ボイスチェンジャーがないと話せない・親が死んでも葬儀屋への電話ができないひきこもり達 ~ネット配信者が仲介役に~

動画障害者ルポ

【ボイスチェンジャーがあれば自分の声じゃないから話せるという人たち】

 

 

今回は、清水ひきこもり研究所の所長で、ボランティアでひきこもり向けにライブ配信をしている原科佳衛(はらしなよしえ)さん(57歳 男性)にお話を伺った。

 

2019年の内閣府の調査では、40歳~64歳の中高年ひきこもりが61万人との統計が出ている。

 

しかし、行政や支援者でも生粋のひきこもりには会えない・コンタクトができないのが実態だ。

 

支援につながらないひきこもりたちの実情は把握できていない。そんな中、原科さんはインターネットライブ配信(ニコニコ生放送)を介して、ひきこもりたちとコンタクトが取れるレアな存在だ。原科さんが中高年のひきこもりに対し、ニコニコ動画での配信を通じ、支援を続けて、今年で9年目になる。

 

リスナーは常時70人程度~多い時で300人ほどいる。放送は、原科さんの夜勤の仕事がない時間帯に不定期で行っている。

 

「LINEやカカオトークでも、仕事の合間を縫って相談に乗ってます。特にカカオトークにはボイスチェンジ機能があるので、ひきこもりに人気です」

 

ひきこもりの深刻さは様々だが、自分の声じゃないから話せるという人たちもたくさんいるという。何年も相談に乗っていても、年齢や本名、家族構成すら教えてくれずカカオトークでのみ話せるという人もいる。

 

「家族構成とか年齢を知らないと、相談されても、正確に回答してあげられないじゃないですか。だけど、分かってあげないことに対してよくブチ切れられますね(笑)」

 

ボイスチャンジャ―なしでは話せないという人が、何人もいるということに驚かされる。

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