戦時中に兵器として使われた動物たち ~人間を守るために軍用化された 駆け回る「イヌ地雷」CIAのスパイとして利用された「アコースティックキティ」~

■ハトミサイル
第二次世界大戦中、アメリカでは、プロジェクト鳩が立ち上げられた。1942年夏、ある若者が当初、聴覚に優れた犬を訓練して魚雷に載せる「犬魚雷」の開発を頼みに、行動主義心理学のB.F.スキナーの研究所を訪ねた。しかし、スキナーはすでにハトを使って誘導ミサイルを作るプロジェクトを立ち上げていたことから、若者は自分の「イヌ魚雷」計画の提案書にハトミサイルの企画も盛り込み、ある企業に持ち込んだ。ジェネラル・ミルズ社は犬よりもハトを使うプランを採用し、誘導装置開発の契約を結ぶ。しかし、スキナーら関係者のハト計画は実現されずに終戦を迎える。
■CIAのスパイとして活躍したアコースティックキティ

画:村田らむ
時代は変わり、1960年代。冷戦の最中、アメリカCIAは猫をスパイ活動として利用する計画を立ち上げた。彼らは猫に外科手術でマイクと無線機を仕込んでソ連大使館に潜り込ませ、諜報活動に利用しようとした。そのプロジェクト名前は「アコースティックキティ(音響猫)」という。J.T. リチェルソンの著書、トップシークレットによると
「猫を切開し、電池を入れ、配線をつないだ」と1960年代のCIA長官事務補佐官ヴィクター・マーケッティが証言したという。「尻尾はアンテナ代わりだった。連中はバケモノを作り出したんだ」
この計画で使用されたネコには、小型マイクと電池、さらに尻尾部分にはアンテナが埋め込まれた。猫がネズミに気をとられ追いかけるなど、注意散漫になることを防ぐため、空腹を感じなくするための手術まで施されたという。実際のスパイ活動において工作員がターゲットのところまで、ネコを連れて行くことが難しいと判断され、このプロジェクトは頓挫した。