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  • コミケ参加者にみる発達障害者|個性豊かな人が集うマンガの祭典

    コミケ参加者にみる発達障害者|個性豊かな人が集うマンガの祭典

    発達障害の特性を持っている人は、どこの業界にも一定数存在するといいます。特に、マンガやアニメの祭典である「コミケット=通称コミケ」に参加する人は、発達障害がある人の割合が多いのではないか⁉と私は思っているのです。

    コミケについて少しご説明しますと、マンガやアニメの祭典である「コミケット=通称コミケ」は1975年第1回がはじまりで、2021年には第99回コミケ開催の予定でした。約100回近く開催しているイベントで、第1回開催から徐々に参加者を増やし、2019年の冬のコミケ開催期間は4日間、その累計動員数は75万人だったそうです。(animeteTimesより) 75万人というと、2015年の国勢調査による練馬区の人口72万人より少し多い数字に。驚きです。

     

    今回は、そんな個性が強すぎるおもしろいコミケ参加者たちの話をしていきます。

    コミケ会場

     

    発達障害がある息子を持つ母で漫画家の私が、初めてコミケに行ったのは15歳・中学3年生の冬コミ(12月下旬に開催するコミケ)でした。

    将来の夢がハッキリせず、毎日得意な絵を書いて、マンガ家になれたらいいな~とぼんやり考えていたときだった。

     

    コミケ会場には、プロも、絵のあまり上手ではないアマの人も、それぞれ自分の好きなマンガやアニメの同人誌を販売していて活気があった。15歳の私にはキラキラと輝いてみえたのでした。

     

    一緒に行った友人は「もう二度と行きたくない、変な人がいっぱいいてツライ」と言う。

     

    典型的なネルシャツをパンツにインして、重たそうなリュックに帽子という、今では誰もが知る典型的なオタクファッション。同じ格好の人ばかりの集団を目の当たりにした友人は異様な雰囲気を感じたといいます。

     

    トドメは、頭にバンダナをした一般参加者を誘導するボランティアの男性!トランシーバーをセカオワ的にかまえ、アニメのキャラクターになりきり、混雑の状況を事細かに交信している。それを目撃して、友人は一気に寒くなったというのです。

     

    私はというと、同人作家の先輩たちから絵のクオリティを学ぼうと、同人誌ばかり眺めていたため周りの人のことは気にならず。友人のように、バンダナセカオワくんを目の前で目撃したとしても、「はいはいコミケ名物ですもんね♡」と引かずに受け入れる。

     

    受け入れてしまう私が寛容なのではない。

    「♪踊る阿呆にみる阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々♪」と楽しんでいるだけなのです。

     

    マンガ家になりたいと思う私には、そこに集う人間の容姿はどうでもよい。大事なのは自分はどういう絵柄で、何を書いたらマンガ家になれるのか?という舵のきりかたを学ぶこと。流行りの絵などをリサーチしたいという一心でした。

     

    たくさんのクリエイター達に刺激されて、「私も絶対に漫画家になるぞ!」と勇気をもらったり、徐々に進路を決めていったのでした。

    しかし、マンガ家の道はそんなに甘くはない。とくに同人誌の世界は、想像していたよりも楽ではなく、大変なものであるとわかった。

    コミケ、かなしろにゃんこ。

    商業誌のように、読者が求めるものを自分で考えて戦略を練ることや、きらびやかな本づくりを目指すには、お金が無いとはじめられないのが同人誌だった。

     

    私は友人のサークルのお手伝いや、プロの漫画家の同人誌の売り子などをしていました。

     

    絵の上手な仲間は、丁寧に美しいマンガを書き、お金をかけて特殊印刷を施した表紙の本を作っていました。

     

    自分が好きな作品を書けることが同人誌の醍醐味ですが、本当に自由に好き勝手を書いた本はもちろん売れず在庫を抱えてしまう。

     

    同人誌であっても、売れる本にするために、同人作家もあの手この手を尽くす。

    人気があるアニメやまんが・ゲーム作品の二次創作まんがを手掛ける。

    魅力的な商品開発を行い、一年間で数千冊を何種類も完売させるなど、大手サークルとなっていくように、自分をプロデュースしていくのでした。

     

    コミケのたった1日間で、数百万円を稼いでしまう大手サークルの人気作家もいる。その陰でお金をかけて印刷した本が全く売れず、くり返し売れない本を出し続けた結果、印刷費の借金が膨れ上がる。印刷費返済のためにソープ嬢となった人もいる。

    私の友人は、カラー印刷にお金をかけすぎて、印刷代が返済できずに風俗嬢をはじめた。

     

    天然で明るくオシャレな人でしたが、破天荒な面があり、急に「あたしソープ嬢になるわ」と決めて働きだした。

     

    彼女は風俗嬢に適性があったようで、借金返済後もやめなかった。その後もカジノのディーラーをやったり、反社会的勢力とお付き合いしたりと、同人誌が原因で人生が狂ってしまったようにも見えた。が、本人はそういう人生を受け入れて楽しんでいるようだった。

     

    同人誌で借金をしてしまう人は意外といて、印刷費を借金している知人に話を聞いてみた。

    印刷費の返済のために、親に頭を下げて何百万を貸してもらった30代女性。借金が膨れ上がった経緯には見栄があるという。

     

    他のサークルよりも目立つ本を作りたい。同人誌では誰もやっていない特殊な印刷にチャレンジしたい。本だけではなくグッズも作りたい。みんなに「この本スゴイですね」と言われたいし、ライバルのサークルに勝ちたいという。

     

    同人誌をはじめたときからそのような気持ちでやっていたわけではなく、勝たなければならくなった、注目されなくなってまうとツライという理由があるという。

    いい作品を書いて、運よくどんどん売れる時期があると、次の年は大手サークル扱いになって周りからもコミケの準備会からも一目置かれる。

    サークルスペース(同人誌の売り場)も、壁沿いに配置されて本を購入する人で混雑しても、隣のサークルに迷惑がかからない広い場所を与えられる。この場所を目指して同人誌活動を続けている人もいて、通称、「壁サークル」になることを目標とするサークルも多いのではないか。

     

    「壁サークル」となると「大手サークル­­­=売れている同人作家」と認知される。嬉しいのだけれど、それは下剋上のはじまりなのです。

    コミケ、かなしろにゃんこ。

     

    コミケのたびに、壁のスペース配置されことを死守するため、読者を飽きさせない本作りをやめるわけにはいかなくなる。益々、印刷費の借金が膨らんでいく。豪華な装丁の本作りをやめることは敗北なのだそうで、見栄のために次々と新刊を出し自らを苦しめてしまう。

     

    もちろん多くの人は、印刷費を前払いで支払っているため、借金することはない。だけど、大手サークルだけは例外があり、後払いで受注する印刷所もある。

     

    印刷した同人誌の8割をコミケで販売しないと、赤字になる可能性がある。大手サークルが印刷する冊数は、3000部~10000部。印刷費も30万円~100万円など、部数・装丁によって異なる。

     

    コミケの開催時間10:00~16:00の間で、優秀な売り子(計算が早くおつりを渡すことが早い人)を複数人雇っても、売れる冊数は4000部程度だという。

    したがって、売れない本を数冊連続で作ってしまうと、大赤字になる。そのため、同人活動は一種ギャンブルであるといわれている。

     

    売れるものを作り続けるために、装丁にこだわって、本の中にまんががほとんどない同人誌もある。見せたいものがまんがではなくデザインになっている見栄っ張りな女性作家のサークルも存在する。

    金銭的な余裕がないのに、ブランド品を買いあさり、借金をしてしまう買い物依存の人に似ているのです。

     

    男性の大手サークルの同人作家に「男性は意外と堅実で、なるべくお金をかけずにまんがのクオリティで勝負なんですよ!」と教えてもらったことがある。

     

     

    書き手としてまんがを自費出版してサークル参加する人と、同人誌を買い求めに行く一般参加の人、アニメやゲームのキャラクターの衣装を身にまとうコスプレイヤーの3種類が一同に集まる祭典。総動員数だけ見ても世界トップの大イベントです。

     

    コミケは女性向け・男性向けの日に大きく分かれている。参加人数も開催日の中で多少異なり、男性の参加者が多い日は混雑しているのが特徴です。

     

    性別で分けているわけではないが、女性が好むまんがやアニメを題材とした2次創作サークルが多く参加する日は、ザックリと「女性向けの日」と呼ばれる。

     

    まんがやアニメ・ゲーム・オリジナル創作など、細かくカテゴライズされている。一般参加者は、事前にコミケのサイトで閲覧できる「コミケットカタログ」をチェックするのが通例。

     

    カタログには、各サークルが自分たちの活動の特色や、PRができる小さな絵が紹介されている。限られた時間・広い会場内で、お目当ての本を効率よく購入する、独自のマップを準備してコミケ当日を迎える。

     

    一日の動員数平均20万人のビッグイベントであるにもかかわらず、将棋倒しや乱闘など大きな事故が起きていない。そこも、私が「発達障害がある人の特性」が出ていると思うところです。

     

    コミケは、サークルの作家であっても、一般客であっても、同じコミケを支える参加者。開催期間中は、コミケを運営する準備会の定めるルールにのっとり行動する。

     

    一般参加者は、数万人の列となり、会場外の駐車場または敷地内などに、早朝から並び開催時間の10時までひたすら耐え忍ぶ。夏は炎天下と脱水症状、冬は東京湾から吹き込む海風とビル風の強風に耐える。お気に入りの同人誌を手に入れるためには、とても辛抱強い。

     

    コミケ参加者が、地域に散らかすゴミの問題や、通路などで座り込んでお店を広げる(戦利品を広げる行為)という問題がある。だけど、ゴミ問題は渋谷のハロウィン同様、多くの人が集まるイベント事にはつきものではないかと思う。

    コミケ、かなしろにゃんこ。

     

    人が大勢行き交う場所で、堂々と鞄の中の戦利品を広げる行為は、発達障害の特性にある「周りの目を気にしない」にあてはまる。

    それ以外にも参加者には、きちんと並ぶ・割り込みしない・押さない、トイレなどで並ぶ列から抜ける際は前後の人に声をかけて再び列に戻るなど、ルール化されていることは正しく守る特徴がある。

     

    開催時に事故や不祥事が起きると、オタクの祭典へのバッシングから、コミケが開催中止になる恐れがあるため、ルールを必ず守るスタイルを貫いているようにも見える。

    コミケ存続のためにも、自分たちの居場所は自分たちで守っている。

     

    中には、お目当てのサークルが出した本を、売り切れる前に手に入れたくて、禁止されている会場近くでの徹夜待機や、周りの人を突き飛ばして走ってしまうマナーの悪い人も、男女問わずいる。ですが、これは全体の数%。必ず手に入れたいという執着ゆえの行為で、周りが見えなくなっているのです。

     

    我が家のADHDとASD混合型の息子も、小学校のときはこのような行動があり、先生に注意を受けることがしばしば。

     

    私がコミケに参加する人に、発達障害がある人の割合が多いのではないかと思う理由は、他にもこんなことがある。

     

    優しいく善人が多いがコミュニケーションがとってもヘタで、多くの人が敬語だったりする。仲良くなっても敬語をやめない。

    自分の話や、大好きなマンガやアニメのキャラクターの話は、流暢に大声で早口でしゃべるが、自分が知らないマンガの話になると急に声が小さくなっておどおどする。

    また、話が終わらない!

    好きなマンガの話をはじめると、1時間近く話し込まれて、会話を終了してくれない。

    目と目を合わせて話せず、誰に話しかけているのかわからない。

     

    いつも大きな鞄を持ち歩いている。女性はオシャレで、着物や文科系ファッションから、ゴスロリまで華やかである。男性はファッションにこだわりがなく、みんな同じような格好である。

    そして男性はムダ毛処理や髭剃り、散髪など身だしなみが不十分な面がある。

    これらの特徴も発達障害がある人とどう見てもかぶる。

     

    また、発達障害がある人の中には意外と大胆なタイプがいる。芸能人やお笑い芸人など、専門家集団には発達障害の特性が見られるという。

     

    コスプレイヤーも大胆なタイプに分類されるのではないでしょうか?コミケ会場のコスプレ広場で、撮影会をメインでコスプレしている人もいれば、コスプレ姿で広い会場内を歩き回り、多くの人にコスプレを見てもらいたい人もいるという。

     

    コミケ、かなしろにゃんこ。

    私が18歳のとき「コミケで王子様⁉」と呼ぶのにふさわしいと思った男性は、役者のようだった。

    何のキャラクターのコスプレかはわからないが、白い革靴に白いスーツ。そして白いマントを羽織っていて、紫色のカツラをかぶっていた男性が、私の前から歩いてきた。

     

    「おもしろい人来た~」と白いマントの彼を見ていたときに、私はうっかり転んでしまった。

    次の瞬間、白いマントの彼が、私の前にひざまずき「大丈夫ですか?」と手を差し伸べてくれた。

    立ち上がった私に「お気をつけてマドモアゼル♡」と言うと、白いマントをバッサ―となびかせて(多分いつもよりも大きくなびかせたと思われる)、革靴をコツコツ鳴らして人混みに消えていったのです。

    紳士的なキャラクターになりきっていた様は見事で、「舞台役者さん?」と思わせる立ち振る舞いだったのです。

    「おもしろい人来た~」と思っていたのに、彼の優しさに感動して、私の中では「コミケの王子様」になりました♡

    次にお会いしたら「あのときはありがとうございました♡」と話しかけよう!と彼を探しましたが見つかりませんでした。きっとキャラ変したのでしょうね(違うコスプレに転身という意)…。

     

    このように、個性豊かな面々が集う場所ですが、これらは参加者の間では「コミケあるある」と言われる。オタクと呼ばれる人たちの間では、珍しい個性ではないかもしれません。

    このような見立てで、コミケ参加者と発達障害を結びつけるのは少々乱暴じゃないか?と思われる人もいるかもしれません。ですが、コミケ会場は個性が強い人ばかりで、定型発達者を探すほうが大変なのです。

     

    CiNii(NII学術情報ナビゲータ[サイニィ])人間関係学研究の中に中川祐志さんの論文

    で「アスペルガー症候群の教育支援に役立つ文化体系の考察、 一 オタク文化の一つであるコミックマーケッ トの体系から一」がある。

     

    オタクの特徴とASの特徴には、ネガティブ面とポジティブな面の両方に共通項がある。コ ミケの文化体系での空間と表現の場それぞれにおいて 、ASの特徴である「三つ組みの障害」や「感覚異性 」、 「ファンタジーへの没入傾向」を持つ者にとって依拠しやすく居場所となり得る可能性がある形態であるという結論が導き出された。

    と記されています。

    (三つ組みの障害=ASD(自閉症スペクトラム障害)だけではなくADHD(注意欠損多動性障害)やSLD(LD)も含まれる。)

     

    興味がある人は、こちらの論文も読んでみてはどうでしょうか。もちろん中川祐志さんは、オタクの文化的体系とAS的な特徴が、どのように関われるかを考察するものであり、オタク(コミケの参加者)=ASであるとは述べてはいません。ASの人を理解する材料として、支援の視点から考察しています。

     

    発達障害がある当事者で、オタク文化に精通していない人はたくさんいます。あくまでもマンガ・アニメ文化の活動を行うマイノリティの中での発見なのです。

     

    コミケに行っていた10代・20代の頃は、「発達障害がある人」という認識はしていませんでした。息子が生まれて、息子に発達障害があると分かってから、「発達障害がある人」の自助会や茶話会などに行くと「アレ!コミケの参加者のような人がいっぱいいるじゃない!」と感じたのです。なんだか懐かしい気持ちになって、話しかけてみると「マンガ好きですよ!アレとかコレとか」と作品名をいろいろ連呼して、マニアックな話を返してくれる。

     

    発達障害がある子(人)の特徴や特性を知れば知るほど、オタク文化の彼らと、同じにおいを感じてしまう瞬間があるのでした。

     

    日本のマンガ・アニメは、クールジャパンやジャパンカルチャーなどと呼ばれて、海外から注目されました。文化の土台を支えているのはオタクのみなさんですよね。その中に発達障害がある人もいる!経済の役に立っている!それがなんだか嬉しい。

     

    コロナ禍とオリンピックの影響でコミケ開催ができない・開催期間の縮小など大規模会場の確保や密の問題を乗り越えなければいけないなど、問題を抱えているコミケ。ですが100回、200回の開催を目指してほしいと思うのでした。

     

    次回は、絵の才能があるのに、気分障害で輝けない人のエピソードを紹介したいと思います。

     

  • 薬物依存症関連団体及び支援者ら、大麻使用罪創設に反対声明| 『ダメ。ゼッタイ。』が支援を遠ざける

    薬物依存症関連団体及び支援者ら、大麻使用罪創設に反対声明| 『ダメ。ゼッタイ。』が支援を遠ざける

    厚生労働省が立ち上げた「大麻等の薬物対策のあり方検討会」において、『大麻使用罪』の創設が議論されていることをご存知だろうか?

     

    大麻は違法薬物のひとつではあるが、栽培や所持を禁じる一方、使用については罰則がない。端的にいうと現在の日本の法律では、大麻の使用そのものは罪に問われないのである。

     

    が、同省では、若年層の大麻使用の拡大を懸念し、現行では罪には問われない「使用」についても罰則を設けることを検討している。

     

    これを受け、6月2日、薬物依存症関連団体や薬物の依存症当事者及び家族を支援する団体が、『大麻使用罪』創設に反対する声明を発表した。

     

    会見には、薬物依存から回復した当事者、当事者のご家族も出席し、反対の声をあげた。

    大麻使用罪創設反対記者会見

     

    あいである広場では、これまでも様々な依存症について取り上げてきた。

    当事者やご家族の体験を交えながらの訴えは、非常に考えさせられるものであった。

     

    「薬物依存症の背景には、様々な生きづらさがあります」そう話したのは、関西薬物依存症家族の会代表の山口勉さんだ。

    山口さんの長男は、過去に大麻や危険ドラッグの使用歴がある。

    「私は親として、彼の薬をやめさせようと躍起になりました。それでも、薬をやめようとしない息子を犯罪者扱いして、監視して、恨み、憎み、蔑み、罵声を浴びせる日々が続きました」

    最終的には、一緒に死のうとまで思いつめたと話す山口さんだが、それでも外部に助けを求めることはできなかった。息子が薬物依存症であることを、他人に知られてはいけないと思っていたからだ。

     

    『ダメ。ゼッタイ。』のスティグマが支援を遅らせたのだ。

     

    その後、どうにか、自助グループに繋がり、長男も山口さんも救われた。この時、山口さんは、薬物依存症が病気であるということを知る。

     

    広く知られるところではないが、依存症は脳の病気である。にも関わらず、本人の意思の弱さや性格の問題であるとみなされ、偏見や差別の対象となりやすい。

    こうした背景により、支援へと繋がりにくいのが現状だ。

     

    発達障害や統合失調症などの生きづらさから、薬物依存症に陥るケースも少なくはないという。「だからこそ、治療や支援が必要だと心底感じています。『回復できるんだ』というメッセージが伝わる社会になってほしい」と訴えた。

     

    関西薬物依存症家族の会」は主に関西地方で活動する、当事者家族を支援する団体だ。薬物依存症の誤解や偏見を払拭し、正しい知識や支援に繋げるための発信も行っている。

    定期的に開催されるオンラインミーティングは、匿名での参加も可能だ。すべての秘密は厳守され、違法薬物の問題でも通報されることはない。誰にも相談できず、苦しんでいる方、このような支援団体があることを頭の片隅に留めておいてほしい。

    大麻使用罪創設反対記者会見

     

    「処罰ではなく、依存症当事者の背景にある問題や生きづらさに目を向けた支援が必要。厳罰が予防として効果的であるとは考え難い」

    そう訴えるのは、薬物依存症から回復した当事者であり、依存症支援団体ASK(アスク)の社会対策部薬物部門の担当を務める風間暁さんだ。風間さんは日本最年少の保護司でもある。

    風間さんの過去はひとことでいえば壮絶だ。幼少期から日常的な虐待を受け、親の起こした犯罪により、加害者家族として社会から排除された。

     

    そんな彼女を唯一受け入れてくれたが、非行グループだった。そこで薬物を覚え、辛い現実から逃れるため、毎日をなんとか生き抜くために薬物の使用を続ける。周りの大人たちは、彼女を強く非難し、彼女は却って薬物へとのめり込んだ。

     

    適切な医療に係る必要があるが、通報されるかもしれないと考えると病院へ行くことはできなかった。未成年である以上、親が介入してくることを避けることはできない。ふたたび、親に罵声を浴びせられることを考えると足がすくんだ。

     

    薬物の過剰摂取で救急搬送されたことにより医療へと、そして福祉へと繋がり、そこで回復を目指す仲間たちと出会う。

     

    「福祉や医療の支援が充実しても恐れや不安がある以上、薬物を使用している本人が、能動的に援助を求めることは難しい。当事者が回復したいと思った時に、回復に専念できる居場所が必要です。けれど、犯罪者というレッテルが邪魔をする。厳罰化は予防として効果的であるとは到底言えません。法による厳しい取り締まりではなく、ソーシャルワークで薬物問題を取り扱っていくべきだと考えます。それが大麻使用罪に反対する理由です」

    大麻使用罪創設反対記者会見当事者の立場から声をあげた風間暁さん。

     

    彼女の襟についている青いピンバッジに注目してほしい。これは、依存症啓発への支援・賛同を表す「アウェアネスシンボルマーク」だ。

     

    今日日、薬物だけでなく、ギャンブルやゲームを始め、様々なアディクションに悩まされている人は少なくない。私自身もアルコール依存、処方薬依存から回復したひとりだ。

     

    大麻を厳罰化することで、仮に大麻の使用をやめたとしても依存症自体が回復するわけではない。依存対象が変わるだけだ。アルコール・処方薬依存で命を落とした友人もいる。

     

    大麻厳罰化に本当に意味があるのか?厳罰化の前に社会を変えていくべきではないのか?ならば、どのように社会を変えていけばいいのか?自分にできることは何かあるか?

     

    今回の会見は、依存症当事者としても今一度、依存症について考える機会となった。

     

    大麻使用罪創設、賛成にしろ反対にしろ、みなさんにも考えてみてほしい。

     

    風間さんは会見で「薬物に逃げるしか生きる方法がなかった。薬物がなくても生きていける環境にしてほしかった。助けてほしかった」と当時を振り返り、「福祉に繋がり、同じように回復を目指す仲間たちに救われた。20年間ずっとひとりで我慢してきて、はじめて辛かったと感じることができた。

     

    もしもあの時、厳しい罰を受けていたら、生きることを諦めていたかもしれない。福祉や医療従事者、仲間たちのおかげで今日も薬物を使わずに生きることができています。捕まるのが嫌でやめているのではなく、自分のことを大切にしてくれるみんなと、これからも健康に生きていきたいから使用しないという選択をしている」と語られていた。

     

    風間さんは「特定非営利活動法人ASK(アスク)」で、社会対策部薬物部門担当を務める他、様々な社会問題に取り組む「一般社団法人スワローポケット」の代表理事も務めている。東京都江戸川区篠崎にある社会的包摂カフェごちゃまぜcafeメム」のオーナーでもある。

     

    過去に依存症から救われた彼女が、今は、依存症を始め、生きづらさや様々な問題を抱える人たちに寄り添う活動を広く行っている。多くの人が彼女によって、救われたことだろう。あいである広場では、今後も彼女のこうした活動に注目していきたい。

    大麻使用罪創設反対記者会見
    本会見では、専門家の立場からも「犯罪であるということで、思考停止してしまう。体に害があるとしても、相談できず、医療機関にもかかれず、相談のハードルが上がる」「厳罰化で社会から排除されることを恐れ、助けを求めることができない。処罰されたら社会的に孤立させられ、仕事に就けないという状況に置かれる。そういった苦痛を紛らわすために益々依存にのめり込む」などといった声が上がった。

    「私たちは大麻使用罪の創設に反対します!」とされた声明文は、14の関連団体、141名の連名で厚生労働省に提出された。

  • おうち時間はYouTubeで充実させよう。絶対オススメなチャンネル5本を紹介!!

    おうち時間はYouTubeで充実させよう。絶対オススメなチャンネル5本を紹介!!

    コロナ禍も1年をゆうに超え、相変わらずおうち時間が続いている人もいるだろう。

    ネットフリックスアマゾンプライムなどのサブスクリプションのサービスで映画やドラマなどを見ている人も多いと思う。個人的には一番、よく使っているサービスは先日、あいである広場でも紹介したAudibleと、YouTubeだ。

    Audibleの最大の難点は作品量の少なさだと書いたが、逆にYouTubeはチャンネル数の多さが問題である。つまり

    「数が多すぎてどれを見たら良いか分からない」

    のである。

    というわけで四の五の言わずに、絶対オススメのチャンネルを5つ+1つ紹介したい。

    『山田五郎 オトナの教養講座』

    テレビでおなじみの元祖サブカル山田五郎さんが、美術の解説をしてくれるチャンネル。ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ドラクロワ、とよく知る画家の、よく知らない側面を知ることができる。軽快な語り口なのに、気づいたら泣きそうになっていることもある。
    ゴッホの悪い奴じゃないんだけどすごい困った人な話と、ドガの100年以上先取りした変態っぷりの話は、何度も繰り返し聞いてしまう。

  • 本当の強さとは何か|人として空手家として 生きづらさを抱える人に寄り添いたい

    本当の強さとは何か|人として空手家として 生きづらさを抱える人に寄り添いたい

    空手家で柔道整復師でもある大ちゃん。大ちゃんは、高齢者の機能訓練のトレーニング指導や、QOL向上のためのサポート、フリーの整体師として出張で施術を行う他、空手指導や運動指導、空手大会での審判員を務めるなど幅広い活動を行なっている。

    大ちゃん、整体師
    今回は、大ちゃんの中学時代から現在までのお話。4月より開講した空手教室についてのお話も伺った。前編もあわせてお読みいただければ幸いだ。

     

    中学3年次。秋田県大会で念願の優勝!

    県下一の強豪校に進学。大学では国体選手に

     

    「僕が入学した中学には空手部がありませんでした。それで、当時野球ゲームにハマっていたのもあって、中学では野球部に入部しました」

     

    あれだけ球技に苦手意識を持っていた大ちゃんが、野球部に入部するとは。人間変われば変わるものである。夜の20時まで野球の練習、その後、道場で23時まで空手の稽古。それが大ちゃんの中学時代の日課となった。

     

    「球技はやっぱりダメダメですね。野球も全く上達しませんでした(笑)」レギュラーになることもなく、打席に立つこともなく。それでも大ちゃんは、3年間野球を続ける。「空手の大会にも出場はしていました。でも、運動音痴だからいつも試合は一回戦け。2年生になってようやく勝てるようになってきました」勝ち負けより前に、空手も野球もとにかく楽しむ。それが大ちゃん流だ。

     

    そんな大ちゃんだが、2年生の秋に出場した県大会で、なんと3位という好成績を収める。

     

    「まさか入賞できるとは思ってもいませんでした。僕は小5で空手を始めたので、この時はまだ5級。県大会で入賞するレベルとなると、皆、黒帯です。周りの僕を見る目が一気に変わったのがわかりました」

     

    そこからメキメキと頭角を現し、中学3年次に出場した県大会ではついに優勝を果たす。この時の試合でも、対戦相手はもちろん皆黒帯。唯一黒帯を締めていない選手の優勝に会場は騒めく。それにしても、この急成長ぶり。いったい何がどうなっているのか。

     

    「野球のおかげですね。これまで、あまり運動をしてこなかったので、基礎的な体力が足りていなかったんだと思います。野球部では声出しをしたり、走り込みをしたり、みっちりと鍛えられました」

     

    苦手な球技。それでも打ち込んだ野球。最後までレギュラー入りすることはなくとも、彼にとって野球部での経験は大きな財産となった。この大会で、話題をさらった大ちゃんは、秋田県下一の空手強豪校に進学することとなる。

     

    「ここからが大変でした。先輩方ももちろん強いし、同期に一人強い選手がいて、ずっとその下に埋もれて。2年になるまで殆ど大会には出られませんでした」

     

    実は、この選手、大ちゃんが優勝を果たした県大会の優勝候補。くだんの大会は、怪我で欠場していたのだそう。

     

    「あの大会に彼が出場していたら、優勝はありませんでした。県下一の強豪校ですから、選手のレベルが高くて、レギュラー入りできたのは2年生の秋でした」

     

    高校2年次の冬には全国選抜に、3年次はインターハイに出場。インターハイでは、初戦で優勝候補にあたり、一回戦負けするもスコア的にはギリギリの接戦。「もっと強くなりたい。上の世界に行ってみたいと思いました」大ちゃんは、国体の選手要員としてスポーツ推薦で大学に進学する。

     

    大学時代はさらにレベルの高い選手たちと切磋琢磨し、国体選手として活躍するまでになった。

    大ちゃん、整体師

  • ラブドール・リアルドールに癒やされる人たちとは?| 障害を持つ子の母から感謝状も

    ラブドール・リアルドールに癒やされる人たちとは?| 障害を持つ子の母から感謝状も

    ラブドール、リアルドールと呼ばれる商品がある。年配の人にとっては、ダッチワイフと言ったほうが伝わるかもしれない。南極1号という製品名がを覚えている人もいるだろう。

    ラブドールとは等身大の女性を模した人形のことであり、擬似的な性交に使用される場合もある商品だ。昔のいわゆるダッチワイフの多くは風船で作られており、なんとも安っぽい代物だった。

    だが現在のラブドールはシリコーンなどの素材で作られた非常にリアルな商品であり、芸術的でさえある商品になっている。
    ただいくら芸術的だと言ったってしょせんは「性具」じゃないか、と眉をひそめる人もいるだろう。

     

    しかし、大阪でラブドールのショールームを開いていたこともあるB・カシワギさんは、

    「ラブドールは単なる性具ではなく、心を癒やす力もあると思います」

    と語る。大阪でお話を伺った。

    B・カシワギさん
    B・カシワギさん

     

    「今は中国でラブドール人気が高まっています。日本製が80万円くらいが相場ですが、中国製だと10~50万円くらいになります」

    そもそもラブドールはかなり高額の商品だ。安い商品になると、ゴムやフレーム金属の質が下がったり、指の関節など細かい部分の作りこみが荒くなる。そういった安い商品が出回ったおかげで、気軽に買う層は増えた。

     

    「実はラブドールを性具として頻繁に使う人はあまり多くありません。理由としては、端的に掃除が面倒くさいというのがありますし、性具として使うと劣化してしまうというのもあります」

     

    中国のあるリアルドールメーカーは、そもそもSF映画の小道具を作っていた会社で、ドールも非常に精巧にできている。
    だがその代わり過度な実用にはあまり向いておらず、性具として使用すると塗装が剥がれたりする。

     

    「実際には、ドールには好きな服を着せたり、写真を撮るのが第一目的の人が多いですね。」

    もともとは小さいドール(バービー人形など)で着せ替え遊びをしていた人が、大きいドールに乗り換えたというケースも少なくない。つまり人形遊びの延長線だ。

     

    「ドールに自己投影をしているんですね。ドールをパラレルワールドの自分として扱っている人も多いと思います。またドールと添い寝をしている人も多いです」

     

  • 『無人島漂着100日日記』ブックレビュー|自宅にいながら不思議な島を探検できる!

    『無人島漂着100日日記』ブックレビュー|自宅にいながら不思議な島を探検できる!

    新型コロナウィルスはなかなか収まらず、なかなか街に繰り出したり、旅行に出かけたりしづらい環境になっている。
    ゴールデンウィークもどこへも出かけられず、かえってストレスがたまったという人が多いのではないだろうか?

     

    そんな人にオススメしたいのが今回の一冊だ。箱庭系のイラストを描かれているgozzさんの画集である。画集と言っても、きちんとストーリーがある。

     

    無人島漂着100日日記,表紙

    不思議な島にたどりついた記憶を失った主人公が、その島から脱出するまでの物語が綴られている。

    世界を場面ごとに四角い立方体で切り抜いたような、非常に面白い描かれ方がされている。絵心のある人なら、思わず真似をして描きたくなってしまうかもしれない。

     

    細かいところまでとても丁寧に描かれていて、拡大して眺めたりしているうちに思わず時間が経つのを忘れてしまった。

     

    主人公の様子が俯瞰的にわかるが、同時に地下などに何かが隠れているのかも知ることができる。主人公は気づかないが、この島にはとても大きな秘密があることが徐々に分かってくる。

     

    無人島漂流モノとして外せない「水や食べ物の獲得」「家屋を建てる」「イカダの製作」などの要素はもちろんある。

     

    それと同時に、神秘的な巨大な生物との出会いや、戦いも繰り広げられる。
    そしてアナザーストーリーでは、主人公の目線以外でこの島の秘密が語られ、意外な真実が明かされる。非常に深みのある凝った作りの作品だった。

     

    読み終わった時には、本当に冒険し終わった後のような心地よいグッタリした気持ちになった。

     

    春の風に吹かれながら、自宅で冒険気分を味わってみてはいかがだろうか?

     

         

  • 『朗読サービスで情報を手に入れる』大きなメリットと小さなデメリット

    『朗読サービスで情報を手に入れる』大きなメリットと小さなデメリット

    僕の欠点の1つに『読むのが遅い』というのがある。それ以外にも『背が低い』『歌が下手』『足が遅い』など欠点はいくらでもあるのだが、幸いなことにライター業にはあまり関係がない。ただ、本を読むスピードが遅いのは、結構困ることが多い。

     

    僕が本を読むスピードは、だいたい音読するのと同じか、それよりはやや早い程度だ。がんばれば少しは早くなるが、すぐに疲れてしまうし頭に入ってこなくなる。最近では、加齢で目も悪くなったためますます読書スピードは落ちている。

     

    仕事がら、インタビューする方の著作を読んだり、ルポ執筆の下調べの本を読んだりと、読まなければならない本がたくさんある。
    だから個人的に読みたい本はどうしても後回しになる。
    リアル書籍も電子書籍も積ん読が溜まっていて、おそらく死ぬまでに消化できないんじゃないかと危惧している。

     

    そんな状況ではあるがそれでもやっぱり読書はしたいと思い取り入れているのが『朗読サービス』だ。

    本の朗読サービスは、かなり昔からあった。個人的には、NHKラジオ第1放送で放送されていた『私の本棚』という番組が懐かしい。
    文芸作品やエッセイをアナウンサーらが読む番組で、昭和24年から59年に渡って放送されていた。小学校の頃たまたま聞いた、向田邦子のエッセイが面白くて、ずいぶんハマって読んでいたのを覚えている。

     

    テープレコーダー、CDと音声メディアでも朗読モノは発売されていた。松本清張の『張込み』や『天城越え』を『刑事コロンボ』の声優でおなじみの小池朝雄が朗読していたり、筒井康隆の『熊の木本線』を『紅の豚』の森山周一郎が朗読していたのを覚えている。

    そして現在、僕が利用している朗読サービスは『Audible』だ。Amazon上で利用することができる、ネット上のサービスだ。

     

    Audible』に入会すると、月額1500円の会費で毎月1コインが支給される。1コインで好きなオーディオブックを買って聞くことができる。コインが0もしくは1の状態ならば、追加で1枚1200円で3枚まで購入することができる。直接、定価でオーディオブックを購入することもできるが、これはずいぶん高くつく。

     

    単行本1冊1200円~1500円と考えると、少々高いように感じるかもしれない。たとえば、ミヒャエル・エンデの『モモ』は新書版、電子書籍版が880円だから確かに少々割高になる。

    ただ、『モモ』の再生時間は12時間46分と長いため、実際に利用していると
    「割高だなあ……」
    とはあまり思わない。

     

    12時間は短いほうだ。20時間を超える作品も少なくない。
    ちなみに『モモ』の朗読は、『名探偵コナン』の声優でおなじみの高山みなみが担当している。

    ちなみに無料で聞くことができるコンテンツもあるので、とりあえず聞いてみてから考えるのが良いかもしれない。

     

    では、ここからは『朗読サービス』の良い点、あまり良くない点、について考えていきたいと思う。

     

    まずは良い点。
    朗読サービスは基本的には「ながら」で利用することが多い。個人的には、漫画の執筆をしている時が最も良く使う。朗読サービスを聞きながら、『下描き~ペン入れ~スクリーントーン貼り』の作業をする。毎月、一週間程度はこの作業に追われるため、数冊のオーディオブックを聞き終える。
    また最近、ダイエットのためにウォーキングをしているのだが、歩きながら聞いている。楽しく歩くことができてとても良い。
    料理をしたり、食事をしたり、風呂に入っている時にも聞くことがある。
    マルチタスクで作業ができているから、時間の節約になっている。
    ただこれは、僕が『本を読むのが遅い』という欠点があるからだとも言える。速読ができるような人だったら、朗読サービスなんてかったるいと思うかもしれない。

     

    そして次にあまり良くないと思う点を上げていく。
    まず最大の欠点は、作品の数が圧倒的に少ないことだ。これはオーディオブックの製作の手間を考えれば仕方がないことだとも言える。基本的には「ベストセラー作品と、古典的作品がちょこちょこある」という感じだ。もちろん、人気作品でもオーディオブックになっていない作品の方が圧倒的に多い。
    電子書籍と比較したら、1000分の1以下の作品量だと思う。だからよりどりみどり、というわけにはいかないのがつらいところだ。

     

    海外SFもオーディオブックで聞きたいのに、フィリップ・K・ディックの作品が揃っているくらいで他にはほとんどなくてがっかりする。また海外版では、スティーブン・キングの作品が多数あるのに、日本版がないので歯噛みをしたりもする。

     

    逆に僕にとっては全く興味がない分野である『ビジネス・キャリア』『自己啓発・人間関係・子育て』は、小説よりは充実しているようだ。

     

    2021年5月20日の夜に人気ランキングを見てみると、

    1位『転生したらスライムだった件 1
    (現在無料で読めるキャンペーン中)
    2位『嫌われる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教え
    3位『1%の努力
    4位『人は話し方が9割
    5位『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る
    6位『夢をかなえるゾウ
    7位『幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII
    8位『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代
    9位『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣
    10位『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

    とこんな感じになっている。
    意識高い系の人が聞きそうな、ラインナップがとても強いのが分かる。
    僕は意識低い系なので、娯楽作品を充実させて欲しい。

     

    作品数の物足りなさは、やはり利用している人がまだまだ少ないのが原因だろう。
    僕はAudibleを3年以上利用しているが、
    「Audibleってサービス楽しいよ」
    と人に勧めた時に

    「私も朗読サービスを利用しています!!」

    と言う人に会ったことがないし、

    「それは良いですね!! ぜひ私も利用してみます!!」

    と言った人もいない。
    残念な限りである。
    もっと多くの人が使ってくれたら、作品数の充実、値段の改善などにつながるかもしれない。興味がわいた人は是非、利用してみてほしい。

     

    これは『良くない点』というのとは少し違うのかもしれないが
    「見ている風景と本の内容が混ざる」
    という現象が頻繁に起きる。

     

    例えば、AbemaTVに出演する際、井の頭通りを歩きながら『模倣犯』を聞いていた。その際、現実の風景と模倣犯のストーリー上の風景が結びついて脳に記憶されてしまったらしい。その後AbemaTVに行くたびに
    「群馬の山道で練馬ナンバーの車が炎上」
    する光景が脳に浮かぶのだ。
    オーバーな言い方をするなら、フラッシュバックだ。
    そういう場所がたくさんできてくる。

    まああまり実害はないのだが、まれに混乱することもある。
    鹿児島県を取材した際、海沿いに走る電車に乗りながら『ぼっけえ、きょうてえ』を聞いていた。

    ぼっけえ、きょうてえ』の舞台は、岡山県だ。
    帰宅して鹿児島県の記事を書いていると、脳内には岡山の遊郭の怖い女郎が脳に浮かび上がってくる。
    どうにも混乱してしまった。
    だがまあ、あんまり危惧する必要はないと思う。

     

    最後に、僕がオススメのAudible作品を3つ紹介したいと思う。

    わたしを離さないで』カズオ・イシグロ

    ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの作品。「提供者」と呼ばれる子供たちが集められた施設での、奇妙な生活が描かれる。怖くて、とても切ない話だった。
    日の名残り』『忘れられた巨人』『わたしたちが孤児だったころ』もオーディオブック化されているし、待望の新刊である『クララとお日さま』もすでに配信されている。

    動物農場』 ジョージ・オーウェル
    農場主ジョーンズを追い出し、動物による「動物農場」を設立した動物たち。だが、指導者になった豚たちによって、理想郷とはかけ離れた様相になっていく。

    あまり長い作品ではないので、一気に聞くことができる。ジョージ・オーウェルのもう一つの代表作『一九八四年』も配信されている。

     

    サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』ユヴァル・ノア・ハラリ

    われわれサピエンスがどのように生存競争を勝ち残り、発展してきたのかを解説した一冊。非常にわかりやすく、斬新で面白い作品だった。かなり分厚いので、読むのに抵抗を感じた人でもオーディオブックなら入りやすいのではないだろうか?

     

    人が神になる未来を予想する『ホモデウス』も配信されている。

     

  • 「その沼入るべからず ―CASE1#胎内記憶」赤ん坊は母親を選んで産まれてくる?!

    「その沼入るべからず ―CASE1#胎内記憶」赤ん坊は母親を選んで産まれてくる?!

    出産、育児、健康法。女性の生活まわりにあるさまざまな情報の中には、ハマるとヤバいものがたくさん⁉ 山田ノジルが独自の視点で突っ込みつつ、沼の注意点をお届けしていきます。

     

    Case1 胎内記憶沼

    昨日、音声SNSを聞いていたら「育児のプロ」を名乗る人たちのルームが、こんなトークで盛り上がっていた。

    「子供は空の上から、お母さんを選んで生まれてくるんです」

    「妊娠したくてもできないのは、親になる準備ができていないから。心のどこかで本当は赤ちゃんが欲しくないと思っているから、子供から選ばれない」

    「赤ちゃんはお腹の中にいたときのことを記憶しているし、外の世界のこともお母さんを通じてわかっている。だから夫婦喧嘩ばかりしていると、やめてと伝えるためにママのお腹を頻繁に蹴るって話もある。子どもたちから聞いた話だから、これホント!」

     

    一般の人たちも「うちの子も、お腹の中でTVの音が聞こえてた~とか話してました!」とか次々語っていたし、ちょっと信じてしまいそう。そういえば図書館で『ママを選んで生まれてきたよ』みたいな絵本を見たこともあったな。自分は妊娠中、義母から「いい子に育つ胎教音楽」とかいうCDをもらったけれど、興味が持てずフリマで処分してしまった。皆が話していたとおり「子育てはおなかの中から始まっている」なら、聴いておけばよかった? もしかしたらこんな親だから、ふたりめの赤ちゃんから「選ばれない」のだろうか――。

     

    *******

    このSNSに登場していたという話題は、「胎内記憶」という一種の思想・教育・自己啓発(一部研究)の類です。胎内記憶はもともと「胎児が母親のおなかの中にいたときの記憶」のことでしたが、胎内記憶を広める一部の人たちにより、いつの間にかスピリチュアル色濃厚な世界観が出来上がりつつあります。「魂が空の上にいたときの記憶」やら「前世」「宇宙」にまで話が及ぶようになり、Case1のようなトークが定番となりました。

     

    この胎内記憶は布教活動の中心人物が産婦人科医なので、医学的な裏づけがあるように思えてしまいますが、200%スピリチュアル的な世界。一般的な科学や医学の論理とは、遠くかけ離れています。平たく言えば「布教者たちが、好き勝手な物語を語っているだけ」。ですからその手の世界に興味がなければ、「親を選んで生まれてきた」とか「お母さんの気分が赤ちゃんに影響する」とかの言説に一喜一憂し、真に受けるだけ激しくソン。「子どもたちが語った」ことが証拠だと主張されていますが、その動画やら何やらを見ていると、正直「言わせている感」もぬぐいきれません。つまり、胎内記憶は「魂の世界の物語」を求める大人が楽しむ娯楽。「子供が親を選ぶ」といった言説に罪悪感を覚えたり、ましてや妊娠中に胎教を取り入れたり必要性は、一ミリもないのです。

     

    「いい話だし、そういう考えで救われる人がいるなら嘘でも問題ない」と考える人もいるでしょう。しかし胎内記憶界で語られているその内容、深堀りしてみると結構なヤバさです。

     

    まずは冒頭のケースで登場している「親を選んで生まれてくる」という言説について。親たちの自己肯定感を高める手っ取り早い甘言なのでしょうが、妊娠しない人に「あなたは選ばれなかった人」とマウントするために使われることもしばしばです。悪意はなくてもそう語られて、結果として傷つく人がいるのは明白でしょう。

     

    さらに「親を選んで生まれてくる」という考えは自己責任論につながり、一部の子供たちをも苦しめます。虐待する親を選んで生まれてきたのも、自分の選択。持病などでハンデのある体も貧困などの環境も、自分が空の上から選んだ人生。そう刷り込まれてしまったら大変です。本来は行政の助けが必要な部分も「運命」というスピリチュアルな世界観で大雑把に仕分けされてしまうと、大人に助けを求められなくなり、必要な支援から遠ざかっていきますから。

     

    それだけではありません。メディアで取り上げられる胎内記憶は「早くお母さんの顔が見たくて、ちょっと早く出すぎちゃった」などのほっこりテイストが多いものの、布教者たちの著作やメルマガ、ブログなどまで興味を広げると、悲惨な世界を「虐待ランド」「戦争ランド」とカジュアルな表現で語るなど、倫理観を疑う語りに次々出くわします。こんなものに感化されては大変です。ちょっとしたモラル・ハザードと言えるでしょう。

     

    昨今は胎内記憶を語る子供が新興宗教の教祖様のように祭り上げられ、スピ商人たちに利用されまくっていたり(人生狂いそう)、日本胎内記憶協会なる社団法人が設立され、胎内記憶を広めるための「認定講師」資格を与えるビジネスも始まっているなどの動きもあります。小規模ですが「赤ちゃんの魂とお母さんをつなぐ仕事」なんてものまであり、女性たちが食い物にされている光景は、目もあてられません。

     

    さてこういうことを言うと、眉をひそめる人もたくさんいそうですね。なにせ胎内記憶は総じて、母子の絆を強調しながら感動的に語られるのが特徴ですから。「多くの人を癒した」「子どもたちが語った、心温まる不思議なお話」「幸せな育児に役立つ」、そう謳う話題には、心情的にツッコミを入れにくい。さらに「子供に言わせる」というのも、抜群の反論防止効果を生み出しています。幸せな親子の間で、子どもが自発的に語る胎内記憶を楽しむには何ら問題はありませんが、商売となれば子供の盾を利用してやっている、ザ・故意犯。日本の未来を明るくする! 幸せな子育てを応援! という空気を拡散しながら、子供をダシするイヤ~な商売です。

     

    胎内記憶をはじめとする怪しい沼は、だいたいこうしたツッコミを「わからない人には何を説明しても通じない」とシャットアウトするでしょう。それもまた、怪しい沼のわかりやすい特徴です。ジャンルは異なりますが、某マルチ商法では製品の成分や効果効能について真っ当な質問すると「この会社の製品が信じられないというのか!」とメタクソに叩かれ、コミュニティから締め出されるそうですよ。こうした物言いや態度には「すべてを無条件に受け入れ、布教や集金活動に奉仕できる人だけ」を相手にしていることが表われています。少しでも違和感を覚えたら、関わらないのが吉。うっかり沼入りすると、癒しどころか自分の心を苦しめ、ひいては子供たちを悩ませる可能性も大いにあるのですから。

     

    妊娠出産や育児はまだまだ未知なことも多く、常識もどんどんアップデートされていきます。特に育児は正解のわからない世界であるうえ、少子化&核家族化で頼れる人も少ない。そんな大変な時代に手探りで育児する人たちは、多かれ少なかれ常に癒しを求めています。そのような世界で、癒しという名目で都合のよい物語を自由に作り出すエセ・スピリチュアル界が商売すれば、濡れ手に粟。「子育てアドバイス」やら「セッション」「セミナー」という名の作り話に無駄な時間やお金を使わぬよう、じっくり見極めていきたいものです。

  • キラキラ系福祉メディアの不祥事|やりがいや労働力を搾取されてることに気づこう

    キラキラ系福祉メディアの不祥事|やりがいや労働力を搾取されてることに気づこう

    いわゆるソーシャルグット界隈が炎上続きの最近。そもそもあいである広場はそういった感動ポルノ的に障害者・支援者について書くメディアに対するアンチテーゼとして作ったwebなので、正直なところ興味がなかった。ちらほら耳に入ってくるけど、いまいちつかめなかったけど、狸穴猫さんのnoteでやっと全体を理解した。

     

    https://note.com/maminyan/n/ne7ffa75e79eb

     

    私自身は離婚後に一時期、特養老人ホームで働いてた。それから介護福祉業界に関わり、取材を通じて実態を知るうちに、この問題って私が高齢者介護をしていた5年ほど前と大差ない話だと思った。

     

    私は異業種転職組だったので「なんだろ。この業界は」と違和感を覚えた。「高齢者(障害者)の方の笑顔がやりがいです!」と低賃金でも喜んで働いてしまう介護職の方たち。営利よりも非営利が尊いという不思議な感覚。私は飲食業界出身だけど「お客様の笑顔がやりがいだし低賃金でもボランティアでも構いません!」なんて思ったことはない。生活があるのだから。労働に対して正当な報酬を得るのは当たり前のこと。

     

    SNSの介護系グループの投稿を読んでいると介護福祉職は「聖職」であり「聖人しかやっちゃいけない」みたいな投稿がものすごく多い。

     

    「社会貢献」「ソーシャルグット」「生きづらさ界隈」「地域共生」とかすべての用語が「もわん」としてて、何一つ、具体的に見えてこない。

     

    その「キラキラした言葉」「雰囲気」みたいなものは、当然、そこで利益を得ている人がいるから変わらない。経営側としたら、人件費は安く済むし、その用語で「洗脳」して「搾取」することをやめるわけがない。そして、むしろ「そんなキラキラした言葉」「雰囲気」の中で夢を見ていたい!と思っている支援者が多いのだから、その中で活動している当事者もそうなって当然だろう。

     

    そういった空気の中で起きたのが、この一連の不祥事だろうというのが私の感想。

     

    いい加減、「やりがい」「生きがい」「労働力」を搾取されていることに気づこうよと思う。

  • ホームレスを連れ去り不要の手術をして稼ぐ『貧困ビジネス病院』の実態

    ホームレスを連れ去り不要の手術をして稼ぐ『貧困ビジネス病院』の実態

    数年前に東京都庁ビルの隣にある新宿中央公園でホームレスに話を聞いていた。新宿中央公園はかつては、ズラリとテント村が並んでいる場所だったが、管理が厳しくなって、現在はテントは立っていない。ただ、炊き出しは継続されていたため、ベンチなどにはチラホラとホームレスが座っていた。

    60歳前後の男性に話しかけてみる。身なりは比較的キレイだ。憂鬱そうな顔で、

    「チンチンに管が刺さってて、四六時中気になってすごくつらいよ」

    と言われた。
    意味を理解できなくて、思わず

    「どういうことですか?」

    と聞きかえす。
    男性はヤレヤレといった表情で片手に持っているバックを開けて、中からしっかりとしたビニール製の袋を取り出した。
    それは、医療用の尿パックだった。

    「これの管の先が、尿道に突き刺さってるんだよ」

    と言うと、服をめくった。彼のお腹には、かなり大きい手術の跡があった。まだ治りきっていなくて、なまなましい。
    どうしてそんな事態になったのかを尋ねる。

    「いつも通り公園で寝ていたら、背広を着たヤツラがやってきて
    『体調悪くないですか?』
    って聞くんだ。
    『最近はちょっとオシッコの出が悪いな』
    って言ったら、じゃあ病院で診ましょうって、そのままバンに乗せられて、熱海まで連れて行かれたんだよ」

    新宿から熱海までは、高速道路で約2時間の距離だ。ホームレスを医者に診せるために移動する距離じゃない。
    男性は病院に着くとすぐに身体検査を受けさせられ、前立腺肥大症の診断が出た。

    「それでサインしてくださいって書類を渡されたんだ。病院で最初に書くようなやつだよ。それで名前を書いたら、そのまますぐに手術をすることになった」

  • いじめ・不登校を経験し空手家に| 生きづらさを抱える人に寄り添う「 ごちゃまぜ整体院モムの大ちゃん」ってどんな人?

    いじめ・不登校を経験し空手家に| 生きづらさを抱える人に寄り添う「 ごちゃまぜ整体院モムの大ちゃん」ってどんな人?

    「僕、小さい頃、全く喋らなかったらしいんです。周りの子どもたちはみんな喋っているのに、僕だけ喋ることも歩くこともできない。心配した両親が色々な病院に連れて行って、脳の検査から何から、それこそ色々な検査をしたそうです。でも、結局原因はわからずじまいで。3〜4歳になって、やっと言葉が出るようになると今度はお喋りが止まらなくなって」

    大ちゃん

    そう語るのは空手家で柔道整復師でもある通称大ちゃん。前向きで底抜けに明るい大ちゃんの周りは、いつもたくさんの笑顔で溢れている。

     

    大ちゃんは現在、空手教室を運営するほか、高齢者の機能訓練のトレーニング指導や、QOL向上のためのサポート、フリーの整体師として出張で施術を行うなど幅広い活動を行なっている。空手指導や運動指導はオンラインでの受講も可能だ。身体の不調だけでなく、生きづらさを抱える人に寄り添った指導と施術を心がけている。

     

    本日、取材を行った「ごちゃまぜcafeメム」は、江戸川区篠崎にあるサードプレイスカフェ。大ちゃんは、毎週末、このカフェ内で整体の施術を行なっている。

     

    今回は施術の合間にお時間を頂戴し、お話を伺った。

    大ちゃん「ごちゃまぜ整体院モム」は「ごちゃまぜcafeメム」に土日のみ出現する整体院。普段この場所はキッズスペースとして利用されている

     

    小学校5年生でいじめから不登校に

     

    「とにかく落ち着きがなくて、デパートやスーパーに行くと必ず迷子になる。そんな子どもでした。毎回親が呼びされるので、そのうち出かける時は、背中に紐をつけられるようになりました。天使の羽とかああいう可愛いのじゃなくて、普通に紐です。うちは実家が呉服屋なので、段ボールを解いた時にでる紐がたくさんあって、普通のビニール紐(笑)」

     

    列に並ぶのが苦手で、横入りしてしまったり、授業中座っていることができず、教室を歩き回ってしまったり。人の話も集中して聞けないし、聞いていないから、言ってることとやっていることがまるで違う。にも関わらず、好きなことを始めると時間を忘れてしまう。

     

    「そんなでしたから。気づいたら、いじめられるようになっていました。学校に行けなくなったのは小学校5年生の時です。同級生にはバンバンぶん殴られるし、いじっめっ子に追いかけ回されて、廊下を走って逃げると、今度は先生に『廊下を走るな』と怒られる。学校に居場所がなくなって、学校に行けなくなりました。

     

    うち、呉服屋なのに親父がスーパーヤンキーみたいな人なんです(笑)学校でいじめられると『やり返してこい』と。車でいじめた子の家まで連れて行かれて目の前で降ろされる。でも、やり返せないからいじめられているわけで。それで、しばらくすると『お宅の息子さん、うちの前でずっとポツンとしてるんですけど』と、その子の親から電話がきて母親が迎えにくる。そんなことも度々ありましたね。厳しい人でしたから、手をあげられることもしょっちゅうでした。

     

    でも、親父は親父なりのやり方で僕がいじめられているのに本気で付き合ってくれる。そんな人でした。学校ともバンバン喧嘩するし、相手の親のところにも乗り込んで行く。僕を守るために全力で、必死に戦ってくれました」

     

    厳しくも愛情深い両親に育てられた大ちゃん。しかし、「やられたらやり返す」父親のその方針は、大ちゃんを苦しめ追いつめていく。結果、学校にも家にも居場所がなくなってしまう。

  • 青木ヶ原樹海へ行こう!! ~具体的な行き方を解説・観光スポット・自殺者と間違われないための服装~

    青木ヶ原樹海へ行こう!! ~具体的な行き方を解説・観光スポット・自殺者と間違われないための服装~

    さてゴールデンウィークである。
    コロナ禍だから人があまり密集する場所には行きづらい。
    だが人と接しない場所に一人で自動車で行って、一人で帰ってくるぶんにはあまり問題はない。
    そこでオススメしたいのが青木ヶ原樹海である。

    僕は青木ヶ原樹海の記事をよく執筆するので

    「樹海へはどうやって行けばよいのですか?」

    と聞かれることが多い。
    「樹海は辺境の地にある」
    と思っている人が多い。だがもちろんそんなことはない。富士山周辺は大きな観光スポットだ。富士急ハイランド、富士サファリパークと、大きな観光施設もあるし、富士五湖周辺にはキャンプ場やペンションなどの宿泊施設も多い。

    東京から自動車で行く場合、中央自動車道を走り高速河口湖ICで降りればすぐに富岳風穴まで行くことができる。渋滞に巻き込まれなければ2時間で到着する。意外と近いのだ。

    関西からの場合は、新東名高速道路か東名高速道路で静岡県の富士市まで走る。そこから北上し、青木ヶ原の真ん中を走る17号線を突っ切って富岳風穴に到着する。大阪からだと約5時間で到着することができる。