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「人に迷惑をかけないこと」が障害者の自立なのか ~人に頼ることの大切さ~

思い返せば…苦手意識がすでに出ていて、「パスモがないと電車乗らない、買い物しない」と言い出した。お金を握らせると、地面に捨ててしまうこともあった。

 

だから…

 

・治安のいい日本にこれからも住むのだ。老人が財布を広げて店の人に取ってもらっている光景をスーパーでたまに見かける。息子も一生そうすればいい。

・将来はカードだけで買い物するキャシュレスの時代がやってくる。(本当に到来したキャッシュレス時代!)

・宿題がわからないとき計算機を出してきた。そんなこと思いつくなんて案外、生活力が育っているではないか。偉いぞ

と考えるようにした。

 

学校から持ち帰ったプリント。一か月の給料の欄に“5000円”と書いてある。プラレールはだいたいこの金額。だから「給料5000円で良い」と考えたのだろう。

 

 

まあ、作業所に行けば工賃として月1万円くらいなので「当たらずといえども遠からず」なのだが、「生活するにはいくら必要なのか」等の金銭感覚がない。「買い物体験を無理してさせなくてもよい」と担任に言われたが、放課後ディの帰りに“コンビニに寄って好きなお菓子をうことが楽しみ”になっているので、未だに続けている。

 

ある日、500円もするショートケーキを買ってきたので「毎日これだと破産する」と思い、「200円以下のものにして」と伝えたら、翌日から100円前後のヨーグルトやプリンを買ってくるようになった。

 

「ちゃんとわかるようになってきているじゃないか~。よし、よし」と思った。

 何でも一人で出来るようになることが自立ではない。人には出来ないことの方が多いだから、出来る人に頼ればいい。そして、「ありがとう」と言える子に育てればよい。

 

それから、「人に迷惑をかけてはいけません!」と言い続けると、困ったときに助けを求められない人になってしまう。迷惑をかけたら「ごめんなさい」と言えればよいのだ。人には貢献意欲がある。誰かの役に立つことで相手には自己肯定感がつく。そんな意味で息子は人に貢献しているのかもしれない。「これまで“人に迷惑をかけないで生きる”ことが、唯一のポリシーでしたが、それが大きく揺らいだ。果たしてそれがそんなに大事なことなのか、と。自分一人ではできないことなら人に助けてもらえばいいのではと。人に頼ることを恐れすぎてはいけないとも思うようになりました。何より僕の娘には、人を助けてあげられる人になってほしいと思うようになりましたね」

 

これは『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』で主演した俳優、大泉 洋さんの言葉だ。少年時代に難病の筋ジストロフィーを患った実在の人物・鹿野靖明さんを演じた。