過酷な野宿生活で心身の健康を損なうホームレスたち

障害者ルポ

野宿生活はとても過酷だ。
ホームレスの平均年齢は60歳を超えている。
70代、80代のホームレスも珍しくない。

高齢者である彼らが、暑さ寒さ雨などが身に染みる屋外で暮らしている。
もちろん、きちんとした食事もとることができない。

 

そして、ほとんどの人は健康保険を持っていない。
廃品回収などのわずかな収入では、食事代を確保するだけで精一杯であり
病院に行くお金はとても確保できない。
市販の薬を買うのすら難しい。
病気になっても、我慢してやりすごして、そのうちに悪化していく。
しばらく姿を見かけないのでテントの中を覗くと亡くなっていたというケースもよく聞く。

 

比較的に高齢者が多く住む河川敷などのテント村を歩いていると
住人が亡くなってしまったため、花や線香がお供えしてある小屋が目についた。
彼らの中には、そもそもケガや病気が原因で、ホームレスになったという人も少なくない。
彼らはホームレスになる前、建築関係や土木関係の仕事に従事している場合が多い。
『重いものを運ぶ作業中に腰を痛めてしまった』
『高所から落下して足をケガしてしまった』
などが原因で、仕事に行けなくなり、結果的に野宿生活を余儀なくされてしまった。

 

またガンなどの病気にかかり、病院に入院した結果、病気は完治したものの
入院している間に仕事を失い、治療費によって貯金もなくなったため
結果として住む家を失ってしまったというケースもある。
ホームレスになった後は、空き缶を集めるなど「廃品回収」の仕事をしている人が多いが
体にダメージが残っているため皆さん苦労している。

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