子ども用通帳に貯金しても、子どものために使えなくなる?! ~成年後見人制度の盲点~

お役立ちコラム

親族は信用できる?

後見人の話に戻ろう。「いよいよ親の寿命が近いな」と思ったらつければいい。そんなとき健常の兄弟姉妹がいれば「後見人になってもらおう」という流れになる。

 

 

けれども、兄弟だって信用できない。聞いた話だが、親が亡くなった後に「お店を開店するから、お金貸して」と後見人である兄弟が障害のある兄弟の財産を使ってしまったらしい。似たようなことは起こりうる。

 

 

兄弟姉妹を希望しても許可が下りない

兄弟姉妹がとても良い人だったとして、「親亡き後の後見人になってほしい」と思ったとしても…

 

資産の金額は自治体により多少前後するようだが、当人(=障害のある人)の資産が500万円以上あったら親族は後見人になれず、弁護士、社会福祉士、司法書士、行政書士などの第三者が付く。

 

 

「500万円なんて大金、本人は持っていないし」と捉える人もいるかもしれないが、資産とは現金だけでなく、不動産(今、住んでいる家)、証券、株、投資信託なども含まれる。親が死んだ後の財産は自動的に法定相続人である子どもに行くので、500万円以上になるケースは少なくないだろう。

 

さて、後見人の決定権は家庭裁判所にある。そのときになって「親族が後見人になれないのならば、後見人を付けるのはやっぱり辞めときます」と申請を取り消すことが出来ない。

 

先にも述べたが、後見人は一度付けると「この人、娘のことを親身になって考えてくれないから」を理由に外したり、「後見人を変えてほしい」と申請したりすることは出来ない。

 

 

■どうすればよいのか

息子は将来自動車を買ったり、海外旅行したり結婚して家を買ったりもしないだろう。だから、子どもの通帳にせっせこ貯金しておく必要はない。

 

それから、親が元気なうちは、早々と後見人をつけずに子どものための一番の使い道を知っている親の口座に貯めておき使うのが賢明である。そうしないと、先の例の「ストレートパーマはダメ!」状態になる。

 

 

さて、親が死んだら自動的に親が持っているお金は法定相続人である子どもに行く。ここで後見人に管理してもらってもよいし、お金を手にして一気に使ったり騙されたりしないように家族信託や生命保険信託というお金を他者に管理してもらう方法を利用してもよい。

 

色々な制度があるので親も勉強が必要だ。

 

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