エスカレートして大事件になったケースもある。
『奈良・山本病院の診療報酬不正、患者死亡事件』だ。

山本病院では、西成の生活保護受給者向けのマンションに直接出向き、入院の勧誘をしていた。実に入院患者の6割が、生活保護受給者だったという。
たしかに西成で話を聞いていると「貧困ビジネスの誘いを受けた」という話はとてもよく聞く。
「お弁当配りながら『後で話を聞いてください』って言ってた。お弁当だけ食べて、ササッと逃げ帰ってきたったわ」
と、ちゃっかりとした人もいたが、中にはついていく人もいる。上記のような被害者になる場合もあるし、特殊詐欺の出し子など加害者になってしまう場合もある。
山本病院は入院患者に、心臓カテーテル検査を行ったように装い、診療報酬をだまし取っていた。2005年度には275件、2006年度には196件の心臓カテーテル検査を実施したと、記録されている。
この時はウソをついてだましとっていたのだが、本気で手術をするようになる。
患者に対し、
「手術やらんと死ぬで!!」
と、とても荒い口調で手術をすすめたと言われている。そして魔の手はホームレス以外にも伸びて、山本病院で勤務する狭心症のある女性看護師に、半強制的に心臓カテーテル手術を施し、死亡させた。
ここまでくるともうめちゃくちゃで、まるでサスペンス映画のような展開だ。
ただ、山本病院ほど酷くはないにしろ、似たような稼ぎ方をしている病院は全国にたくさんあるのだ。

実際に山本病院の廃墟に足を運んだことがある。かなり大きい病院なのだが、立地はかなりの田舎だった。山本病院の周りの光景はとてものどかで平和な光景が広がっていた。 当然人口も少ないから、集客に苦労したのかもしれない。
もちろん、それは卑劣な犯罪をしたことの言い訳にはならない。

