樹海のど真ん中で迷子? 方位磁石が効かなくても、迷いの森から抜け出すことはできるのか?

そのほか

樹海

樹海

樹海

樹海

 

僕は、前の人について歩いていたのだが、ちょっと風景写真を撮りたくなり何枚か写真を撮っていた。振り返るとすでに、サクサクと先に進んでもう見えなくなっていた。僕がついてきたことも意識していなかっただろうから仕方がない。
樹海内では一旦見失うと、簡単には見つけられない。ただこの段階ではまだそれほど焦ってはいなかった。

僕がその時持っていたリュックサックはカメラバックもかねていた。リュックの下部には、一眼レフカメラと替えのレンズ、フラッシュなどで一杯だ。リュックの上部のかなり小さいスペースに他の荷物を入れる。
その日持っていたのは、スマートフォン、スマートフォンの携帯バッテリー、水のペットボトル(500ミリリットルの半分)、タオル、ノート、ペン。かなり貧弱な装備だけど、とりあえずスマートフォンがあればなんとかなるのがこのご時世だ。大容量の携帯バッテリーもあるので電池切れはない。
とりあえず、GPSで現在地を調べると本当に樹海のど真ん中だった。遊歩道までは1キロくらいある。スマートフォンのデジタルコンパスを表示させて真東に進んでいった。
20分くらい進んだ時に、違和感を感じた。どうにも同じ場所を歩いているような気がするのだ。樹海の中はだいたい似た風景なので、そういう感覚になることはあるのだが、でももっとリアルに感じる。一旦歩みを止めてGPSを開く。先程いた場所から全く進んでいなかった。
つっと背中に冷や汗が流れる。試しにもう一度、真東にしばらく進んで見たのだがやはり同じ場所をぐるぐる歩いている。

“樹海の中ではコンパスが効かなくなる”

この都市伝説が我が身に起きている。頭がパニックになりそうになるのを、押さえつける。時計を見るとすでに16時を回っていた。樹海内を歩けるのはギリギリ18時までだ。16時に樹海のど真ん中にいるのは、そこそこヤバイ状況である。もし樹海から出られなかった場合、樹海内で一夜を過ごさなければならない。水は250ミリリットル、食べ物はない。死にはしないだろうが、かなり辛い夜になるだろう。

続きを読む - 1 2 3

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});