『ベルトでぶたれる』『自由恋愛絶対禁止』『親子でも会話は厳禁』虐待・人権侵害をされる新興宗教二世たち

「二世問題がNHKなどに取り上げられることに関しては『良いと思う』と思う当事者もいましたが、この部分には納得できないと言っている人が多かったですね。
『親は絶対許すまじ』
って人も多いから、
『今は親に感謝してます』
みたいな安直なオチは許せなかったんだと思います」
この手の番組では
「どんな親でも結局は子供を愛す。今は分からなくてもいつか愛は伝わる」
というようなチープなセオリーを持ち出す。
だが世の中には子供を愛さない親もたくさんいる。そして子供は親を理解する必要はないし、別に憎んで縁を切ったって良い。
「完全に縁を切れた人はいいんです。最初に『カルト宗教問題ではなく、親子の問題に決着している番組が多い』と言いました。カルト問題は親子問題以外にも様々な要素がからみます。だけど、それでも親子問題でもあるわけですよ」
虐待をした親であっても、100%悪いところしかない人間ではない。優しい部分もあるし、一緒に楽しい経験をしたこともある。育ててもらった恩義もある。
そう簡単に縁は切れない。
親と絶縁することに罪悪感を感じる人も少なくない。
「だから宗教は信じなくなっても、親との縁を切らないために形の上だけで信心を続ける人もいます。
ただ村田さんは分かると思いますけど、信じていない宗教の行事に出て、戒律を守り続けるのってすごく大変なんですよ。メンタルが壊れてしまう場合もあります」
筆者(村田)は、かつて雑誌での取材のために複数の新興宗教団体に潜入で入信した。
もちろん全く信仰心は持っていなかったが、毎日のように通って信者と一緒に修行をしたり、合宿に参加したりした。
隠し事をしている緊張感や罪悪感で心がとても疲弊した。ただ潜入の場合、長くても数ヶ月だ。その後は完全にオサラバする。
だが二世信者の場合はそういうわけにはいかない。下手をしたら死ぬまでウソの信心が続く。心が壊れて当たり前だ。
「そして親子の縁を切り、教団を辞めたとしても、それですぐに救われるわけではありません。むしろそこから本当の地獄が待っている場合もたくさんあります」
宗教団体を辞めて家を飛び出した子供には
「学費は出さない」
という親も少なくない。
それどころか、
「一生口をきかない」
「生活費も渡さない」
という人だって珍しくない。
「家を飛び出して、借金まみれになって自己破産に追い込まれる。結局、生活保護を取得して暮らしている人もいました。
二世の貧困問題は深刻です。
二世問題は『当事者のお気持ちの問題』ということにしてしまって放置してはいけないんです」