■私の選択
息子は知的障害のある自閉症だ。 “特別支援学校”(当時は養護学校という名前)に入学希望を出した。
どうしてかというと、保育園時代、たった一人だけ障害児で母子ともに孤独だったこと。障害児福祉の情報が入らなかったこと。
それから一番の理由は…
息子に人生最初の時点で「周りの子が出来て、自分だけあれもこれも出来ない」という経験をさせたくなかったからだ。
そして、教員1名対児童8名の支援級ではなく、教員1名対児童6名という手厚い人員配置で、個別に丁寧に見てくれる支援学校を選んだ(実際、入学してみると、教員2名対児童5名だった)。
個別の支援計画を作るにあたり、学校側から「どんなことを身に付けさせたいか」と聞かれた。「靴ひもを結べるようにしてほしい」「時計を読めるようにしてほしい」と伝えると、息子のために一冊の分厚い個別の支援計画が用意された。短い期間に蝶結び、時計をマスターした。
(担任が作った教材)


2年生のとき行政側から支援級に転校するように言われ、3年生から支援学級に転校した。支援級は人数も多く、支援学校ほどの手厚さはなかった。息子にとって易しすぎたり、難し過ぎたりの授業内容もあったが、個別の対応で登校渋りもなく6年生まで通った。
もし、無理やり通常級や支援級に入れていたら、「僕は出来ない」と息子自身に感じさせ、結果、自信喪失になってから、「うまくいかなかったから支援級、支援学校に変わりましょう」となっていただろう。必要のない挫折感を体験をさせていたと思う。
「取り合えず、通常級に入れてもらい、馴染めなかったら支援級に移ろう」の順の選択をする親もいるが、これでは「僕ができない子だから支援級に移された」と感じさせ子どもにはよくない影響を与えると思う。
■特別に支援される意味
子どもの状態に合わないクラスに在籍し、担任に対して「うちの子がみんなについていけるように、きちんと対応してくれ!」と言っている保護者もいる。これは内科を受診して「虫歯を治してください」と言っているのと同じことのように感じてしまう。
障害の軽い子も中くらいの子も重い子も含め、一人ひとりの学びの機会を最大限保障することが教育の目的である。
それぞれの家庭の方針があるが、置かれた環境次第で自信が付いたり、自己否定したりするのが人間だ。 “子どもの能力に一番適した成功体験や達成感が得られる教育環境”を選択してほしいと願う。
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