■知的遅れの伴わない発達障害児
知的に遅れがない場合は通常級に進級することになる。教科書の内容を学んでいく力が十分あるからだ。
ところが…
幼稚園、保育園時代はまだ周りの友達も幼児、“みんな仲良し”が通用する。けれども、小学生になると友達関係が複雑化し、グループを作ったり秘密を持ったりする。
結果、学力は高くても、クラスメートとコミュニケーションがうまくとれない、相手との距離感がわからないなどで、仲間外れになり、いじめのターゲットとなってしまうケースも起こる。
こんな時は担任とよく話し合い、加配の教員を付けてもらい、クラスメートに特性をカミングアウトするなどして、子どもが孤立しない配慮が必要となる。同じ教室で共に学ぶ“インクルーシブ教育”のためにも個別の支援は欠かせない。
子どもに発達の課題がある場合は幼稚園、保育園からの申し送りの他、保護者側で次のものを準備するとよい。どうしてかというと、担任の先生は、障害のおおまかな傾向はわかっていても、何より、出会ったばかりのあなたの子どもの取り扱いについては無知だからだ。0歳から育てている親が子どものことを一番知っている専門家だからだ。
例えば
・成育歴
・「特別な配慮が必要な子」として保育園、幼稚園担任からの細かい申し送り
・主治医や療育施設からのアドバイスの共有
・発達検査・心理検査の結果
・子ども本人がどんなことが苦手で、どんなことが得意か
・子どもが理解しやすい指示の伝え方
・パニックを起こしたときの対処法
・絶対に避けてほしいこと(*急に音楽を鳴らすのではなく事前予告し、小さな音から徐々になど)
・どのようなタイプの友達が苦手なのか、どんなタイプの子と馬が合うか