新興宗教二世信者が天真爛漫に勧誘する現実|『信仰の自由』は誰のためにある?

そんな状況ではあったが、この団体に入って二世信者問題でとてもビックリしたことがあった。
テロルを起こした時代のオウム信者の二世が、未だ信者として後継団体の道場に通っていたのだ。専門学校に通っていると言っていたから、18~20歳くらいだっただろう。
背が高くイケメンな、とても爽やかな青年だった。話し方もとても生き生きとしていた。後から入った信者には、どこか影がある人も多かったが、彼はとても天真爛漫に見えた。
「とにかく修行を受けさせないといけないからさ。学校で女の子に『ヨガに興味ない?』って話しかけまくってる」
とケラケラと楽しそうに話していた。
「女の子ってダイエットとか健康とかでみんなヨガに興味があるからね。
『とにかく一度、道場でヨガを体験してみてよ!!』
って言ったら、ついて来るよ」
と続ける。
爽やかな青年に誘われたら、一度行ってみようか? と思う女性は少なくないだろう。しかし、オウム真理教の後継団体だって、知っていたらついては行かない人も多いはずだ。
「わざわざオウム真理教の後継団体だって言う必要はないよ。だって、それでついて来なかったとしたら、損をするのは彼女たちの方なんだから。だましてでも連れて来たほうがいいよ」
と続けた。
僕はそれを聞いて、ぞっとしたのを覚えている。
『オウム真理教の修行を受けたら、本当の意味で幸せになる』
と心から信じているから、ウソをつくことに関しては全く罪悪感がわかないという訳だ。
実際に、彼が『ナンパ方式』で連れてきて、信者になった女性はいた。
彼女たちが、将来後悔する可能性は非常に高い。『オウムの後継団体の信者』というだけで、就職や結婚ではどうしても不利になるだろう。家族と断絶してしまう可能性もある。
「それは宗教を信じている人に対する差別だ!!」
と怒る人がいるかもしれない。
たしかに差別かもしれないが、それが厳しい現実だ。
そして二世信者の彼もいつか、教団を信仰していることに疑問を持つ日が来るかもしれない。実際、二世~三世の信者が、おとなになってから信仰をやめるケースは少なくない。
そうなった時、彼は
「自分のせいで、カルト宗教の信者になった女性たちがいる」
という事実に耐えられるのだろうか?
彼はもう三十代半ばを過ぎているだろう。
今はどのような活動をしているのだろうか?