「ホームレスは汚い、臭い」は本当?|ホームレスの衣類事情と、その奥に潜む深刻な問題

また、服は拾って手に入れるという人も少なくない。
「衣替えのシーズンなんかに大量の服が捨ててあるのをよく見つける。ほとんどまっさらの服も結構捨ててある。パンツやTシャツもたくさん捨てられる。洗濯してから捨てられてるものも多いよ」
と新宿中央公園にいたホームレスの男性(50代)は語っていた。
たしかに、日常生活で本当にボロボロになるまで服を着ることはまずない。安い衣料品店
つまり、ホームレス生活をしながらでも、比較的簡単に服は入手できる。
ただ手に入れるのが難しいものもある。それが靴だ。
靴は炊き出しで配られることもあるが、あまり見ない。
靴も捨てられることはあるが、服に比べればずっと少ない。また見つけたとしてもサイズが合わなければ履けない。
結果的にホームレスは、靴を長く履き続けることになる。しかもホームレス生活では、廃品回収や雑誌回収といった仕事、そして炊き出し巡りなどもあって、普通の人よりも歩く。靴はすぐにボロボロになっていく。
多くのホームレスは、普通の身なりをしていることが多いが、靴だけはくたびれていることが多かった。
ボロボロな身なりをして、周囲に悪臭を放つといったホームレスだが、僕の取材の経験では、彼らの多くは会話がまともにできない状態の人だった。おそらく、認知症やアルコール中毒など、精神や脳に疾患がある人が多いと思う。
ただ特別支援学級に通った経験もなく、障害者手帳も持っていない人も多い。つまり、可視化されていない障害者なのだ。周囲にも理解されず、就職や日常生活がうまくいかず、結果的に路上生活をするしかなくなった可能性が非常に高い。