漫画“ドラえもん”の登場人物に暴れ者のガキ大将のジャイアンと、弱気でおとなしいのび太が出てくる。上記のタイプを精神科医の司馬理英子先生がわかりやすく、多動・衝動優勢型をジャイアン型、のび太型、不注意優生型をのび太型と呼んだ。その造語が“のび太、ジャイアン症候群”である。
つまり、短気で怒りっぽく乱暴な子が「ジャイアン型」、おとなしく自己主張しないけれども注意散漫な子が「のび太型」になる。
例えば、ジャイアン型。教室で席を立って脱走すれば担任の先生はほっておくわけには行かず、呼びに行かなくてはならない。友達を叩いたり突飛ばしたりしたら、子どもを叱る。
でも、その中でのび太型は席を立つことはない。不注意優生型なので、着席していても先生の話は頭に入っておらず、全く別のことを考えているデイ・ドリーマーのように空想にふけって注意散漫になっているケースもある。
自己主張する積極的なタイプ、受け身のおとなしいタイプなど人間には様々な性格がある。障害のある子も同様である。
クラスメートを突き飛ばす、興味がなければ教室から脱走する、他の子を叩いたりする等の他害がある…こうなると先生はほっておくわけには行かず、叱ったり呼びに行ったりしなくてはならない。
本人からの「ここには居たくない」というSOSを担任も保護者もキャッチすることができる。その問題行動が障害に起因していれば特別支援学級や特別支援教室(通級)へ行くことも検討される。
けれども、一番、注意して見ていかなくてはならないのは、授業がチンプンカンプンでも椅子にじっと座っている子、虐められても黙っているタイプの子である。