車いすの料理人 ~フレンチ風創作料理を独学で!いじめを乗り越え、料理の鉄人に弟子入りしたフリーのフードコーディネーター~

障害者ルポ

【車いすのワイルド系チョイ悪男?】

 

 

今回は、産まれつき二分脊椎症を抱え、車いすで料理を提供し続ける、たいようさん(32歳)の人生を紹介する。

 

たいようさんは現在、一人で暮らすには広すぎる福岡の3LDKのマンションで、一人暮らしをしている。

 

二分脊椎症は、生まれながらにして脊椎(背中の骨)の形成不全があり、また同時に脊椎の中にある脊髄の機能が障害を受けている先天疾患のひとつです。脊髄は大脳からの指令を体中に伝える神経の束と、この働きを調節・制御する神経細胞からできている重要な器官です。生まれてまもなく脊椎の異常を修復する手術を受けますが、下肢の運動と知覚の麻痺や、排泄(排尿・排便)の機能障害が残ることが多いのです。また水頭症という大脳の障害を合併し、脳外科での対処を必要とすることもあります。障害の状態は、車イスが必要な方から、歩いたり走ったりすることは問題なく排泄の障害だけがある方まで様々です。
(引用:神奈川リハビリテーション病院 https://www.kanariha-hp.kanagawa-rehab.or.jp/diseases/schistorrhachis/

 

「車いすの料理家は国内で5人くらいでしょう」

 

野性味のある肉食系男子といった風貌のたいようさんは、女性にモテそうな雰囲気の男性だ。

 

パソコンのモニター越しに自信満々に微笑む姿は、障害があることをみじんも感じさせない男臭さにあふれている。

 

たいようさんは産まれつき二分脊椎症を持って産まれたが、最初から車いす生活を送っていたわけではない。

 

「産まれたときから足は悪かったです。だけど、リハビリをして、ある時、歩行もできるようになりました」

小学校までは歩くこともでき、階段にも上れた。しかし、年齢とともに体重が増え、行動範囲は広がっていく。その体を両足で支えることは年々、難しくなっていった。

 

それでも、7~8年ほど前までは家の中では歩行ができ、自力で家事をすることができた。車いすなしでも平気だった。しかし、時間の経過とともに、部屋での細かい移動が難しくなった。今は一人暮らしで、ヘルパーに介助に入ってもらい室内でも車いす生活だという。

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