2冊目は現在、Kindle Unlimited会員であれば無料で読める、松永太と緒方純子の間に産まれた長男のその後の苦労を取材した「人殺しの息子と呼ばれて」角川書店単行本 である。
張江 泰之のプロフィールは下記。
フジテレビ情報制作局情報企画開発センター専任局次長。1967年、北海道生まれ。90年、NHK入局。報道番組のディレクターとして、『クローズアップ現代』や『NHKスペシャル』を担当。2004年に放送した『NHKスペシャル「調査報告 日本道路公団~借金30兆円・膨張の軌跡~」』で文化庁芸術祭優秀賞受賞など受賞多数。05年、NHKを退局し、フジテレビ入社。『とくダネ!』やゴールデン帯の大型特番を担当し、現在は、『ザ・ノンフィクション』のチーフプロデューサー。
張江氏が「追跡!平成オンナの大事件」で「北九州連続監禁殺人事件」を取り上げたところ「家族の許可もなく、テレビで面白おかしく事件を取り上げるのはやめてほしい。こうして度々取り上げられることによって、関係者が調べ上げられるんです」と長男がクレームの電話をかけてきたことから、交流が始まる。
張江氏から長男へのインタビューが中心だが、保護された時、9歳だった彼がその後に生きた悲しい人生が描かれている。大人を信用できない、そして、ひらがなやカタカナまでは家で教わっていたが、漢字は全く分からなかった彼は、学校でも腫れ物のような存在。
言葉は理解できてもその意味が分からないなど、愛着障害のような症状もあった。親の愛情を知らず、虐待されて育った彼は母親の緒方純子が人間性を取り戻していってもなお、母親を許せない。
張江氏との交流でだんだんと心を開き、自分の過去を受け入れ、前に進んでいく姿が感動的だ。
彼は現在、結婚もしているが、子どもを作ることは怖いという。
日本の犯罪加害者の身内へのケアの手薄さがよく分かり、加害者家族への心のケアが急務だと思う。犯罪が起こる都度、加害者家族バッシングがSNSやメディアで繰り広げられるが、子は親を選んで産まれてはこられない。
この2冊を通じ、人の心のもろさと消えぬトラウマ、心の回復について考えさせられた。セットで読むことをおススメする。
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