事故物件公示サイト『大島てる』管理人に聞く「ただのオッサンが死んでもニュースにはならない」その理由とは?


「そういう意味でメディアにとって一番価値がないのは『40~50代の普通のおっさんの死』です。『日本国籍の男性で、職業はサラリーマンで家族がいる』など一般的なら一般的なほど報道されづらくなります。ただの自殺なら、まず報道されないでしょう」
確かに、「アイドル活動をしている少女が殺された」のと「普通のおっさんが殺された」のでは報道の熱は全く違うだろう。40~50代の普通のおっさんは、一家の大黒柱であることも多いし、その死がもたらす影響は決して少なくない。だがメディアにとってはほとんど価値がないのだ。
ちなみに、この記事の筆者も、そして大島てるさんも、40代のおっさんだ。“死に価値がない”仲間である。そんな大島てるさんだが、かつて殺害予告をされたことがあった。
「2017年にツイッター上で殺害予告をされました」
『大島てる』は、ネガティブな情報を扱っているため、批判されることも少なくない。大島さんを脅した人物は「小学校時代の同級生が自殺をした。その物件が大島てるに載っている。それが許せないから包丁を買って管理人を殺しに行く」という、かなり身勝手な言い分を載せていた。「首を生きたままゆっくりと切り落としたい」「断末魔を聞きながら日本酒が飲みたい」など猟奇的な表現も使われていた。
「そのツイートは、エゴサをして見つけました。当たり前ですが、非常に怖かったですね」半年という時間はかかったが、容疑者は脅迫罪で警察に逮捕された。大島てるさんと同学年の男だった。彼は取り調べで、自白したという。もちろん、この事件もほとんど報道されることはなかった。もし大島さんが殺害されていたら、どれくらいの規模の報道がされていたのだろうか? それは今となってはわからない。
「人の死は平等だ!!」と声高に叫ぶ人がいる。確かに当人にとっては、その通りだ。死後起こることは、誰でもあまり変わりない。だが、死がもたらす影響は、個人によって全然違う。「死の価値」は状況によって変わるのだ。そもそも事故物件サイトも、死の価値が高くないと成り立たない、と大島さんは語る。「事故物件サイトは、事故死が例外として起きている国でないと成り立たないですね。一部先進国の人が、高級ブランドを愛でるような感覚ですね。もしそこら中で人がバタバタ死にまくっている状況下では、事故物件であるということが当たり前になり、忌避すべき存在でなくなってしまうでしょう。そうなったら今の活動は停止せざるをえないでしょうね」