生活困窮者支援 ~仕事の切れ目が屋根の切れ目。ボストンバック1つで全国を転々とする、路上・車上生活者への支援の現場~

また、そういった全国を転々とする生活を送っていると、同じ病院に継続的に通院する機会が持てない。不眠やうつの症状で精神科を受診したところで、その背後に発達障害が隠れていても、2~3回の診察では医師でもその傾向に気づけないという。
初診を受けてすぐ転居。
転居先でまた初診から。
そんな繰り返しで、障害や精神疾患を持っていても、なかなか継続的な医療につながらず、支援を受けられない人々がいる。
八木さんはそういった人たちに、少し一カ所に落ち着いて体制を整え直すことを提案しながら、病院に受診させ、障害があった場合には、療育手帳・障害者手帳の取得のサポートや相談支援機関へつなげる。
障害者となった人が受ける障害者支援以前の段階の人、障害者「かもしれない」人を障害者支援へとつなげる「プレ支援」を行っている。
貧困は関係性の貧困ともいうが、やはり親族との縁は切れているのだろうか。そして、そんなに簡単に血のつながりは断ち切れるものなのだろうか。
「親族との縁が切れている人がほとんどですが、本人の強い思い込みだということも多いです。どうせ嫌われていると思い込んでいる。家族関係の調整に入ることもあります。本人の代理で親御さんに電話をすると、本人の予想に反して親御さんは心配していたりもします。もちろん、こじれてしまい連絡をできなかっただけの方も多いですよ」八木さんの介入がきっかけで、家族関係が回復することも多々ある。