8050問題|福祉につながらない「ひきこもり」たち。母親の死を目の前に立ち尽くすことしかできなかった50代男性

そのほか

暗い話ばかりになってしまったが、「8050問題」に取り組んでいる、ある支援機関で聞いた、希望ある明るい話をお伝えしたい。

 

おそらく発達障害があるであろう、50代でひきこもりの子どもを持つ70代後半の母親が、自分亡き後の子どもの生活を案じ、支援機関に相談をした。まずは、母親が支援者に相談を繰り返し、徐々に子どもを支援者と繋ぐ面談を開始していく。支援者との信頼関係がまだないため、ここから、信頼関係を築く雑談などを通じて、当事者が抱えている悩みや、社会参加を促す話をしていく。

 

母親と50代の子どもと、支援者が、交互に面談を重ねていく。支援者と当事者の息子が2人で面談をするようになるまで、2年を要した。2年間…長い。だけれど、繊細で傷つきやすく、これまでイジメや失敗など、辛い思いをしてきた人を解きほぐすには、必要な時間だと思った。

 

支援者と当事者に信頼関係ができて、心の内を相談できる関係になったから、めでたしではない。そこがスタートである。成人のひきこもり当事者に、社会参加を促す支援には、様々なものがある。自立訓練や就労訓練などを通して、障害理解や、自分の特性を理解することやソーシャルスキル・トレーニングなど積んでいく。これまで、ひきこもって経験してこなかった事柄を、福祉サービスを通して、徐々に実践・実習して経験する。

 

友人を作り、楽しくコミュニケーションをとれなかった人には、支援者が友人の代わりをしてくれる。フレンドリーに、趣味の会話からはじめて、コミュニケーションのマナー向上に付き合ってもらい学んでいく。生きづらさを抱える人を助ける、新しいサービスが産まれていっている。

相談支援,支援者

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