触法障害者やひきこもりを産むのは大人たち ~行政保健師の現場の苦悩と告発~

田口 最悪の場合、触法につながる?
T 不適切な養育や支援につながらなかったことにより、子供が触法に至る
というのはどの地域でもみられると思います。
また虐待につながる場合もあります。
T 就学後に不登校、統合失調症・うつ病等の二次障害を引き起こし、ひきこもる。
50-80問題の多くのケースは背景に、周りの大人が適切な支援をしてこなかった
ということがあると思います。
現在、刑務所に収容されている受刑者の8割は高齢者と障害者というデータもあります。
就労継続ができずに、ひきこもっている方のIQを調べたら
軽度知的障害だったということはよくあります。
こちらからいくら働きかけても、子の養育に無関心
言っていることが届かない親御さんもいます。
適切な養育ができない親だけでなく、
適切な支援ができない、行政、警察、児童相談所など、大人の側の問題が大きい。
子供は何も悪くありません。
悪いのは大人です。
田口 相談支援員さんに取材した中でも
触法問題が出てきました。
やはり不適切な養育で、何の公的な支援につながらずに大人になった青年が
祖父母に包丁を振りかざすという事件につながったというものがありました。
しかし、警察と福祉の連携が取れていない現状で、その青年は地域に戻ってきている。
そして、いまだに福祉とも医療ともつなっていないそうです。
行政、福祉、警察間で連携はないのですか?
T 虐待ということで言えば、目黒女児虐待事件が契機となり
この4月から児童相談所と警察は児童虐待対策として
情報共有を始めているところですが
医療との連携はまだまだだと思います。
情報共有をどうしていけばいいのか、というのは重要なキーワードで
課題です。
行政では、事務職、専門職問わず、数年で担当がかわり
そのたびに情報共有をし直すのと、信頼関係の構築を一からせねばなりません。
そして慢性的なマンパワー不足がある。
介入を拒否しているご家庭に入り、信頼関係を築くまでに
2年~3年かかることはざらです。
家庭訪問や、電話訪問、面談を丁寧に重ねていくので、
時間がかかります。