ることになった。

    村田さんの記事に中に

    「ホームレスだって、生活保護受給者だって、人それぞれで性格も環境も全く違う。大雑把にまとめてヘイトを煽るのは問題だ」

    とあるが、私も全く同感だ。私自身は子どもの病気がきっかけだったので、医師に言われた「3年間は生活保護受給をしても子どもの側にいなさい」との言葉に従った後、自立支援計画に沿って、3年後の就労を目指した。

     

    だけど、母子自立支援施設の中には、様々な人がいた。中には、恐らく詐病(精神疾患)で働けないと言い続け、ずっと生活保護受給をしている人もいた。

    一概に「ホームレス」「生活保護受給者」とくくれないのだ。

  • メンタリストDaiGoのホームレス・生活保護受給者差別問題|ホームレス取材の大御所村田らむが斬る

    メンタリストDaiGoのホームレス・生活保護受給者差別問題|ホームレス取材の大御所村田らむが斬る

    某有名人がYou Tubeにて、ホームレスと生活保護受給者に対して差別的な発言をしたとして、炎上騒ぎになっていた。
    問題の動画を見てみると、

    「僕は生活保護の人たちにお金を払うために税金をおさめているわけではない」

    「ホームレスの命はどうでもいい。どっちかというとホームレスっていないほうがよくない? 正直邪魔だしさ」

    などとなかなかえげつないことを話していた。もちろん
    「ひどいこと言うなあ」
    と思って眉をひそめたが、どこか類型的なありきたりな内容にも聞こえた。

    ホームレス

    テレビやYou Tubeの中ではこのようなヘイト発言はあまり聞かないが、リアルな社会ではこのような発言で溢れている。

     

    僕は20年以上前からホームレスを取材して、本も6冊出している。そのことを知った人に、

    「ホームレスなんて、あれは結局働きたくない、サボってる連中だろ? 取材して意味あるのか?」

    「昔だったら浮浪罪で捕まえられてたはずだ。みんな集めて処刑すればいいんだよ。今の法律は甘すぎるんだよ!!」

    などと酷い意見を聞かされたのは一度や二度ではない。

    尊敬を仰ぐ、有名な作家やイラストレーターからも言われたことがあった。

    ホームレス、家

  • 『ペットの安楽死』はタブー? ~治療費にどこまでお金をかけるべきかは、積極的に話し合うべき~

    『ペットの安楽死』はタブー? ~治療費にどこまでお金をかけるべきかは、積極的に話し合うべき~

    ペットを家族のように愛して飼っている人は少なくない。
    筆者の父親も猫を文字通り猫可愛がりしている。ちょっと不安になるほどだ。

     

    一人あたりがペットにかける金額は年々高額になっているという。
    今から40年くらい前、僕が小学校の頃にはペットはまだまだ雑に飼われていた。
    ご飯に味噌汁をかけた物を“ねこまんま”として猫が食べていた。よく考えたら不思議だ。猫はそもそも米を食わないし、味噌汁の塩分は腎臓の弱い猫には絶対に良くないだろう。ちなみに猫がねこまんまを食べるのは、味噌汁に魚の出汁が使われているからと言われている。今では、猫にねこまんまを食べさせているとツイートしたら、それだけで炎上しかねない。

     

    キャットフードもとても細かく分けられている。Amazonで軽く調べてみただけで、
    『1歳までの子ねこ用』
    『高齢猫用(11歳以上) 』
    『お腹の弱い愛猫に配慮』
    『歯石・プラークに関する特許取得成分配合』
    『グレインフリー 穀物 香料 着色料 不使用』
    と、とても丁寧なラインナップが並んでいる。

     

    昭和時代のうちの父だったら、
    「猫にこんな過保護な物食わせて、バカバカしい!!」
    って一笑に付したと思うが、令和の父は自分の食事よりも猫の餌に気を使っているようだ。

     

    ただし餌は比較的安価に購入することができるから、それほど問題はおきない。
    ペットを飼う上で最もお金がかかるのが、医療費である。
    人間と違い国民健康保険が使えないため、思ったよりも高額になりがちだ。

     

    ペットにも保険があり、年間1万5000円~4万円くらいの商品が多い。ペットの年齢が高くなっていくほど、保険料も高くなる。
    もちろん額が高いサービスのほうが、多くの治療費がカバーされる。
    ペットは自由診療であるため、病院によって値段に大きな開きがある。ある病院では5万円だった治療費が、別の病院では50万円だったという場案もある。

     

    腸炎で10万円、骨折で30万円、と人間の治療よりもはるかに高い値段になることが多い。保険に入っていたら、かなり値段は安く抑えられる。だが多くの人は保険に入らずにペットを飼っている。

  • 片づけができない・掃除ができない人は「ダメな人」じゃない!|「汚部屋」は掃除のプロに外注する!「家事代行サービス」利用のススメ

    片づけができない・掃除ができない人は「ダメな人」じゃない!|「汚部屋」は掃除のプロに外注する!「家事代行サービス」利用のススメ

    片づけができない・掃除ができない人はダメじゃない!自分で掃除する時代から、掃除のプロに任せる時代へ!

     

    ADHDとASDがある筆者の息子は、片づけが大キライである。もちろん、部屋の中は物が散乱しており、グチャグチャの状態が常だ。

     

    足の踏み場がなくなると、仕方なく物を整理する。だが、物を捨てられない性分のため、物が多すぎて、部屋の隅に重ねた物が滑って、通称「物雪崩」が起きる。「物雪崩」は、違う物の山に合流して、留まることを繰り返している。

     

    物が多いと、整理整頓が不十分で、触れたら崩れてしまう。そのため、手がつけられない物の山がいくつか存在する。

     

    息子は、自室に寝るスペースがなくなると、隣の部屋に寝室をかまえ、2つの部屋を我が物顔で使う状態である。息子の部屋からは、埃や小さいゴミが廊下に吹き出してくるため、母である筆者は仕方なく、息子の部屋を(たまに)片づけることがある。

     

    このように、家族に迷惑をかけながら生活している発達障害の人は、少なくないのではないだろうか?片づけが苦手という特性は、「発達障害あるある」の一つである。

     

    世の中に「片づけ」の実用本は山ほどあるが、うまく応用できない人もいる。片づけや掃除ができないことを、恥ずかしいと思わないでほしい!タレントの渡辺直美さんなど、多忙な人は、「家事代行サービス」を利用している。同じくタレントの千原ジュニアさんも、結婚前は仕事で留守中に家事代行に頼んでいたという。富裕層に至っては、自分で掃除などはせず、掃除用具すら家に置いていない人もいる (サービスを受ける際に業者に持ってきてもらう)。自分で汚した部屋を自分で掃除しなくたって恥ずかしくないのです。

    掃除用具

    このコラムでは、片づけや掃除が嫌い、または苦手な人に知ってほしい「家事代行サービス」の便利さをご紹介したい。片づけ・掃除ができない理由を、ADHD女性当事者2名に聞いてみた。

     

    ・掃除の仕方が分からない。掃除機・床拭きなどの説明を受けても、物を移動するスペースがないため、どこから手をつけていいのか分からない

    ・掃除をしなくてはいけないレベルがよく分からない

    ・物を捨てたくない。思い切って捨てようと思うと、精神的に気持ちが落ち込む。体が動かなくなる

    ・ハウスダストアレルギーがあり、物を移動すると咳込んだり、肌に湿疹ができたりする。健康状態が悪くなるためできない

    など、掃除ができない理由は一つではない。そして、怠けていて、掃除や片づけをしないのではないことが分かる。当事者の中には、幼い頃に親に片づけを強要されて、傷ついたことから片づけがトラウマとなり、今も一人では片づけができない深刻な問題も抱えている人もいる。

     

    女性、泣き顔

  • 47歳フリーランスライター独身男。「家を買うべき?」「借家に住み続けるべき?」最終結論。

    47歳フリーランスライター独身男。「家を買うべき?」「借家に住み続けるべき?」最終結論。

    わたくしごとだが、昨年東京都の東村山市にマンションを購入した。築40年の3DK駐車場、トランクルームつきの物件だ。
    現在、一人でこのマンションに住んでいる。

     

    僕は22歳で上京して47歳まで、ずっとフリーランスで借家暮らしだった。アパートで生活していて特に大きな問題はなかったのだが、不満点はいくつかあった。

     

    まず単純にお金がもったいない。
    25年間の家賃の平均は月8万くらいだが、単純計算で25年で2500万円ほど使ったことになる。もし持ち家で仕事をしていたら、2500万円の貯金ができていたわけだから(もちろん計算の上では、だが)、やっぱり惜しい気がした。

     

    例えば今から30年後に死ぬとしたら、3000万円ほどかかるわけで、もちろん
    「もったいない」
    という気持ちもあるし、月8万円稼げなくなったらどうしよう? という不安もある。

     

     

    今後年齢を重ねていくと、「引っ越したい」と思っても、なかなか引っ越せなくなる可能性もあるなあと思った。

     

    両親が高齢化してくると保証人になれなくなる。現在は比較的簡単に、代行サービスで保証人を見つけることができるとも聞くが、それでも気がかりではある。
    審査もなかなか通らなくなるかもしれない。

     

    ただ将来の住環境に、大きな不安が募っていたのか? というとそうでもなかった。ややメランコリックな気分の日に、ぼんやりと考えることもある……くらいの感じだった。

  • 「その沼入るべからず —CASE4#布おむつ」|紙おむつで育つと反抗的で反社会的な性格になる?!

    「その沼入るべからず —CASE4#布おむつ」|紙おむつで育つと反抗的で反社会的な性格になる?!

    出産、育児、健康法。女性の生活まわりにあるさまざまな情報の中には、ハマるとヤバいものがたくさん⁉ 山田ノジルが独自の視点で突っ込みつつ、沼の注意点をお届けしていきます。

     

    Case4 布おむつ

    「赤ちゃんがかわいそう」。子供に使い捨てタイプの紙おむつを使っていると、久しぶりに会った元職場の先輩からこう言われた。話を聞けば「石油化学製品である紙おむつは、赤ちゃんの肌に負担」「赤ちゃんのデリケートな肌には、綿100%である布おむつが一番」なんだとか。「おしりサラサラで気持ちいい」なんてCMをそのまま信じてしまっていたのが恥ずかしくなり、もっと子供の健康を真剣に考えなくてはいけない……と考えるようになった。

     

    紙おむつは成分の問題のほか「地球にやさしくない」と指摘されているのは、自分の体験からも納得できる。初めて紙おむつを使って驚いたのは、毎日出るゴミの量だったからだ。たまに手伝いにきてくれる実母も「布おむつの時代は、こんなゴミ出なかったのに……」ってつぶやいていたなあ。子供たちの未来のために、私たちが今できることを、ひとつひとつやらなくてはいけない。

     

    布おむつを始めるには、おむつカバーやつけおきするための容器など、多少の初期投資は必要だけど、繰り返し使えるから紙おむつと比べれば圧倒的に経済的。おむつが必要なくなったら、お下がりしたり布ナプキンにリメイクしたり、最後は掃除に使えばパーフェクト! そして何より魅力的なのは「おむつ外れが早くなる」「快・不快のメリハリが大きいから、情緒面の発達も豊かになる」「おむつ替えの頻度が高くなるので、親子のコミュニケーションになる」というポイント。知れば知るほど、いいことばかり。洗濯はちょっと大変そうだけど、子供のために、楽しみながらがんばろう。

    おむつ,赤ちゃん

    *******

    「信者」と揶揄されるレベルに布おむつを信奉している人は、こんな感じで自然派育児の沼にはまっていくのでしょう。環境にいい・経済的だという点は間違っていませんが、そのほかは、そう言い切るには疑問が残るような、根拠の薄い言説です。

  • 幼い頃の虐待の記憶を引きずるサバイバーたち|後天的な発達障害とは?愛着障害で摂食障害だったわが子

    幼い頃の虐待の記憶を引きずるサバイバーたち|後天的な発達障害とは?愛着障害で摂食障害だったわが子

    筆者と現在8歳の息子は、1歳から2歳の間、元夫の暴力によって引き離された。元夫にネグレクトされた息子はその結果、反応性愛着障害にかかってしまった。裁判を通じて、2歳のときに母である筆者のもとに戻ってきた息子は、まるで別人になっていた。

    虐待,子ども
    取り戻した息子の体には無数の傷やあざがあった

     

    息子は0歳から1歳の間は乳幼児健診で、問題を指摘されるわけでもなく、ごく普通の子として育った。

    笑顔,赤ちゃん

     

    反応性愛着障害は、ネグレクトや虐待、不適切な養育環境などにより、特定の大人との愛着形成に失敗するとかかる疾患だ。誤解しないでもらいたいのは、「特定の大人」とは、実の母親とは限らない。それが実父でもいいし、祖父母でもいい。日本ではあまり里子は一般的ではないが、安定した愛着関係を形成できるならば、どんな大人でもいいのだ。

     

    里子大国のアメリカやカナダでは、問題となっている疾患の一つだ。実の親に虐待されて育った子は、里親の元でも問題行動を起こし、引き受けが難しい。

     

    不適切な養育環境で育った子は、人との距離の取り方が分からなかったり、精神的にも不安定なったりする。その症状は発達障害(特にADHD)とそっくりだ。専門家でも見分けがつかないという。その当時、医師から言われたのは「3つ子の魂100までも。0歳から1歳までは、お母さんに育てられている。今はまだ2歳。3歳までに愛着形成ができれば、この子が将来的に問題を抱えることはない」だった。

     

    医師から3年は働かずに生活保護を受け、一緒にいるよう言われた筆者は、仕事をやめた。

  • 新興宗教二世信者が天真爛漫に勧誘する現実|『信仰の自由』は誰のためにある?

    新興宗教二世信者が天真爛漫に勧誘する現実|『信仰の自由』は誰のためにある?

    前回、新興宗教の二世信者が虐待されているという話を書いた。

    『ベルトでぶたれる』『自由恋愛絶対禁止』『親子でも会話は厳禁』虐待・人権侵害をされる新興宗教二世たち

     

    テレビなどのメディアでは「親子げんかの1パターン」として、比較的ほのぼのとしたトーンで取り上げられることがあると示した。
    カルト新聞の藤倉善郎さんから、二世信者の話を聞くうちに、僕自身が取材の過程で出会った二世信者のことを思い出した。

     

    今回は、思い出を中心に語りたいと思う。

     

    僕が潜入した宗教団体の中で、最もカルト的な団体は、オウム真理教の後継団体だと思う。地下鉄サリン事件などが発生してから、ちょうど10年目に潜入することになった。今から15年前だ。
    オウム真理教の一番の特徴は『修行』だ。それは、後継団体もしっかりと引き継いでいた。道場は住宅街の普通の一軒家だったが、広い地下室があった。そこに信者たちが集まり、修行をする。

     

    修行は
    「大音量の音楽がかかる中、1時間五体投地をする」
    「夜の公園を経行(きんひん、速歩き)をする」
    というような大勢で行うものもあったが、基本的にはめいめいが自分で目標を決めて、勝手に修行をした。学習塾というよりは、自習室で勉強をするような感じだった。

     

    事件当時から信者だった人もいたし、事件後新たに信者になった人もいた。予想以上に新たに信者になっている人は多かった。
    ただ、自分の子供を連れてきているという人はあまりいなかった。当時の代表だった、上祐史浩氏が演説をする時に、子連れで来ている人がいた。ただ子供がたくさんいるという感じではなかった。

  • 8050問題|福祉につながらない「ひきこもり」たち。母親の死を目の前に立ち尽くすことしかできなかった50代男性

    8050問題|福祉につながらない「ひきこもり」たち。母親の死を目の前に立ち尽くすことしかできなかった50代男性

    8050問題,食事する母子

    筆者の住む地域の、教育相談所の電話・メール相談の中で多いものは、30代以上の成人した子どもを持つ親からのものだという。教育相談所というと、児童などの教育に困っている親が相談しに行く場所のように思える。筆者も、発達障害がある息子が小学校のときに、2年間、相談やカウンセリングで利用したことがある。

     

    「あなたに必要な支援はこれですよ」と押し付けない程度に、他の福祉サービスや関わるべき医療機関を勧めてくれる。簡単にいうと、親切で、知識をくれる場所である。

     

    教育相談所の相談者の中にはリピーターが多く、何年も相談を続けている親もいるという。子どもがどんどん成長して、成人してしまうため、30代以上の子どもを持つ親となってしまう。電話やメールで、福祉相談員と繋がっているだけでも、安心であるし心強い。教育相談所では、「自分のダメな育児を怒られるんじゃないか」と心配する人もいる。だが、怒られるどころか「お一人で子育てを頑張ってきたんですね」と労ってくれる相談員もいる。発達障害がある子どもに振り回されて、メンタルが弱っている親には、これが殺し文句として刺さってしまう。心地よい一刺しなので、ワンオペ育児で悩んでいる方は、ぜひ刺されに行って欲しい。

    スマートフォン

     

    逆に、いわゆる「8050問題」状態になっていたが、福祉と繋がらなかった、知人男性のケースをお伝えしたい。「8050問題」とは、80代の親が、50代の子どもの生活を支える家庭や、そこに派生する様々な問題を指す。将来の不安・扱いにくい子どもとの親子関係の悪化・経済的な問題などで、共倒れになりそうな深刻な状態にある家庭が多くある。ひきこもりの成人した子どもを、経済的に親が支えられる、裕福な家庭もある。

     

    福祉と繋がって支援を受けたいか、そうでないかは、個人の自由選択だ。福祉と繋がらないことを、否定するものではないことを前提にお読みいただきたい。

     

    知人は、Nさんという50代男性だ。幼いときから、母親と二人暮らしで、母親は洋服の縫製の仕事をしていた。アニメ「ド根性カエルの主人公」ひろしの母親のイメージといってもいい。母はよく働き、女手一つで、Nさんを育てた。

     

    父親がいないことで、母親は何度か再婚を考えた。だが、子ども(Nさん)が気難しい子であるため諦めていた。Nさんは、コミュニケーションが苦手で、人と関わることがうまくできないタイプである。若いときから、雑談など、余計な話はしない人だった。

     

    成人しても就職はせずに、内職程度の簡単な作業であるが、母親の仕事を手伝っていた。それで、就職しないでいることを許してもらっていたようだった。

  • 『ベルトでぶたれる』『自由恋愛絶対禁止』『親子でも会話は厳禁』虐待・人権侵害をされる新興宗教二世たち

    『ベルトでぶたれる』『自由恋愛絶対禁止』『親子でも会話は厳禁』虐待・人権侵害をされる新興宗教二世たち

    昨今、テレビなどのメディアで新興宗教の二世をネタにするのが、流行っているという。

    ここ数年出版社から、新興宗教の二世信者たちが自分たちの経験を手記や漫画の形で上梓するケースが増えていた。

    カルト宗教信じてました。』(彩図社)

    よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』(講談社)

    カルト村で生まれました。』(文藝春秋)

    カルト脱出記 エホバの証人元信者が語る25年間のすべて』(河出文庫)

    解毒 エホバの証人の洗脳から脱出したある女性の手記』(KADOKAWA)

    など話題になった作品も多い。
    おそらくそのような情勢に乗っかる形で、昨年Abema TVで新興宗教二世を扱った番組が作られた。
    そして、今年になってNHKで3本、別々の形で新興宗教二世問題を取り上げた番組が放映された。

    今回は独自の活動でカルト問題に取り組む、『やや日刊カルト新聞』の藤倉善郎さんにお話をうかがいつつ、新興宗教二世問題の難しさをうかがった。

    「メディアでは新興宗教と言いつつも、実際には『カルト団体』と言われる宗教団体の二世のみが取り上げられています。
    そんな危険な団体が巻き起こす問題を取り扱っているのに『感動ポルノのバラエティ番組』みたいになっている番組が目に付きました。結局、親子関係の問題に決着している場合が多いんです」