「その沼入るべからず —CASE4#布おむつ」|紙おむつで育つと反抗的で反社会的な性格になる?!

コラム

赤ちゃんのお世話に欠かせないおむつは現在、使い捨てタイプの紙おむつと洗って繰り返し使う布おむつの2種があります。どちらを選ぶかは基本、赤ちゃんの肌の状態や世話をする人のライフスタイルで判断すればいいことですが、CASE4のように「紙おむつは悪いもの」という考えや、根拠のない「効果効能」を妄信すると「布おむつでなくてはならぬ」と囚われてしまうのです。

 

「紙おむつが肌に悪い」という主張は、化学物質を必要以上に危険視する「自然派あるある」です。現代の高機能な紙おむつには、不織布・高分子吸収剤・防水シートといった「石油化学物質」が使われています。それらは吸収した水分を戻さず、おむつの外に漏らさず、かつ快適に装着するための成分ですが、製品として販売されるまでには当然機能性とともに安全性もふまえ、莫大な研究費を投じて商品開発されています。ところが一部の消費者は「歴史が浅い商品は、今は大丈夫でもこの先健康被害が出るかもしれない」「大企業の作るものは健康よりも利益優先で、都合のいいデータだけを出している」「自然じゃないものは肌に悪い」と不安を覚え、まるで紙おむつが悪の象徴みたいに見えてしまうのです。

 

ちなみにこれがエスカレートすると、ニセ科学として有名な「経皮毒」が登場します。この言葉を日常的に目にするようになったら、要注意。自分は今、沼の深みにいると考えていいでしょう。経皮毒とは、日用品に含まれる化学物質が、肌から体内に吸収されて害を及ぼすという主張から作られた造語です。経皮毒の世界では、粘膜は特に吸収率が高いとされているので、デリケートゾーンに触れさせるなんてとんでもない~! と恐れられています(生理用の布ナプキンでも同じ主張が存在します)。確かに皮膚から薬を吸収させることは可能です(サロンパスとかホルモン剤の経皮投与パッチとか)。しかし医薬品と日用品は全くの別モノ。そもそも、そんなに簡単に吸収させることができたら、世の中にはもっと画期的なアイテムが誕生しているハズなのですがね……?

布ナプキン

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