境界線にいる私たち①子供の誕生により壊れはじめた生活

コラム

【決定的な出来事】
私は妊娠中毒症で、母体を守るために帝王切開の1か月前からの入院が必要となった。

 

ある大雨の日、前夫は会社帰りの作業着姿のまま病室に現れ、主治医を呼べと騒ぎを起こしたのだ。
そして、主治医に対し「この女の腹の中の子を今すぐ掻き出してくれ!」と叫んだ。
私はその時、中絶が可能な妊娠6か月目をとうに過ぎていた。
女性の主治医が「あなたは何を言ってるんですか?子供や奥さんを何だと思っているんですか!今すぐ病室を出なさい!」と言い返すと、暴れる夫を取り押さえるために、警備員が呼ばれ、夫は病室から連れ出された。

 

それは帝王切開の一週間前の出来事だった。

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